コウタVS金木の勝負となった。

コウタに恨みを持っているだけでなく金木は球界を代表する名バッターだ。

コウタは気持ちで圧倒されていた。


「コウタ選手、頑張って」


タケシ君は手を合わせ、祈るように試合を見ていた。


コウタはボールを持つ。

そしておでこにボールを当てて祈った。



「金木を打ち取るんだ、オレ。」


そして第一球を放り込んだ。






ドン!!






なんと手がすべり、金木の腰にボールが飛んでいった。

金木はデッドボールを食らってしまったのだ。


金木は本気で乱闘を起こそうとマウンドにかけていった。

コウタはダッシュでセンターあたりまで突っ走った。

その姿をみて同僚の早川は「ベンジョンソンより速い」とつぶやいたそうな。

金木はその逃げ足の速さに驚いて追うのを止めた。

コウタは逃げ足だけは昔から速かったのだ・




結局押し出しで1点が入ってしまう。

コウタは泣きそうになった。




「ターイム!!」




再び審判が手を上げる。


一瞬球場に緊張が走る。

神宮球場全体が静まったのだ…



数秒の沈黙の後、場内アナウンスが流れる。



「ピッチャー、変わりまして、早川。」





コウタはマウンドを降りた。

同僚の早川にすべてを託すコウタ。

もはや病気のタケシ君のことなんて金木に追われたことで忘れてしまっていたのだった。



早川がマウンドに立つ。





そして早川投手は打たれた…




次回から急展開か!?
10月17日 第8回に続く