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昨日のブログ記事「大会」の続き。


一郎君、着替えますよね?
「はい、車で、着替えさせます」
じゃ、出場者専用受付で待っていていいですか?
「お願いします」


出場者専用受付に行くと、小林氏が待っていてくれた。


小林さん、大会プログラム、手話通訳者が購入してもいいんでしょうか?
「えっ、たいしさんが、自腹で、買われるんですか?」
はい。
「通訳さんに自腹を切ってもらうのは申し訳ない。これをお使いください」
えっ、いいんですか?
「大会スタッフは本部に行けば、スタッフ用のプログラムが置いてあるので、問題ありません」
助かります。ありがとうございます。


すぐに、ろうママと一郎君が現れた。
俺は通訳に徹しているので、下記は小林氏とろうママの会話。


陸上競技大会に、参加されたご経験はありますか?
「いえ、今回が初めてです」
そうですか・・・一郎君、スタートの合図のピストルの音、聞こえますか?
「いえ、聴こえないと思います」
今、スタートのピストルの音が聞こえましたけど、どうですか?
「やっぱり、聞こえていません」
困ったな・・・・
「見て判るような、合図を出していただけませんか?」
うーん・・・事前に協議できていれば、なんらかの対処ができたと思いますが、今日の今日では・・・
「なんとか、ならないでしょうか。今日まで、一生懸命、練習してきたんです」
周りの選手を見て、合わせて、スタートする形で、どうでしょう?
「それでは、他の選手より遅れて、不利になってしまいます」
うーん・・・・
「手話通訳者に合図してもらうことは、認めてもらえますか?」
それなら大丈夫です。ただし、通訳さんが選手の体に触れると、失格になってしまいます。
「わかりました。たいしさん、なんとか、お願いします」


競技開始時間が迫ってきて、ろうママは心配そうな様子で、客席へ。


一郎君と一緒に、出場選手受付場所へ。
女性のスタッフが来て、指示を出し始めた。

「1組の選手、集まってください」

一郎君に、「一郎君、何組?」と聞くと、知らない、と首を振った。
急いでプログラムを確認。大会プログラムを入手しておいて、よかった。
一郎君は5組だ。


一郎君、スタートは全員、クラウチングスタートだって。
「くらうちんぐ?」
こうやって、しゃがんで、スタートする。
「ああ、わかった」
あと、スタート直前の指示、英語なんだけど・・・・
「えっ、英語?」
うん。On your marksという指示が出たら、スタートライン後方にスタンバイする。
「わかった」
Setという指示が来たら、スタート姿勢をとる。
「わかった」



<つづく>