M1のネタ順による得点への影響を補正したら笑いの歴史が変わった! | ITたまにカフェブログ

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皆さんこんにちは!

お笑い大好きデータサイエンティストです!

 

今回はM1をデータサイエンスします!

 

M1と言えば毎年年末に開かれるお笑いコンテストですが、

毎回ネタ順が後半になるにつれて明らかに採点が甘くなり

ネタ順が最初のほうは不利であると騒がれています。

 

 

各ネタ順がどの程度不利なのか?

そしてそれを補正すると過去のM1の優勝者は覆るのか⁉

検証していきたいと思います!

 

まずは過去全17大会のネタ順毎の平均得点です(※1)

見ての通り、明らかにネタ順が後半になるにつれて平均得点が上がっております

回帰分析をすると、

得点 = 603.77 + ネタ順 × 2.74077 

となりました。つまり、ネタ順が一つ後ろになるごとに平均で2.7点上がることとなります

 

 

しかし、M1審査員も馬鹿ではありません。過去から学び最近はマシになっているかもしれません。

なので、休止から明けた第11回大会(2015年)から第17回大会(2021年)の同様のグラフを見てみましょう

得点 = 624.49 + ネタ順 × 2.168

となりました。多少はマシになっていますが、やはり影響があるようですね・・

 

 

 

続いて、ネタ順による有利不利を補正した場合の得点を過去のすべての大会で算出して順位が変わるか試してみます。

一番上の図を見ると、3番目が不利で4番目と10番目が有利であるなど一律に後ろが有利なのではなく、順番によって微妙に平均点が異なることが分かります。

また、過去と現在で若干傾向が異なるので、各回に近いM1回の重みを重くし(※2)、重回帰分析にかけて点数の補正を行います(※3)。

 

 

例えば2021年回は下記のように補正されました

1番目:+14.08点
2番目:+11.46点
3番目:+6.17点
4番目:-2.23点
5番目:-5.81点
6番目:-2.09点
7番目:-2.13点
8番目:-3.53点
9番目:-13.36点
10番目:-2.53点

 

→1、2番目に多めに加算し、9番目から点が引かれます。妥当な補正ですね。

 

 

 

 

例えば今年(2021年)の実際の順位は下記でしたが・・・・

 

 

 

 

 

ところがネタ順補正をかけると・・・・                   

          

インディアンスは7位で敗退、モグライダーが3位となり決勝進出

となりました。

モグライダーはネタ順が1番目とくじ運が悪く敗退しましたが、補正がかかると決勝進出となりました。

 

 

 

 

 

 

次に去年(2020年)を見てみましょう。実際の順位は下記です

     

 

 

 

 

 

こちらもネタ順補正をかけると・・・     

  

 

見取り図は4位で敗退、ニューヨークが2位で決勝進出

となりました。ニューヨークは3番目という不運なネタ順であったので、敗退していましたが、補正すると2位で決勝進出となりました。

今年、ニューヨークは好きな芸人ランキングで1位に選ばれています。

2020年もネタ順に恵まれていたなら十分に決勝進出の力はあったということでしょう。

 

 

 

 

その他の年について補正をかけると下記の変更がありました(2015年以降のみ記載)

2015年

 トレンディエンジェル(ネタ順:9番目)が敗退し、スーパーマラドーナ(ネタ順:3番目)が決勝進出

〇2016年

 変更なし

〇2017年

 和牛(ネタ順:9番目)が敗退し、ゆにばーす(ネタ順:1番目)が決勝進出

〇2018年

 変更なし

〇2019年

 ぺこぱ(ネタ順:10番目)が敗退し、和牛(ネタ順:3番目)が決勝進出

 

 

 

 

 

 

結論:

ネタ順による得点への影響は大きく、

補正するとお笑い史に影響が出る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※1

回によって審査員の人数が異なるので、700点満点に補正。最終決戦のデータは除外

※2

該当回のデータの重みを10、最も離れている回の重みを1としました。

例えば第10回の補正をしたい時は、第10回のデータの重みを10、第一回の重みを1、第17回の重みを3としました。

※3

全ての回に対して※2の重み付けを行ったデータで重回帰分析を実施し、ネタ順の回帰係数を調査し、その分を補正しました。

for文で回しました