C検定1級論述問題対策-27(直交表)
論述問題の解答例を書いてみました。どの参考書にも明確な対策方法が書いてありませんので参考にしてみてください。だだし、間違いがあるかもしれませんので鵜呑みにはしないでください。今回は少し乱暴な記述です。


問題 第27回2015/3
直交表を使った実験計画により、少ない実験回数で多くの因子を使い、効果の検討ができるが、無視できない大きさの2因子交互作用を事前に選べない状態で、因子を割付けて実験を行うと、主効果が過大にあるいは過小に評価される恐れがある。直交表を使用した実験計画で、事前に主要な2因子交互作用を選べないときの方法について、自身が関与した事例を用いて記述せよ。

例文
私は自動車部品製造会社の品質保証部長として、加工条件の最適化による工程能力の向上など改善活動のアドバイスを行う立場にいた。


1.実験の目的
連続して鋼管に焼入れを行う装置の表面硬度の工程能力を改善するため、実験計画法を用いて最適条件を求める計画に対しアドバイスを行った。


表面硬度の影響をもたらす因子には、鋼管の送り速度、焼入れコイルと鋼管のクリアランス、焼入れ電力、焼入れ水温度があげられた。これらを直交表に割付実験を行うことにしたが、交互作用の有無は判らない状況であった。


2.指導内容
交互作用を無視して実験を行うと、主効果が過大にあるいは過小に評価される危険があるが、工場現場での加工条件の最適化などは対応の早さ重要で、どれか1つの水準を選ぶ最適化が目的であり、選択しない因子間の交互作用を調べることは無意味である。

基本的には交互作用は割り付けずに進め、製品の出来栄えの再現性を確認して、選択した水準の交互作用の有無は確認実験で確かめることを指導した。


3.理由
実際には交互作用は、各要因単体の効果に比べれば限りなく小さい場合が多く、無視できない大きさか否かは事前に分るものではない。そのため交互作用は無視し、交互作用の列に別の独立した要因を割り付けた方が効率的になるためである。
モデル作りはが学者にやらせておけば良く、選択しない水準や変更しない因子の効果がわかっても工場現場ではほとんど役に立たない場合が多いためである。

3.確認実験が必要な場合の対応
交互作用があるから直交表を使った組合せ実験を行うのであって、交互作用を無視しても再現するのであれば、組合せ実験を行わなくてもよいということである。再現しなかったときこそ、直交実験を使わなければ最適条件が求まらなかったということで価値があり、 制御因子間に交互作用が不明だから直交表による実験をするのである。


4.実験の効果
表面焼入れ硬度の実験結果は、鋼管の送り速度、焼入れコイルと鋼管のクリアランスが有意となり、最適の水準で量産を行った結果、工程能力も目標を達成することができた。
交互作用を意識して無駄に実験回数を増やすことなく改善ができた。