QC検定1級論述問題対策-26(応急処置)
論述問題の解答例を書いてみました。どの参考書にも明確な対策方法が書いてありませんので参考にしてみてください。だだし、間違いがあるかもしれませんので鵜呑みにはしないでください。


問題 第27回2015/3
製造工程で発生した不適合に対しては,応急処置および恒久処置を行う必要がある。再発防止に関する実施項目と手順は定まっていることが多いが、応急処置については定められた手順が無い場合が多い。自身が関与した事例を用いて、応急処置を実施した内容を具体的に記述せよ。また、その事例で検討の甘さ、実施洩れによって起こった問題があれば記述し、反省点や改善すべき点について記述し、まとめとして、応急処置の注意すべき項目について、自身考えを述べよ。

 


例文
私は自動車部品製造会社の品質保証部長として、品質不適合の処理や再発防止を指導する立場におり、応急処置のありかたについて見直した事例を記す。

1.応急処置を実施した内容
自動車のサスペンションを支持する部品の締め付けトルクが不足している不適合が発生した。
直ちに在庫品を増し締めするとともに、恒久対策が実施されるまでの間は、従来の締め付け作業の後に、別の者により増し締めを行うという応急処置を採用した。

2.検討の甘さや実施洩れによって起こった問題
恒久対策の内容を決めるには、なぜ締め付けトルクが不足していたかの原因を特定する必要があるが、在庫品について、規定のトルクが掛かっているか否かをリミットレンチで判断していたため、実トルク値が判らないという状況になり、トルク不足のバラツキや発生時期の特定できず、原因をつかめない状況に陥った。
リミットレンチによる判定は計数値であり、計量値である実トルク値とは情報量が全く違うことを痛感した。

3.反省点や改善すべき点
不具合処置は迅速であることは重要だが、原因調査の一環であることを学んだ。
今回の事例では、サンプリングであっても実トルクを測定すべきであった点が改善すべきところである。

4.応急処置の注意すべき項目
異常や不適合の内容は100%の定義はできない、したがって作業者は「止める、呼ぶ、待つ」の原則に従い行動し、呼ばれた側は応急処置方法を含め1人ではなく、上司、関連部署のメンバーの協議で決めるべきとした。
これらは従来からある「呼ばれる側の行動基準」に反映し、各部署で改訂箇所を教育するように指示した。