月夜の出来事 - 今村幸治郎 -

月夜の出来事 - 今村幸治郎 -

音楽と文学をこよなく愛し、とっても温かく、優しく、
ユーモアであふれていた愛すべき
色鉛筆画家今村幸治郎 (1953-2018)。
彼の日々の想いや考えを綴ったブログ 月夜の出来事。
現在は幸治郎の甥にあたるたかちゃんの協力のもと
息子である今村 遊が更新しています。

 

 

僕の職業は絵描きです.ですから、普通の人よりは、ちょっとは、イマジネーションがあるつもりです.それでも、どうしてもイメージの湧かない事があります。それは、コールマン・ホーキンスとベン・ウェブスターの子供の頃の姿なのです。いくら、ジャズ界の巨匠達とは言え、子供時代がない訳はないのだが,どうもこの二人は子供の頃から,おじさんだった様な気がするのです.彼等が,幼稚園に通っている頃,(そんなものなんか行くものか!と彼等に怒られそうです。)でも,二人は,シガーをくわえていそうな気がする出羽ないでしょうか?全く,この時代の人達はずっと我々より,大人びています.彼等の20代の写真でさえ,我々の40代をとうに超している,真のおじさん顔で写っているのです.もっとも,コールマン・ホーキンスは若い頃から、”Body and soul"大ヒットでテナー界の大スターだったのです.其の彼に憧れて、彼のうちの前でずっと彼の帰りを待っていて,サインをもらおうとしていたのが、若き日のソニー・ロリンズだったのは,有名な話です.後にソニー・ロリンズとコールマン・ホーキンスの共演盤がビクター・レコードから,発売されましたね。
 コールマン・ホーキンスの動く映像は,ビリーホリディと出演している,コロムビアの”The sound of jazz"という,番組で観る事が出来ます。そこでの彼は,押しも押されもしない,テナー・サックス界の第一人者の貫禄たっぷりの男らしいそして,渋い,ソロを聴かせるのです.其の姿と言ったら、まったく隙がありません。凄い武士が構えているみたいです。
  このホーク・アイズというアルバムでの彼の表情は彼にしては実にお茶目な表情をしているのです。この目は少し、僕に彼の子供時代の姿を思わせる所があります。それでも、さぞや、おませな子供ではあったのでしょう.このアルバムには、タイニー・グライムスのギターが参加しています.彼のギタープレイは一体どうでしょう!凄いの一言です.他人名義のアルバムでここまでするか、という位凄いのです。流石にチャーリーパーカーと一緒に演奏していただけの事はあります。一体誰が彼をつれて来たのでしょう、プロヂューサーはあちゃーと思ったかも知れません.彼がいなければ割と当たり前な平凡なセッションに終わったであろうこの録音を彼のギターがぶち壊しています.(いい意味で)どうも、コールマン・ホーキンスはきっと、グライムスのギターを聴きながらニコニコして、このアルバムの写真になった、と僕は思うのです.心の広い本当の大人のジャズというのは、こんなにも、暖かいものなのです。

 

今村幸治郎がブログを書いた日時

2007/01/21
20:24:11