浮気(中編)
次の日の朝、いつもは仕事に行く時も私のことを起こさない
せいちゃんが私に話しかけてきた。(前編はこちら )
「こうこちゃん…話があるんだけど…」
私は寝ぼけながらもドキッとした。
なにか嫌な予感がする…。
「なに?」
「好きな人でもできた?」
「できてないよ」
「Kって誰?」
一瞬にして血の気がひいた。
でも普通に
「この間辞めたお店の人だよ」
と答えた。
嘘は言ってないし。
「それだけ?」
「うん」
少し沈黙が続く…。
次に何を言われるのかわからなくて心臓がどんどん
早まっていく…。
「…俺さぁ…携帯見ちゃったんだよね」
やっぱりかぁ。
でも…せいちゃんが人の携帯見るなんて思ってもいなくて
ちょっとショックだった。
私は自分でもビックリするくらい冷たく
「人の携帯見たんだ。サイテー」
どっちがサイテーなんだと思ったけど…背中を向けた。
せいちゃんは私の背中に話を続ける。
「朝起きて居間に行く時に、こうこちゃんのカバンが足に
引っかかって思いっきり踏んずけて…
携帯大丈夫かと思って出してみたんだ。
それで…そういえば昨日寝言で携帯がやばいとか…
メールは消せとか…
そんなことばっかり言ってたの思い出して…
開いて見てしまった」
はぁ~
私は深いため息をついた。
寝言って…。
なんで寝言なんて言ってるんだろ、私。
自分がそこにカバンを置いた事も後悔した。
勝手なのはわかってるけど…でももう何も話したくない。
「なぁ。何か言うことないの?」
「だって…何か言ったってどうせ別れるんでしょ」
せいちゃんは浮気は絶対許さないと前に言ってた。
バレたら別れるに決まってるのに、余計な事は話したくない。
「こうこちゃんはどうしたいの?
俺と別れてそいつのとこにいくの?」
こんな時に私の意見を聞くとは思わなかった。
「せいちゃんと別れる気はないよ」
そう答えたら
「じゃあ、とりあえず今日も夜、仕事が終わったら来て。
俺も仕事に行かなきゃならないし」
「…わかった」
その日の夜はドキドキしながらせいちゃんの家へ向かった。
せいちゃんの気持ちはだいぶん落ち着いていて
「今日1日考えたけど…最後まではしてないみたいだし
やっぱりこうこちゃんと別れる事は考えられなかった。
そいつともう会わない、メールもしないって約束して」
泣きそうな顔で言われた。
私は黙って頷いた。
「それと、1度そいつに会わせて」
「会うのはヤだ。会ったら殴るでしょ。電話にして」
せいちゃんに携帯番号とアドレスを教えた。
それからはお互い元に戻れるよう努力した。
せいちゃんは仕事が暇なのもあって、夜中でも私に逢いに
来てくれたり、とにかく優しくなった。
そして、せいちゃんとKクンの話し合いへ…。
長くなったので、またまたつづく…。