ロンドン警視庁は、ロンドン東部ニューハム・ロンドン特別区の80軒の売春宿を閉鎖した。

英国では売春は法律で許可されているが、売春宿の運営は禁止されている。

以前からオリンピックに向け、ロンドン市長Boris Johnsonが、ロンドンの売春そしてそれに関わる人身売買を撲滅するという方針を公式に打ち出していた


ニューハム・ロンドン特別区は以前から売春だけでなく麻薬密売やその他あらゆる犯罪の温床となっていたため、警察のこの取り調べに対し住人の多くは喜びの声を上げている。

この地区はイスラム系やバングラデシュからの移民が多く住む地域であり、特にイスラム系移民達には、数か月前に同地で行われた売春及び人身売買組織撲滅のための捜索に協力したという経緯もある。

だがロンドン東部でソーシャルワーカーとして売春婦のケアを担当する女性は、閉鎖を命じられた売春宿の運営者は、結局ロンドンの他の地区で同じように宿を経営することになるであろうから、取り調べの意味は余りないのではないかと語る。また売春宿の運営は法律に違反しているとはいえ、売春婦にとっては怪しい客から自分たちを守る砦のような存在となっているため、宿がなくなることで同区の売春婦達にとっては、むしろ普段よりも危険に直面する可能性が高くなるのではないかと懸念している。
(TechinsightJapan編集部 椎名智深)