晃吉古事記 -154ページ目

珍しいお客様 2 【実話】

田上晃吉


【前回の続き】


とにかくビックリさせたらまずいので


そっと窓を開け


逃げないように・・・・


すると


目を覚ました!


すかさず煮干しを与える


食べてくれた。


前回煮干しを与えた時は


警戒され距離があったのに


手渡しで食べてくれた・・・


可愛い。


癒される~。


存分に癒された。


さぁ、捕獲しなくてはと


煮干しを手渡しで食べさせたあと


頭を撫でながら


ゆっくり体を抱き上げた


すると爪をビュンと出して


これでもかっ!という勢いで


暴れだし僕も少しパニック


これ以上堪えられない


反射的に『ブチ』を家の中に投げ込み


窓を閉めました。


なんとか捕獲成功。


家の中で『ブチ』が走り回っている


手を引っ掻かれ少し動揺しながら探し主に連絡。


「今からすぐに行きます」


家から2~3km位離れた所に住まれている『ブチ』の探し主は直ぐに来てくれた


さぁ審判の時だ


探しぬしの方に見てもらうと


「ブチちゃん!間違いないです!」


『ブチ』と探し主さんの久し振りの再会


さっきまで暴れ回っていたのに


嘘みたいにおとなしく抱きかかえられた『ブチ』


猫用のゲージに入り一安心


目に涙をうかべながら


「本当にありがとうございました」


と。


話を聞くと


探し主さんはウチの近くにいる野良猫を保護していているらしく現在14匹位いて


『ブチ』は取り壊しになる建物の下に住んでいた野良猫で


「うちも沢山は飼えないからこの子で最後にしようと思っていたんですが逃げちゃって・・・」


新聞の折り込みチラシや


僕が見た貼紙のように町中をさがしていたみたいで


さらには


東京の立川にある猫神社にお参りに行かれたという位必死だったそうです。


飼い主さんと『ブチ』を見送り


家に入るとさっきまでの光景が嘘のように静まり返り


床には『ブチ』が残して行った


毛があちらこちらに


なんだか淋しくもあり


飼い主と再会出来てよかったという喜びもあり


もやもやしました。


でも、野良猫を保護して


逃げ出した猫を必死に探し


涙を浮かべ喜んでいた飼い主さんと会って


改めて凄いな~って思いました。


ただでさえ自分勝手な理由で


ペットを飼い


育てられなくなり


野放しにする飼い主がいるという話を聞くのに


今回の一件で考えさせられました。


そんな事があった次の日の朝


ベランダでカメに餌をあげながら

いるはずのない『ブチ』を探している自分がいました。

true

晃吉