手話表現/受付での会話(例1) | 手話通訳者のブログ

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上記サイトから、会話文を抜粋する。

受 付:今日は、どうしましたか?
お客様:熱があります。
受 付:来るの大変でしたね。では、熱を測りましょう。
お客様:わかりました。私は耳が聞こえません。
受 付:この体温計は、測り/終わったら、振動します。持ってきて/ください。
お客様:わかりました。

抜粋ここまで。


誤解のないように、最初に書いておく。上記サイトを批判するつもりは毛頭ない。
もし、病院の受付でこの動画のようなやりとりがされていたら、「おお!」と感動すると思う。

病院に手話通訳に行くと、上記のようなやりとりを通訳することになる。
上記の「受付」のセリフは聞き取り=日本語を手話に変える
「お客様」のセリフは読み取り=手話を日本語に変える
である。

病院の受付におられる方が表す手話なら、動画の手話で十分と思う。
では、手話通訳者の通訳する手話表現では、この動画と最も違うところはどこだろうか。
「この体温計は、測り/終わったら、振動します」の部分やろな。
俺が表現するなら、
右手人差し指を左脇にはさみ、少し待つ。時間にして2秒ぐらい。待っている時の視線はやや上向きで虚空をぼんやり見る感じ。
そして2秒後、脇に挟んでいる右手を振動させ、「あ」という気づいたような表情で右手を見る。
「この体温計は、測り/終わったら、振動します」
これだけ長い文章なのに、「たいし」の手話表現は、手話単語に分解すると、「検温」という、わずか1表現で終わり。