通訳になったばかりの人は指名されないのでは? | 手話通訳者のブログ

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ブログ記事「通訳者を指名できないのが問題だ」に、mikanさんからコメントをいただいた。ありがとうございます。



たいし様

ありがとうございます。

指名制のほうがいいとは思いますが、通訳になったばかりの人は指名されないのでは?それだと、新しくなったばかりの人は、通訳を経験できませんよね。

皆さんが慣れた人ばかり指名したら、全く指名されない人も出てきますよね?問題があって指名されないなら、その人の問題ですが、新人を指名してくれる事もあるのでしょうか?





貴重なご意見、ありがとうございます。
mikanさんらしい、優しい視点ですね。


>指名制のほうがいいとは思いますが、通訳になったばかりの人は指名されないのでは?それだと、新しくなったばかりの人は、通訳を経験できませんよね。

大丈夫です。
新人通訳者に活躍の場を提供することが、コーディネーターとしての大切な役割です、。
もし、新人通訳者が活躍の場を得られないならば、それはコーディネーターがポンコツだからです。

具体的に書きます。
毎年、必ず行われる行事で、手話通訳がついているものがあります。
今、ちょうど年度末ですが、4月1日から始まる令和6年度の行事日程は既に決まっています。
例えば、福祉大会とか、市制○周年記念行事とか、スポーツ大会など。
これら、毎年行われる手話通訳付きの行事に、新人手話通訳者を優先的に派遣するのです。

上記の行事には通常、休憩時間があります。
この休憩時間に、新人手話通訳者は積極的にろう者たちと話をする。
ここでお互いに顔を覚えれば、ろう者側から、
「今度、あの人を指名しよう」
という動きが起こってきます。

手話世界の人材不足は深刻です。
一人ひとりのろう者は、「信頼できる手話通訳者に出会いたい」という強い希望を持っています。
ろう者の皆さんは、手話関連の資格試験(統一試験など)の合格者情報に強い関心を持っています。
資格を持っていない聴者について、ろう者の皆さんは、
「○○さん、早く試験に合格してくれないかなあ」
と待っていたりします。


>皆さんが慣れた人ばかり指名したら、全く指名されない人も出てきますよね?問題があって指名されないなら、その人の問題ですが、新人を指名してくれる事もあるのでしょうか?

逆のケースの方が多いと思います。
手話通訳者派遣制度の利用率は極めて低いのですが、この原因は、古株手話通訳者がいつまでも偉そうに幅をきかせていることにあります。
新人が育たない環境ができあがり、当事者たちが派遣制度を使うことをやめてしまう。
10万人を超える大都市で、手話通訳者派遣実績が一ヶ月あたり2件とか3件とか、そういう実例があるのです。
なぜ、こうなるのか。
その地域の古株手話通訳者の責任重大です。