「で、相談したい事って何? 

状況説明だけみたいだけど」

 勇太はレポート用紙に

私の話をメモしていて、

暗号みたいな記号や矢印を

書き足していた。

「ごめん、まだ続きがあるの。

今から続きを話すね。

それで、

玄関ロビーの

モップがけをしていたら、

全部が終わらないうちに

お弁当屋さんが来たの。

前に少しだけ

話したことがある

カレー屋さん。

私、慌てて

カレー屋のおじさんに

待ってもらって、

モップがけを大忙しで

終わらせたのね。

でも、迷惑かけたかなって

思ったから、

準備を手伝ったのよ。

そうしたら、

おじさんが

カレー弁当をあげるから、

お昼の休憩時間おいでって

言ってくれたんだ。

ラッキーって一瞬思ったけど、

でも断ろうと思ったんだよ。

そういうつもりで

手伝った訳じゃないから。

でもね。

おじさんが

私に話したいこともあるから、

どうしても休憩時間に

来て欲しいって言うの。

だから作業着から

通勤服に着替えて

おじさんの所に行ったんだ。

それで、

チキンカレーを貰って、

おじさんと一緒に

玄関ロビーの応接セットで

食べることになったの。

そうだ、

ウーロン茶も買ってくれたんだ。

それからおじさんが

お話があるって言って、

時間は大丈夫かって訊くから、

一時までなら大丈夫です

って答えたら、

時間がないから、

僕の話を聞いて

明日返事をしてくれって

言うのよ。

どうしたらいい?」


(つづく)