国立劇場で開催された第29回全国高等学校総合文祭優秀校公演の2日間、楽しく鑑賞させて頂きました。
関係者の皆様、ありがとうこざいました。
演劇、日本音楽、郷土芸能、オープニング上演、全て見せて頂きました。
公募で選ばれた、高校生の方が描かれたパンフレットの表紙絵です。
8月の初めに、長野県の17市町村で高校生の芸術・文化28部門の全国大会が開催されました。
そのうちの演劇、日本音楽、郷土芸能の3部門の上位4校を中心に、国立劇場で上演、演奏が行われました。
日本音楽、琴の演奏に心洗われる気持ちになりました。
きちんと髪を結った女子高校生の生徒さん達の清楚で凛とした夏の制服姿。
真剣な表情で奏でられる新鮮な琴の音色。
涼やかな風が通り過ぎてゆくような爽やかな演奏のひとときでした。
休憩時間に、2階の茶席で東京の高校茶道部の生徒さん達が入れてくれた抹茶とお菓子をご馳走になりました。 お茶を入れるスペースを、「ここが小さいですが、私達の劇場なんですよ」と、茶席の人達への言葉が素敵でした。ご馳走さまでした。
長野県松本美須々ヶ丘高校と千葉県立松戸高校の舞台を、国立劇場での優秀校公演で2週間前と同じ順番で再び観られました。凄く嬉しい。
県立松戸高校「Time After Time~インディアンサマーより~ 」
この夏、この舞台に出会えて、2度目の涙です。
教室には生徒たちの視線を感じて入ることができず、準備室のような小教室で学ぶ不登校気味の物静かで頭のいい夕子という高校3年生と、なんとか彼女を教室に戻らせたいと、いろいろ試みる、夕子の心の応援団、面倒見のいい同級生の朝香との物語です。
朝香の努力も実らず、夕子はついに教室には戻りませんでした。
そして25年の歳月が過ぎて、朝香は母校の先生となります。
そんな朝香のもとに、通信制の高校に通い努力して、今は文部科学省に勤める夕子の、高速道路での交通事故の知らせが入ります・・・・。
動揺する朝香のもとに、生と死の狭間にいる夕子が、幻のように現れて、ふたりはひさしぶりに再会して向き合います・・・・。今は教師になっている朝香は、夕子にささやかな卒業式を行ってあげます。
そして朝香の夕子への台詞。「生きて、生きて、生きて」って言葉が胸に刺さります。
人の心を救ってくれる強い力を感じる、涙と笑いのある素晴らしい、美しい舞台でした。
観ている人の多くが、私も含めて、すすり泣きしていました。
純情な科学部の男の子も登場しますが、澄んだ空のようにとってもいいのです。
インディアンサマーって、中秋から晩秋にかけて、よく晴れた、とても暖かな日が続くことをそう言うとのことです。冬支度を始めるインディアンにとっては、インディアンサマーは神様が与えてくれた贈り物だったそうです。
夕子のための卒業式のクライマックス、夕子の台詞と、宮澤賢治の「生徒諸君に寄せる」の群読が美しく心に響きます。宮澤賢治の「生徒諸君に寄せる」って、素晴らしい言葉ですね。
そして、ラストシーンがまた胸を打つ。
一部の隙間もない、完璧な物語力のある舞台でした。
何度観ても、何度も泣けて、笑えて、心が救われる舞台です。
最優秀校に選ばれて、9月のNHKのEテレで全編放送されるのを期待していましたが、最優秀賞は、別の高校の作品でした。
その2.に続きます。今夜はこの辺で。おやすみなさい。