私も患者なんだけど… | 重箱の隅っこ…

重箱の隅っこ…

祖父、父母介護介護に明け暮れて、気がついたらこんな歳、人生ナンなんだかな~

手術後、次の日の朝から『歩き』ます。
点滴棒にしがみついて、必死に歩きます。

トイレの為です…
身だしなみに気を使ってる場合ではありません…
気を抜くと大惨事を引き起こしますから、真剣です…

痛み止めの『硬膜外麻酔のボトル、皮下出血の溜まるバック』を首からぶら下げ…
『体内から出る液体を溜めるバック』を点滴棒に括り付け…
採尿カップを持って点滴棒にしがみ付いて歩きます。

当時の我が部屋は一人辺り一日15回トイレを占拠しています。
一日24時間で15回×3人=45回の占拠率です。
落ち武者の私の入る場所はありません…

一人が入っていると、もう一人が大魔神の様な恐ろしい形相でドアの真ん前で仁王立ちで待ち構えています…

参戦する勇気など持ち合わせません…
なので、遠くの共同トイレまで歩きます…


背中の痛み止め『硬膜外麻酔のボタン』を押せば良いものを、押すと早く麻酔薬が無くなってしまうのではないか?と言う、ボンビー根性が邪魔をして押せません…
後で聞いた事ですが、ボタンを押しても押さなくても3日の内に自然と液は押し出されて使って無くなってしまうそうです…

食事の許可が出て、口から痛み止めを飲めるまで、落ち武者生活は続いたのでした…

処方された痛み止めは『ロキソニン』です。
6時間毎に痛くなったら飲んで下さいね…と言う注意事項付きで←薬の袋に飲んだ時間を書いて置きます。

ある時、次に飲むロキソニンが無くなったので、朝の検温の看護師さんにお願いしました…
『先生に出してもらう様にお話しして置きますね』と…にこやかにお返事を貰いました。

ところが…
お昼を過ぎて…
待てど暮らせど一向に音沙汰がありません…
傷は遠慮なくミシミシ痛み出します…
思わず、ナースステーションに…

そこで対面した看護師さん
『痛み止めは依存の危険性がありますので出しません、我慢して下さい!!』と…

『ガッ!!』と
地獄で閻魔様に点滴棒を奪われた気分です。

自分のベッドに戻ってションボリしていると
さっきのナースがやってきて『傷の具合を見ますね』と…
体液を抜くドレーンと皮膚の接点が悪いのか、当てているガーゼもビショビショで絆創膏も剥がれてしまっています。
ナース、見るなり『大丈夫ですね』と帰ってしまいました…

仕方が無いので、コンビニでガーゼと絆創膏を買って、自分で手当てをしました。

持っていたオムツパッドを当てて体液を吸収させて横になりました…

夕食の配膳に来てくれた看護師さんが『遅くなってごめんなさいね…』とロキソニンを持って来てくれました…
『依存症』になってもならなくても、この痛みから解放されたい!!
二つ返事で感謝を述べ、有り難く頂戴しました…

就寝前に、夜勤の看護師さんが丁寧に傷の具合を見て下さり、ドレーンの角度もガーゼで調整して下さり一晩漏れずにゆっくりと眠る事が出来ました…
本当に有り難かったです…

そうそう
同室のおばさん達、傷の手当てに軟膏を塗って貰ったり…
『剥がれちゃったわ〜』とナースコールしたり
忙しくしていました…

私も患者の端っこなんだけど…
何なんだかなぁ〜の入院生活でした…

そうそう
そのおばさん、ご自分の信じる『布教活動』して退院して行かれました…
病室で布教活動って…

入院って…もうイヤです。