⑱【美醜、靜濁を超越する】
美があれば、必ず醜がある。美を鼻にかけなければ、
誰からも醜だと批判されることはない。
清があれば、必ず濁がある。清にこだわらなければ、
誰からも濁だと非難されることはない。
平成２３年７月１０日戯曲家の「つかこうへい」氏が亡くなられた。彼はよく作品の中で女性の事を俳優に「ブス、ブス、ブス………」と言わせたり女優本人にも「ブス、ブス、ブス………」と言わせた最初の戯曲家・演出家だと思う。
不思議なことにその「ブス、ブス、ブス………」のセリフが舞台が終わるころには、全然いやらしく聞こえず、最後には感動すら呼び起こし、女優は舞台上で魅力を発散させて輝きを増していく。
つかこうへいの表現する「ブス、ブス、ブス………」とは心の奥底にある人間の「嘘、見栄、自己中心的考え等」を言うのだろう。それらからすべて解放されたとき、人は素直になれ「美」を発散する瞬間を得るのだと思う。
私も時に歯にものを着せぬ言い方をしても、愛される人間になりたいと思う。
慈愛の心を大切にして生きたいものだ。