その時私は日サロに向かった | 日常の〇〇な話

その時私は日サロに向かった


3月11日14時45分過ぎ


美容院に行っていた俺は車を運転していた


俺『この後日サロでも行こうかな~』


俺はのん気にそんなことを考えていた



すると車が左右に揺れ始める


俺『ポンコツ軽自動車ぶっこわれたか!!』



俺はのん気にそんなことを考えていた



いや…まて、何かがおかしい


揺れ方がおかしい!!!!


外を見渡してみると電柱が揺れ住宅のベランダから洗濯物が吹き飛び、走っていた車は一斉に停車している


日本にいったい何がおきているんだ


車の揺れは左右に揺れながら止まる気配がない


思わず俺は車から降りた


大通りを走っていた車は全てが停車していて車を運転している人は誰一人居ない


中には電話をする者、悲鳴をあげている者、その場で立ち尽くす者もいた


しかしこんな状況でさえも俺は『日サロに行きたいな~』なんてのん気なことを考えていた


するとパチンコ屋の看板が落下したらしく回りに人だかりができている


5分も経たないうちにその場に消防車や救急車、警察官が集まってきた


どうやら近くでは火災が発生したらしく尋常じゃないくらいの黒い煙が立ち込めていた


俺『ひ、日サロに行きたいな~』


こんな一大事であっても俺はまだのん気だった


状況がまったく把握できていない


いったい日本に何が起きているんだ


情報を手に入れたくても肝心の携帯が繋がらない


そこで俺は大変なことに気づいてしまった


俺『やべ、これじゃ日サロ予約できないじゃぁん!!』



俺はついに行動を起こすことにした


大渋滞の中、裏道を通り日サロに向かうことにしたのだ


途中で市役所を通った


市役所の駐車場には大量の人が並んでいて皆ヘルメットを着用していた


通るコンビニ、家具屋、ゴルフショップ、すべての店の駐車場に人だかりができていて店員は皆、客を誘導し非難させているみたいだった


俺『日サロはやってるかな~?』


俺はまだのん気だった


日サロに向かう間に4回くらい揺れた気がした


揺れるたびに車は停車し道は大渋滞、消防車の音が度々聞こえるようになった


あちこちで火災がおきているらしい



俺『日サロは燃えてないかなぁ~?』


俺はやっぱりのん気だった


そしてついに日サロに到着



中に入ってみると店内はいつもとは違う重苦しい空気だった



店員『は!!!い、いらっしゃいませ!!』


俺『あの、やってます?』


店員『やってますけど…今は入らないほうがいいですよ?』


俺『たしかにやばいっすよね!なんか外騒がしいですし!救急車とか消防車とかでwww』


店員『マシーンも勝手に扉が閉まっちゃったりして使えるか分からないんです。本当に怖いですよね!』


俺『そうですね!じゃあスーパーベッド30分で!』


店員『じゃあってwww今どんな状況か分かってますか?絶対に入らないほうがいいですよ!』


俺『確かにwwwこんな状況で日サロなんてバカしか来ないですよねwww』


店員『そうですよ。だから今日はやめたほうがいいですよ。残念ですけど。』


俺『分かりました。じゃあ、スーパーベット25分で!!』


店員『5分短くなってるwww時間短くしてもだめ!!!』


俺『お願いしますよ。僕、渋滞の中ここまで来たんですよ。入れさせてくださいよ。』


店員『しょうがないですね。わかりましたよ。じゃあ危なくなったらすぐマシーンから出て下さいね。』



こうして俺は念願の日サロに入ることができた。着替えてる時に2回くらい揺れた気がした


しかし俺の気持ちは揺るがなかった



絶対に今日は焼くんだ!!!!



いざマシーンへ


とりあえず気を紛らわすために有線で漫才をチョイスしてみた



全然笑えねえwwwww


マシーンの中では揺れるたびにドキドキして、何だかこそばゆかった


汗を沢山かいたが多分これはひ汗だったと思う


そして25分後マシーンの中のインターフォンが鳴る


ピンポ~ン


店員『無事ですか?25分経ちました!!』



俺…生きてる!!!!ひゃっほーい!!!!


急いでマシーンを出てシャワーを浴びる


店員『おつかれさまでしたー!大丈夫でした?めっちゃ揺れてましたけどねwww』


俺『めっちゃ揺れてましたね!なんかジェットコースターに乗ってる気分でしたwww』


店員&俺『あはははははwwww』



こうして俺は無事日サロから生還したのであった


この瞬間、自分で自分の価値を見出した気がした。自分の考え方、行動を信じる精神が身についた気がした。


もしかしてこれが自信ってやつですね?


地震だけに


おわり