7歳を過ぎ、シニアになってからは毎年2月に健康診断を

受けていました。

 

2月の健康診断前に、ヘソテンで寝ている娘のお腹を触った

ときに2cmくらいの何かがあって、以前はウンチかな?

と思っていたのですが、減る気配も動く気配もないので

健康診断で良く調べてもらうようにお願いしました。

すると脾臓(ひぞう)に腫瘍があって、手術で摘出しない

とレントゲンだけでは詳しく判別できないとのことでした。

(画像にはモザイクのような柄が見え、悪性の可能性あり)

 

12歳という年齢は、人間にすると80歳前のお年寄りで、

全身麻酔には躊躇するギリギリの年齢です。

実際、何度か血液検査をして、おおよそ大丈夫であるが、

麻酔の効きが悪ければ中止とする、ということに同意して

手術をお願いすることにしました。

 

3月に入り、心配していた手術当日はやはり麻酔の効きが

良くなくて、手術の時間が予定より30分以上伸びました。

 

それでも、

手術自体もできるだけ早く終われるよう、開腹から縫合まで

最短で行える方法で行われました。(脾臓への血管を焼灼)

おかげで、2日の入院だけで我が家へ戻り、2週間弱で傷も

ふさがって元気を取り戻したほどです。

 

検査結果は血管肉腫という、一番恐れていた予後の良くない

腫瘍、いわゆるガンでした。

 

そこから2か月、2週間に1度の検査でも何事もなく、

免疫を高める食品を食べてもらいつつ、元通りの生活ができ

ていました。寛解したのかもと思えるほどの平穏でした。

 

そして5月3日

前日から後ろ足にふらつきが見られるようになったため、

カートに乗せて最寄りの病院へ行ったところ、再発・転移に

加え、今日明日の命 と診断されました。

 

突然の余命宣告

そしてそれは急な別れの宣告でもありました。

 

貧血の症状緩和のため、生理食塩水成分と血流改善の点滴を

打ってもらい、覚悟を決め連れ帰ることを決意しました。

 

茫然としながらも我が家に着くと、まもなく横たわったまま

激しい呼吸と静かな呼吸を繰り返し、ここから1か月以上、

体調の良くないときは命の危機を感じるほどの状態が度々

おきる、看護と介護の時間が続きました。

小梅が亡くなるまでのこの時間が濃密すぎて、

看取ってから葬儀が終わって以降も、まるでTVのドラマでも

見ていたかのような現実感がないまま今に至っています。

 

夢だったのかのような感覚

 

我が家の中のたくさんの写真でさえ、どこか架空な印象さえ

受ける反面、ドラマの出演を終えた娘が久しぶりに帰ってくる

のではないかという期待もあり、

僕たち夫婦は、なかなか帰ってこない娘を待ちわびる日々を

複雑な想いで過ごしています。