毎年、終戦記念日には甲府市内6カ所を、公明党甲府市議5名の皆さんと平和街頭遊説を行っておりました。今年は新型コロナウイルス感染症での感染防止などを考慮して中止を余儀なくされましたが、世界にも拡がっているコロナ過での分断を一日も早く阻止し、世界との連携で改めて我々戦後の世代が不戦の誓いを新たにすべきであると考えます。亡くなった父親の、戦時中に空襲で大やけどを負った体験を昨年は述べさせて頂きましたが、戦後の世代が多くなり、戦争体験を語れる「語り部」が少なくなって来てもいます。
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「2021年8月15日 終戦記念日 アピール」
昨日の8月15日は76回目の終戦の日を迎えました。先の大戦で、国を担うべき若者を戦争で無くし、全ての国民は塗炭の苦しみにまみれ、300万人以上もの尊い生命が奪われました。日本は国策を誤り、植民地支配と侵略により多くの国々に対して多大な苦痛と損害をもたらしました。
終戦記念日に当たり、内外のすべての犠牲者の方々に深い哀悼の祈りを捧げ、ご遺族ならびに今なお、傷の癒えぬ戦傷病者の皆さまに対し、心からお見舞いを申し上げます。
戦争ほど悲惨なものは無い。我が家には戦中、戦後の激動のなかを八六歳まで生きた父親がいました。76年前の7月6日の甲府大空襲では、若干13歳の子どもだった父は焼夷弾で足にケロイド状の大火傷を負いました。どれほど辛く痛かったかと傷跡をみれば何時もそう思えます。身近な当時の体験を聞くにつけ「戦争は二度と繰り返してはならない!」それがあの夏、焦土の中から立ち上がった我が家の父親を始めとした、甲府の人々の願いであり、深き決意の心であるものだと何時もそう想います。
わが国は戦後、日本国憲法の下、「国民主権」「基本的人権の尊重」「恒久平和主義」3つの原理で、自由と人権を重んじ、民主主義を育て、国際協調主義に徹する道を歩んできました。私たち公明党はこの歩みを、戦後の日本の誇りとし、さらに世界に向け平和を発信する取り組みに全力を尽くしてまいります。
平和を実現するには、現実を直視した粘り強い外交努力が必要です。それを推進するためには、隙間のない安全保障の備えとして、しっかりと論議されて執行されている「平和安全法制」が不可欠であります。現在も核兵器や弾道ミサイルの開発に執着している国々を始め、日本にとって新たな段階の脅威が多くなっています。
周辺国からの脅威には、安全保障環境が厳しさを増す中でも、紛争を未然に防止し、対話による外交努力、そして戦争を起こさせない仕組み、憲法の平和主義、国民の安全を守る専守防衛を堅持して参ります。しかし何はともあれ、平和は相互の信頼から生まれます。人々の心の中に他者の存在、他者の痛みを感じ取る心を育んでいくことが重要であり、大いに進めて行きたいものと願います。
公明党は、「戦争のない世界」を実現するために、テロ、貧困、飢餓、抑圧、差別など、戦争を引き起こす「構造的暴力」から人々を解放する「人間の安全保障」を具体的に推進していくことが重要であると考えております。
世界では、今年一月に発効した核兵器禁止条約が核廃絶への機運を高めています。公明党は同条約を「核兵器を始めて違法とした画期的な国際法規範」として高く評価します。また日本は唯一の戦争被爆国として非核三原則を堅持し、「核兵器なき世界」に向けてリーダーシップを発揮していくべきであります。公明党は明年3月に開催される締約国会合への日本政府のオブザーバー参加を強く求め、核保有国と非保有国間の橋渡し役を担うよう訴えて参ります、核兵器は「絶対悪」との思想に基づき、断固たる決意で核兵器廃絶を推進してまいります。
戦後76年の終戦記念日に当たり、公明党は、この半世紀余「平和の党」として果たすべき使命と責任を肝に銘じ、これを決意として、コロナの世界的大流行の試練を克服し、世界の平和と人類の繫栄に貢献する国づくりに邁進していくことを、重ねてお誓い申し上げ、皆さまへの御訴えとさせて戴きます。
公明党山梨県本部 佐野弘仁