久世浩司さんはポジティブ心理学を教えるコーチです。
ポジティブ心理学をビジネスの現場で活かすべく、人材の育成に努めています。
その久世さんがこれまで世界クラスのエリートと共に仕事をしてきてわかったことがあります。
それは、エリートは二種類いるということです。
たくましいエリートと、もろいエリートの二種類です。
たくましいエリートは、精神的に打たれ強く、感情をコントロールすることができ、社内外での競争に生き残り、長いキャリアで成功を収めることができます。
一方、もろいエリートは、華々しい学歴、経歴はもっていても、精神的なもろさを見せ、そのうち重要な仕事も任せられることもなくなり、激しい競争にサバイブすることもできず、キャリアのどこかで挫折してしまう人たちです。
久世さんはコーチとして独立する前は、全世界で500人の採用枠に対して100万人がエントリーするという超人気の外資系人気企業「P&G」に勤めていました。
P&Gには、世界クラスのエリートが集結していました。
どんな責任も回避することなく突き進み、たとえ失敗しても「転んでもただでは起きない」忍耐強さで再起する「たくましいエリート」がたくさん働いていました。
彼らはIQや学歴ではなく、持続的に成果を上げるたくましいエリートたちでした。
タフでなければ世界で戦っていくことはできません。
エリートを真のビジネスエリートとたらしめるために何が必要か。
それは「レジリエンス」ではないかと久世さんは気づきます。
「レジリエンス」は、現代心理学で人の「精神的な回復力」という意味です。
逆境やトラブル、強いストレスに直面したときに、適応する精神力を指します。
残念ながら日本人の多くのビジネスマンはこの「レジリエンス」が不足しています。
レジリエンスはひと言で言えば「再起」、あるいは「再生」。
今の日本にとって最も重要なキーワードです。
幸せで充実した生き方・働き方を求めたければ、「レジリエンス」が必要です。
【本日のご紹介図書】
書 名:世界のエリートがIQ・学歴よりも重視
「レジリエンス」の鍛え方
著 者 久世浩司
価 格:1,404円
出版社:実業之日本社 2014.2.28
http://www.amazon.co.jp/dp/440845494X
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成果を上げ続けるために真に
必要な能力「レジリエンス」
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行動回避の癖のある人は幸せになれません。
ビジネスでの充足感、幸せ感は、無理とも思える挑戦に向かい、自分の能力を最高レベルで発揮させ、背伸びすることで味わうことができます。
困難に向かうとき、疲れを感じることもなく、時が経つのも忘れてしまいます。
そして高い目標を乗り越えたときの達成感は格別です。
失敗を恐れて行動を回避する癖のある人は、自分の中に「快適ゾーン」をつくり、その中に引きこもります。
「準備ができたら・・・」
行動回避を続けているうちに慢性的な不満が生まれ、あまり幸せにはなれません。
1.失敗を恐れて行動回避する癖を直し、
2.たとえ失敗して気持ちが落ち込んでもそこから抜け出し、
3.さらに目標に向かって前に進むことができる力、
それがレジリエンスです。
レジリエンスは、3つのステージにおいて、7つの技術を使います。
ステージ1 精神的な落ち込みから抜け出し、
下降を底打ちさせる段階
技術1「ネガティブ感情の悪循環から脱出する」
技術2「役に立たない"思い込み"をてなずける」
ステージ2 レジリエンス・マッスルを使って、
再起する段階
技術3「自信を科学的に身につける」
技術4「自分の強みを見つけて活かす」
技術5「こころの支えとなるサポーターをつける」
技術6「感謝のポジティブ感情を高める」
ステージ3 逆境体験を教訓化する
技術7「精神的に痛みを感じるようなつらい体験から
意味を学び、成長するテクニックを修得する
【1】技術1「ネガティブ感情の悪循環から脱出する」
不安やおそれを感じるのは当然です。
むしろ感じない方が問題です。
電話に出てうまく対応できるのだろうか・・
うっかりミスをしてしまい上司に叱られるのではないか・・
仕事の納期が遅れるかも・・
人に迷惑をかけるかも・・
これらはネガティブな感情を引き起こします。
自己啓発書では、ネガティブな感情を「悪」として捉えます。
だからといってネガティブな感情を捨てきれるでしょうか。
ネガティブ感情のない人はポジティブな人でも精神的な強い人でもありません。
人間らしくないロボットのような人です。
ネガティブ感情が生まれたときに大事なことは、無視したり、抑圧することでなく、まず「感じる」ようにします。
ただし、その感情はその日のうちに解消します。
感情を反すうさせないことが大事なのです。
ネガティブ感情に対し安全かつ正しく対処します。
方法は次の4つ。どれもシンプルで効果があります。
1運動系
2呼吸系
3音楽系
4筆記系
イライラしたときのおすすめなのがウォーキング。
早く歩く「早足散歩」が効果的です。
怒りで乱れていた呼吸もいつのまにか穏やかになります。
【2】技術2「役に立たない"思い込み"をてなずける」
幸福のカギを握るのは刺激と反応の間のスペースです。
私たちは失敗したときや困難な状況に直面したとき、ネガティブな刺激を感じます。
渋滞に巻き込まれるとイライラして機嫌を損ねます。
電車やバスに乗り遅れてしまったら後悔します。
試験に不合格になればがっかりします。
ネガティブな体験がネガティブな反応のきっかけになります。
でも、同じような出来事が起きても、人によっては異なる反応をする人がします。
渋滞に巻き込まれても平然と音楽を聴きながら混み具合が解消するのを待つことができる人
仕事で失敗しても、電車に間に合わなくても、それを受け入れて困らない人がいます。
その違いは体験(渋滞)と反応(イライラ)の間に思い込みがあるからです。
体験(渋滞)⇒思い込み(道路は本来スムーズに進むためにあるのに車が混んで前に進めず邪魔されている)⇒反応(イライラ)
私たちは思い込みという色眼鏡を通して世の中を見ています。
思い込みが悪いと感情も悪くなります。
私たちは心の中で7匹の「思い込み犬」を飼ってます。
・正義犬・・・「それはアンフェアだ」「~すべきだ」
・批判犬・・・「それはすべて彼らの責任だ」
・負け犬・・・「他の人は自分よりできる」
・謝り犬・・・「これでは社会人失格だ」
・心配犬・・・「将来、うまくいくのだろうか」
・あきらめ犬・「何をしてもうまくいかない」
・無関心犬・・「まあ何とかなるだろう」
これらの思い込み犬は手なずけることができます。
心の中で吠え続ける思い込み犬への対処法は次の3つ。
・追放
・受容
・訓練
たとえば批判犬が吠え始めたら、そのままにして、善し悪しを判断せず、一歩下がって観察します。
好奇心旺盛を前面に出し、内容を分析・観察します。
そのうち批判犬も恥ずかしくなりどこかに行ってしまいます。
思い込み犬はただの犬。本来のあなたではありません。
【3】「やればできる!という自信を科学的に身につける」
前記2つの技術により、ネガティブな感情を反すうすることはなくなります。
いよいよ、高い目標に向けて這い上がります。
坂道を駆け上がるには、それなりの筋力が必要です。
自信は「科学的」に養うことができます。
自分で設定した目標に向かって進んでいきます。
目標達成のための「実体験」を繰り返すうちに自己効力感が磨かれます。
小さな成功体験を積み重ねていくようにします。
自己効力感は、実体験のほか、「お手本に見習う」方法もあります。
うまくいっている他人の行動を観察し、代理体験をするのです。
「あの人ができたのだから、自分も大丈夫だ」というように、失敗のおそれが解消されます。
また、「あなただったらできる」「やればできるよ」と人から評価してもらいます。
自分で自分を励ます方法もあります(アファメーション)
以下、技術4から7までは、ぜひ本書を手にとってご確認ください。
この本を読み通すことで、行動回避する働き方や、言い訳を繰り返す生き方から脱することができます。
失敗しても立ち直ることができるレジリエンスを身につけることで、ほんとうにやりたいことに真っ直ぐに取り組むことができるようになります。
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