原点 | 手話通訳者のブログ

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手話の勉強を始めた動機はシンプルだった。

学生時代、ろう者のKと出会い、親しくなって、Kとたくさん話がしたくて、手話を学び始めた。

いつしか手話の魅力にとりつかれ、学び続け、手話通訳者になった。

 

大学卒業後、Kは地元の有名企業に就職して、隣町に住んでいたから、社会人になってからもよく会っていた。

新人手話通訳者としては恵まれた環境だった。手話通訳者として壁にぶつかったり、悩んだ時は、ろう者であるKに相談できた。

 

手話世界は狭い。手話通訳界はさらに小さく矮小な世界や。

俺は若い頃から、自己主張が強い方だ。自分はこう思う、ということをはっきり話す。

こういうタイプは手話通訳界では生きにくい。

たいしの「悪評」は既に始まっていた。手話世界は狭いから、悪評はKの耳にも入った。

ろう者だから、「耳に入る」はおかしいかもしれないが、適切な日本語が思い浮かばない(笑)

 

悪評に接したKは、「たいしはそんな奴やない。信用できる男や。俺は付き合いが長いから解る」と言ってくれた。

人づてに聞いた。嬉しかった。

 

Kは優秀な男で、栄転に次ぐ栄転で遠方に行ってしまい、会えなくなった。

しかし、どんなに離れていても、手話世界は狭い(笑)

今でも得難い助言者である。