本屋の書店で気になっていたけど何度目かで購入。
表題作『約束された移動』ほか5編の短編小説。
どの話も静かに話を紡ぎどことなく美しい物語達。
ちょっとおかしな情景も著者の上品で繊細な文章で終わった時の余韻がいいおねがい

約束された移動

ロイヤルスイート担当になった客室係の私。ハリウッド俳優のBが宿泊した翌日の清掃中、本棚に隙間が少しあるのに気付く。
他の人なら気付かなかっただろう。
そこに一冊の本があった事に。そっと隙間を埋めた。その時から書棚の秘密が生まれ、その秘密は私とBの2人の物になった。
彼がロイヤルスイートに泊まる度に本が一冊ずつ彼の元へ移動していく。
私はその本棚に出来た隙間を埋めそこにあった本に想いを巡らせる。
彼がその時時に持つ本は彼の気持ちを代弁しているかのようだった。