霊とか魂とか、そういう話が嫌いな人は、今日の記事は読まないでくれや。
かつて、日本には「イタコ」と呼ばれる、特別な能力を持つ女性たちがいた。
「いた」という過去形にすると、もしかすると怒る人もいるかもしれない。
しかし、ほとんどいなくなってしまったのは事実だろう。
母の親しい友人が、昔、もう40年前のことだが、北海道を旅行した。
この人は若い頃にご主人を事故で亡くした。とても仲のいい夫婦だった。
以下、この方から聞いた話。
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念願の北海道旅行に行ってきました。そう、一人旅です。
噂通り、海の幸のおいしいことと言ったら・・・もう、このあたりで食べられる魚介類とは全然違うんですよ。
恐山を見てきました。そうです。イタコで有名な場所ですよね。
口寄せって言うそうですね。亡くなった方の魂を呼び出すことができる、と以前から聞いていました。
でも、私は現実主義者で、幽霊とかそういうものって、信じていないんです。
だから、失礼な言い方だけど、話のタネにと思って、口寄せをお願いしたんです。
最初は、凄いなあ、と思いました。
口寄せのことじゃなくて、イタコさんが男の声で話し始めたからです。
声優さんは10種類以上の声を使い分けるそうですが、そういう訓練をしているんだろうな、と思って、素直に感心しました。
でも、主人の声で、「幸恵は元気か?」と尋ねられて驚愕しました。
イタコさんに、娘の名前は言っていません。
まさか・・・まさか・・・まさか・・・
でも、幸恵という名前は、珍しい名前じゃありません。偶然の一致かもしれない。
でも、そんな疑いの気持ちはすぐに消えました。
声も、話し方も、話し方の癖さえも、まさしく、主人だったのです。
どうしても、主人に聞きたいことがあったんです。
事故で突然亡くなってしまったから、一生、尋ねることなんかできないと思っていました。
思い切って尋ねました。
主人はいつもの静かな、優しい口調で、全部話してくれました。
主人に尋ねた内容?それは言えません。
旅行先に北海道を選んだこと、「口寄せ」なんて信じていないのに、なぜかイタコさんのところに行ったこと、それらは全部、主人の導きだったのかもしれません。
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