山梨県議会R2年11月議会、県有地問題に関する、議案121号から、R3年6月議会、議案77号の採決までの経緯について

 

 2020(R2)年11月議会から続くR3年6月議会までの、県有地問題、弁護士費用に関する調査費用の多寡や、可決までの賛否について時系列で述べていきます。

 一連の採決までの経緯に付き、専門的な行政用語を出来るだけ平易に記し、正しく解り易く項目別に示すことに留意し記載していきます。

 拘泥せず公平性を持ち、県民福祉向上に資する政策、施策を最優先に議決することを、心掛けて参りたいと決意しております。

 

< 記 載 項 目 >

(1) 2億円を超える弁護士費用の多寡について

   ①何故現在の弁護士に委任契約したのか?

   ②何故弁護士費用が2億円を超えるのか、不適切では無いのか?

   ③弁護士費用の減額交渉などの努力は成されないのか?

(2) R3年2月議会での弁護士費用について

(3) 2月議会での弁護士費用2億円余の71万への減額修正について

(4) 「弁護士費用の債務負担行為」への反対表明の経緯について

(5) 「山梨県顧問弁護士の選任等に関する条例制定」と「付帯決議」の賛否について

(6) 6月議会での弁護士費用1億4千3百万円余の着手金について

(7) 第77号「山中湖畔県有地に係る損害賠償金等の一部の支払いに係る反訴提起」について

(8) 21年2月17日ブログ「県有地問題 発言を含めた議会と議員の責任(所感まとめ)」総括

(9) 新たな「調査機関設置」の賛否について

(10) 6月議会 総務委員会質問『弁護士委任契約に対する「住民監査請求書」』について

《 追記 》R3年9月8日 更新

11) 検証調査業務委託及び訴訟等の委任契約に係る、損害賠償請求等を求める住民監査請求の監査結果について

(12) 「所 感」

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(1)2億円を超える弁護士費用の多寡について

 〇 始めに確認として、自治体の住民訴訟等の弁護士費用についての対応は、大方の場合は年間契約での顧問弁護士料で対応しています。また住民訴訟などには、年額契約金額内での対応が通例です。しかし山梨県R3年2月度の補正予算で支出された弁護士費用としての費目、弁護に係る訴訟物調査費用6,600万円については、県有地特別委員会に於いて知事部局や総務部長から答弁が有りましたが、全国の地方自治体での執行状況に於いても、県の支払う費用として異例な高額さであります。

 〇更に、この時の専決で上がった2億円余の弁護士費用も、時間換算で時給5万円相当での依頼や、また訴訟で勝利した場合の、成功報酬が支払われることもまた、同じく殆ど先例がなく、何より山梨県においては異例であり、行政支出の額としても、特別委員会での県側答弁でも初の試みであることと、同じくありました。

 〇 この様な諸経費含む高額での弁護士委任について、此処までの弁護士選定、契約など、特別委員会での県側から述べられている主要な項目に対する答弁要旨は、以下の通りを確認しました。(答弁内容要旨を以下に記載)

 

①何故現在の弁護士に委任契約したのか?

「答弁要旨」様々な状況や現況の事件の内容、弁護士の能力の高さの比較などを考慮、勘案し、多角的に検討され判断された結果、当該県外の弁護士に随意契約した。とのこと。

 

②何故弁護士費用が2億円を超えるのか、不適切では無いのか?

「答弁要旨」当該企業に対して山梨県が主張している、違法無効の根拠である事象に対する、過去に遡る損害賠償請求額の高額さに見合う弁護士費用としてであれば、2億円は必要経費として妥当であると判断されたため。(算定方法も後に、旧日弁連の報酬等基準に規定する計算方法が示された)

 

③弁護士費用の減額交渉などの努力は成されないのか?

「答弁要旨」弁護士との契約において、県は交渉により、勝訴の場合において成功報酬額を支払うことで、敗訴の場合の支払いはしないことを前提になど、交渉により弁護士費用自体も旧日弁連の弁護士報酬基準より安価に設定できた。と回答。

 

(2)R3年2月議会での弁護士費用について

 〇 先例もない高額な金額である6,600万円での調査費支出や、2億円余の弁護士費用については、県民からの税金で有ること。県内の今後の全ての住民訴訟に於いても、同じ様な費用弁済で対応すると成れば、毎回の弁護士費用金額の多寡は幾らになるのかも不明で、損害賠償等の金額に応じて高額になることが予想されました。

 〇 県側の説明では、今回の山中湖県有地の係争事件について限っては、損害賠償額が高額であるので、請求額に見合う妥当な金額であること、他の県有地については、個々のケースで新たに算定していく旨の答弁で説明がされました。

 〇 議会の議決権に於いて、執行部から議会に成される提案理由が議会として相応であると認められれば、あらゆる経費としての支出は、例え高額であっても議決へと至るものであります。このため議会に対し説明が求められている2月議会に於いては、知事側は執行権と執行権者の責任の上からも、本案件についての詳細説明を、県民と県民の代表である議会へ行う責任が存在しました。

 〇昨年の11月議会から続く、その後の専決処分は、県民からご付託を頂いている議決権を有する議会へ、繰り返しますが丁寧な説明が必要でした。R2年度補正予算案での弁護士費用の調査費としても、議会全体に対し事前説明が少なく、他会計費目から6、600万円が流用支出されました。

 〇 議会から指摘を受けた後、この後に長崎幸太郎山梨県知事から説明したい旨が議会に有り、議会として議長の下で全員協議会が開催され、知事自ら全員協議会に於いて説明不足について陳謝されて、詳細な説明が成されたことから、既に専決処分されていた6,600万円余の調査費は、この時の全員協議会で反対意見も出されず、出席全議員が承認することとなりました。

 〇 この後、県が選任した弁護士への6,600万円調査費の流用支出に対する「専決処分」は、この時点の全員協議会を経て認められ決定されましたが、その後の2月議会では、もう一つの案件である、訴訟に対する反訴に係る弁護士費用着手金の2億円余と債務負担行為の設定は、否決されたことは周知の通りであります。

 〇 しかしその後に於いて更に会期延長により、弁護士費用については、後に知事から提出された「再議」の修正案で2億円余から71万円に減額修正され、専決処分の6,600万円余と共に、議会として共産党を除く全会一致で了承議決されたのが今回の経緯であります。このことから議会の意思として、弁護士費用の多寡は別にして、弁護士費用の必要性はこの時点で「一部であれ認められたもの」として、議会で決せられました。

弁護士費用2億-1

 

(3)2月議会での弁護士費用2億円余の71万への減額修正について

 〇 山梨県は、この2月議会の時点に於いては、当該企業から未だ訴えられておらず、訴えられることを想定し、先に訴訟費用の着手金として2億円余を積み上げておきたいと考えていました。しかし「訴訟が発生していない状況で、反訴を想定し県税を使い、多額の着手金を先付けすること」は、常識の範囲で考えても、議会は元より県民からも、訝しげに感じられてしまうことで有ります。

 〇 この様な行為での2億円余については「反対」であります。しかし先ず議会は、今後の貸付料改定交渉の問題を裁判で行うことと議決していることであり、その上で県の言う県民利益が向上するのであれば、裁判に係る弁護士費用の多寡は別にしても裁判を行う上では、弁護士費用の必要性は認められるもの、として考えられました。

 〇 更に、県の主張する「県有地占有の違法無効」、当該企業の主張する「契約書内容の賃貸借契約履行」の主張については裁判が進んでいる以上、双方の主張の裁定を司法に委ねることが必要であります。

 〇 そして行政として県が行う裁判である以上は、県民の財産である県有地問題の裁判遂行上に必要な弁護人選定や、弁護士の契約締結について、県は当然として、県議会も県民への責任として、遅延や遺漏無く進められる体制にしていく義務があります。

 〇 次にこの2億円が、71万円に減額修正されたことに付いては、上段の理由の経緯があり、2億円の弁護士費用が高いから、安くした修正案議決ではありません。先の通り、この2月24日の議会閉会時点に於いて、相手方から訴えの提起が成されていなかったことであり、提訴されていないことで有る以上は訴訟物自体が無く、単純にこの時点での諸経費71万円しか「必要が無かった」ことが減額された主な理由です。

 〇 巷間言われているような、この後の弁護士費用の‟全てを安くするため″の議決では無く、実際には「訴訟物自体が無い状況では、弁護士着手金費用の2億円余は、この時点で必要無い」理由での減額修正案が執行部から提示され、議会でのコンセンサスが諮られたものです。

 〇 議会としてや、執行部としても、2月議会閉会日前、もっと言えば議決前に訴訟提起が相手方から行われていたのであれば、金額の多寡は別にしても、県の求める必要な訴訟費用の着手金が必要なのは事実であることから、弁護士への「着手金の2億円がこの時点で必要が無かった理由で減額」は、双方が理解している筈だと考えます。

 〇 後述しますが、この後の2月議会閉会後、6月議会前のR3年4月5日に、相手方企業から訴状が提出されたことで、上記の時点で不必要だった弁護士着手金が、事実上必要となりました。

 〇 執行部は専決処分について、今までの議会への一連の修正案の議決の流れや全員協議会での承認、2月議会の再議での議案の議決という事実から、先例を踏襲し『議会の意思として「必要性は認められた」』と解される事実により、当然に議会が専決処分を認めるものと解釈していたと考えられます。

 〇 また訴えの提起で「反訴 1)する間の日程の短さは、議会が招集出来ない物理的な理由が明確にあり、2月議会での専決処分6,600万円余は、訴訟代理人弁護士に原案通り既に支払われているという経過と結果からも、今議会での同訴訟代理人弁護士費用着手金の1億6千万円余を専決処分しても反対は無く、議会の承認は通常のルーティンで進められていくものと、理解していたと考えられます。

 〇 しかしながら、議会からは様々に反対の意見も多くの議員から出されたことで、何れにしても6月議会においては、弁護士費用が正しい支出である「支出するための理由立て」について、県民や議会に対し議会の場に於いて、再度明確に、今後に疑念が湧かないように説明することが、執行部側として「正しい理由を述べ、最終的な理解を得るため」には必要と思えました。

 

 反訴1)原告が被告を訴えている裁判を「本訴」、被告が原告を訴え返した裁判を「反訴」と言います。反訴した被告を「反訴原告」、反訴された原告を「反訴被告」と言います。つまり、反訴が行われたら本訴と同じ裁判官が同時に本訴と反訴を審理します。本訴で主張された内容や提出された証拠は、反訴の手続き内でも共通の主張や証拠とされ、判決も同時に言い渡されます。反訴が認められるのは、関連する訴訟を同時に処理することによって、無駄な時間や労力を削減するためです。反訴できなかったら、被告は別に同じような訴訟を提起して、あらためて似たような証拠を提出し、別の裁判官が別の機会に審理しなければなりません。反訴すれば、本訴と反訴を一括して処理できるので、当事者にとっても裁判所にとっても手間と時間を削減できて、メリットが大きくなります。この様な理由から本件裁判は、改めて別訴を起こすことより、反訴が妥当だと考えられます。

 

(4)「弁護士費用の債務負担行為」への反対表明の経緯について

 〇 一旦、少し戻って、2月議会に提出された「弁護士費用の債務負担行為 2)」についての賛否の経緯を述べていきたいと思います。この所謂「債務負担行為の議案」には「反対を表明」しました。

 〇 先ず債務負担行為とは、地方自治体の会計である予算、決算において、一会計年度では収まらず、1年以上で多年度会計に渡って予算を措置しなければならないものであり、多年度に渡る場合には「債務負担行為」の設定をしなければなりません。

 〇 債務負担行為の詳細とは、長期間にわたる土地購入等の契約や償還金などのように、将来の財政負担が具体的に定まっているものと、損失補償や債務保証などのようにあらかじめ限度額を定めておき、必要が生じた場合にその限度額の範囲内で負担することと決められております。

 〇 本件の弁護士費用については、当然に訴訟費用は多年度に渡ることが予想されています。従って弁護士費用についても債務負担行為が設定されます。しかし議会に提出された債務負担行為には、 「期間」は今年から終結の日までとは「無期限」であり、「限度額」は裁判に掛る実費と、勝訴した時の成功報酬の掛る分というのでは「成り行き」であり、瑕疵があるとの指摘が否めない内容で有りました。

 〇 以上の理由から、この執行部からの理由立てや執行部説明により、賛成することは出来ませんでした。以下がこの時に提案された、最初の債務負担行為の議案書内容で有ります。

 

 債務負担行為 2) 歳出予算の金額、継続費の総額又は繰越明許費の金額に含まれている ものを除き、将来にわたる債務を負担する行為を指す。債務負担行為は、必ずしも次年度以降に 限らず現年度であっても、歳出予算等に含まれているもの以外に債務を負担する場合も含まれる。 また、債務負担行為として予算で定めた案件については、義務費として歳入歳出予算に計上されることとなる。 分かりやすく言うと、将来に発生する見込みはあるけれど、今年中には支払う予定がない費用のことです。

債務負担行為原案

 〇 先ずもって県民に対し、一つ目の課題は「債務負担行為は未来に渡る債務の設定行為であり、議員任期4年しかない責任範囲を、先が見えないほど大幅に超えること」には、慎重に対処しなければなりません。執行部側からは丁寧な説明の上に、更に設定には幾つもの検討が必要なことであります。

 〇 必要である弁護士費用の安い高いはさておいて、二つ目の課題として「県が必要と考え、今後継続的に長期間支出されていく、訴訟に係る弁護士費用についての支払いの根拠と、法的裏付けの明記について」は、山梨県が今後も県民より疑義を呈せられることの無い様に、債務負担行為自体に条件等、詳細で明記させることが必須だと考えられました。

 〇 上記の二つの課題に拠り、上程された債務負担行為の内容は、賛成できない内容であったため、2億円も同じ款の中に在り債務負担行為と深く関連した内容であることから、反対であるというのが「反対の経緯」であります。

 〇 この債務負担行為には議会としても、反対多数の採決が成され、議決されましたが、後に知事から提出された「再議 3)」では、執行部より以下の通り、修正された「債務負担行為」が再び「修正案」として提出されました。これには「事項」が更に細分され明確化され、「期間」には「期限が明記」され、「限度額」にも訴訟代理委任に伴う実費も「明文化」されたことで(「第4表 債務負担行為」参照)弁護士費用に関する「債務負担行為」に関して議会として「賛成多数」で議決され、以上の明確な理由が示されたことで「修正案には賛成」しました。

 〇 当初提出の債務負担行為の内容では、抜けや齟齬が見て取れることや、この様な文言では後々に問題提起される恐れも有りました。修正された新たな債務負担行為の提出により、支出に関する明確なルールが決められ、明文化されたことで、今後の他県有地でも同様の措置での支出のための明確化として、一定の方向性も確認できました。

 〇 第4表に、傍線部抹消が修正前、その上に記入されたのが修正後の案。実際に見比べると、賛否の整合性が確認できるものと考えます。しかし本来であれば、県民と共に、県民の代表である県議会に対し、今後の未来に渡って債務を負担させる内容であることから、修正後の案に示された通りの「理由立て」を、当初から説明する必要があっただろうと考えております。

 〇 全てに於いての案件については、議会の議決を経るという重みを考えなければならないことであります。住民に一番近い議会への丁寧な説明がなされなければ、当然に多くの付託を頂いている議員から県民へ詳細な説明ができず、県民は分かり難いということになります。

 

 再議 3) 再議、再議制度とは、首長が議会の議決や選挙について違法又は不当と認めた場合に、異議を述べ、再度の審議と議決等を要求するものである。また、再議は、首長制を採用する場合に特徴的な制度であり、議会の議決の効力を失わせるものであることから、長の拒否権と捉えることができる。地方自治法は、長に異義があれば発動できる一般的拒否権と、特別の要件の下で長に発動が義務付けられる特別拒否権について規定している。
 一般的拒否権とは「議会の議決について異議がある場合に、長は、その送付を受けた日から10日以内に理由を示して再議に付することができるとするものである(地方自治法176条1項)なぜ承服できないかもその箇所を指定して具体的に明らかにすることが必要である」義務的再議である特別拒否権については、第1に「議会において違法な議決や選挙があった場合であり、議会の議決や選挙が、その権限を超え、又は法令・会議規則に違反すると認めるとき」第2は「議会において義務費の削除・減額の議決があった場合であり、議会が、法令により負担する経費、法律の規定に基づき行政庁の職権により命ずる経費その他の自治体の義務に属する経費を削除・減額する議決をしたとき」第3は「議会において非常費の削除・減額の議決があった場合であり、議会が、非常災害による応急・復旧の施設のために必要な経費や感染症予防のために必要な経費を削除・減額する議決をしたときは、長は、理由を示して再議に付さなければならない(同条1項2号)。

 しかし、長等の執行機関の側としては、再議によるのではなく、議会の議決に対して執行しないという形での異議を示す手段もありうる。これに対する議会の対抗手段はなく、その責任を問おうとするならば不信任議決等によるほかないことになる。

債務負担行為修正案

(5)「山梨県顧問弁護士の選任等に関する条例制定」と「付帯決議」の賛否について

 〇 議第三号「山梨県顧問弁護士の選任等に関する条例制定の件」についての賛否は、「採決の際に議場を出る」意思表示を示しました。この理由は地方議会にあっても、立法・行政・司法の三つの独立機関が相互に抑制しバランスを保つための「三権分立」の精神を斟酌すべきであり、もうひとつには熟議と慎重審議を勘案したことにあります。

 〇 本条例案は議会として、当然に抑制やバランスに配慮しなければならない事案であること。三権分立の観点からも、議会から司法の領域に対し、拘束力を示す条例案を議決する場合には、慎重の上にも慎重審議を行う必要性が有るものと考えられます。

 〇 またもう一つには慎重審議に必要な条件である、熟議の必要性が考えられることであります。条例案が提出され、実際に条例案を確認できたのは3月16日、19日には議会に上程され、22日に採決される短さであったこと、施行も4月1日からと、施行実施までの日程もタイトでもあり、これでは急遽の感が否めず、熟議が必要との誹りも、議会内外や、法曹関係者から提起される等も、免れないことと考えられました。

 〇 本来の条例案が起案され、議決され、施行されるまでのプロセスは、先ず条例制定等の特別委員会、或いは、現県有地特別委員会に上程、議決が諮られ、会派代表者会議を経て、後に議会運営委員会の承認を受ける。幾ら議会提案、発出の条例であったとしても、自治体で施行する以上、その後は執行部の法制部署に確認を行うことが必要になります。

 〇 当然それぞれのプロセス上では修正が有る筈です。修正が有る度に、特別委員会報告と議会運営委員会での承認を受けて、初めて原案がまとめられます。その後はパブリックコメントを県民から受け、その結果を待ち、全てのルーティンで完了をみたものが、初めて議会本会議に上程されます。

 〇 本件条例案は先ず司法に対しての内容であることから、先の通り慎重審議が必要であり、次に、先に述べた必要なプロセスが不足しており、必要なそれぞれのプロセスも経ていなかったことから、条例は必要だが「賛否」はつけられない状況との判断ができました。

 〇 また、先の三権分立の精神からして、行政側である山梨県が提訴されている裁判の進行に対し、本条例案を制定することによって、必要としている弁護士の委任を妨げると認められた場合には、行政権に抵触する恐れも排除できず、且つ地方自治体への執行権の侵害なども憂慮されることが想起もされます。やはり開かれた議会として、慎重に審議すべき案件だろうと考えられます。

 〇 しかし、「過去の県が委託を決める弁護士や、弁護士事務所についての選定基準としては曖昧で明確な決まりごとは無く、明確な選定をするための条例、規定、綱領、要綱、方針等の無いなか、同一弁護士事務所に委託している」などの場合も、過去はあったことも確認されていました。

 〇 上記のような決まりごとが明確で無いなかでは、弁護士選定の為の規定や条例を制定することには、大いに賛成であります。しかし先の理由により、今議決に於いて「弁護士を選定するための条例」そのものに反対を表明した場合、今後に於いての未来に、必要なプロセスを踏み、熟議され、新たな条例案等が提出された場合でも、今回反対の立場を選択した場合には、相応の理由立てが必要となります。

 〇 また条例案内容に於いても、県内弁護士に限定となると、今後は仮に県産品の輸出や海外との関係性などで、国際上の係争事件の発生時や、大きな疑獄事件が発生した場合などでも、契約したいと考える、専門的エキスパートの県外、海外の弁護士がいる場合でも、委託できないことが想定されました。

 〇 以上の考え方から「県民にとって条例案提出と、制定することは大いに賛成であるが、必要なプロセスを経ずに、能く熟議せず議決することに反対」の立場を示し「賛成、反対討論での慎重審議を聞いて、深く熟慮した上で、どちらも妥当と判断し、議決は不能と考えられる」ため「採決の際に議場を出ること」と致しました。

弁護士条例案 (2)

 

 〇 次に付帯決議については、今後正しく条例案が策定され、制定施行される場合に於いては、重要な付帯事項である為「最終的な再議の時点で賛成」しました。本会議での最初の議決賛否の時点では、議第三号「条例案」、議第四号「付帯決議」が同時採決だったため、双方のなかで第三号の賛否を優先して議場を出ましたが、後の再議の審議では、三号、四号が分けられた審議に変更されたため「2回目の再議での第三号の条例案は議場を出、第四号の付帯決議は賛成」と致しました。

弁護士条例付帯決議 (2)

 〇 議会から提案された「山梨県顧問弁護士の選任等に関する条例制定の件」については2月議会にて廃案となりましたが、執行部より改めて「弁護士選任指針(訴訟代理人)」「弁護士選任指針(顧問)」の原案が、R3年3月31日に長崎幸太郎山梨県知事出席で開催された全員協議会に執行部から提出され、全員協議会の場で議会として承認され、以後の弁護士選定に係る基準が決定され、以下の指針で今後の選任が執行されることとなりました。

弁護士選任指針(顧問)

弁護士選任指針(訴訟代理人)

 

(6)6月議会での弁護士費用1億6千万余の着手金について

 〇 今6月議会では、総務委員会に付託された第77号にて「山中湖県有地に係る損害賠償金等の支払いに係る反訴提起」による、同県有地に係る専決での弁護士費用、1億6千万余円程が訟務費として、弁護士反訴の着手金に必要な予算として計上されました。

 〇 この訟務管理費の計上については、相手方当該企業より訴訟提起され、訴状が届いたことにより、2月議会から続いている弁護士費用としての反訴、応訴に係る訴訟代理委任契約締結の着手金であります。

 〇 今回の訴訟費用の必要性については「(3)2月議会での弁護士費用2億円余の71万への減額修正についての最後段」で前述した通り、『何れにしても6月議会においては、弁護士費用が正しい支出である「支出するための理由立て」について、県民や議会に対し議会の場に於いて、再度明確に、今後に疑念が湧かないように説明することが、執行部側として「正しい理由を述べ、最終的な理解を得るため」には必要』でありました。

 〇 この執行部から、しっかりと「説明する」ことについての対応は、R3年6月議会においての代表質問、一般質問での県有地問題に関する質問に対する知事答弁として、公式に議会を通じ、県民に向け直接答える形として述べられました。議会側として必要としていた、弁護士費用着手金の多寡、裁判の必要性についての理由立てを「行政の長として知事自ら県民と議会に示し、必要な説明を履行した」ことで「執行部対応としての必要な説明責任は、果たされたもの」と考えられます。

 〇 本議会に於いて、この知事答弁に対し疑義は呈されておらず、関連質問も議了し、最終的に議会として議決を見たことから。本件については、R3年6月議会にて終結されたものと判じられます。もしも今後に於いての個別具体的な案件がある場合については、県有地問題特別委員会にて議論されることであると考えられます。

6月議会、訴訟代理人弁護士への着資金

 

(7)第77号「山中湖畔県有地に係る損害賠償金等の一部の支払いに係る反訴提起」について

 〇 正統な手続きを執って行われる裁判で、どちらかが正しいかを示す結果を示すことと同じく、勝訴した場合の賠償金等の返還請求を行うためには反訴が必要であります。反訴に応じなければ現行の裁判制度上、県が強く主張している、県民への利益の還元が出来ないことになります。

 〇 この様な理由から、第77号議案は損害賠償金等の一部の支払いを請求するため、県が必要としている反訴の提起をするための、着手金として必要な弁護士費用についてが記載されています。

 〇 この着手金の高額な理由は、2月議会から度々議論され、県が繰り返し説明している賠償金の金額に応じる形で、旧日弁連の算定基準に応じた金額であります。県が示す90億円余の賠償金となれば弁護士費用は、これに応じて高額であるとの、従前通りの山梨県の主張であります。

 〇 また成功時報酬の減免措置、旧日弁連の成功報酬より低く設定された弁護士費用への減額措置など、議会から提案された要請、要望に応える努力が見えることは、合わせて評価出来ることだと考えます。

 〇 その上で、関連訴訟においては即座の応訴が必要で、弁護士費用の着手金を積み上げねばならないことが理由であり、今回は物理的日数の不足という客観的内容や、専決処分に至る経緯も、今6月議会議案と共に、資料としても示されています。

 〇 上記弁護士費用の多寡や、専決処分理由については、2月議会から度々執行部は説明を求められていたことでありました。今回はこれに応える形で議案資料として提出された「県有地訴訟関係、弁護士着手金算定内容」資料1-1と、「契約の範囲と成功報酬(報奨金)」資料1-2が明示され、懸案であった2月議会での、債務負担行為の内容も算定基準、計算方法も示されており、必要な執行部側の説明責任は履行されていると判断できます。

 〇 以上の理由により、また過去からの懸案事項も以下【県有地訴訟関係 弁護士着手金算定内容】に記載ある、今回の「■専決処分の経過」の政治的正統性と「■着手金の算定内容」の整合性。【契約の範囲と成功報酬】内容も懸案事項に応える形で提出資料が提示されたことにより、議決するに足る資料が丁寧に議会に提出されたことでも「専決処分に賛成」を表しました。

 〇 様々巷間語られていますが、疑義有る場合は資料1-1,2を精査して、問題点を項目で挙げ、議論の場で述べなくてはならないものだと考えられます。賛否を付ける段に於いては、あくまでもどちらかに偏ることの無い態度決定として、特別委員会で行われた熟議、討議の内容を能く把握、理解すること。議会が必要としていた執行部からの説明も為されていること、また今回提出された提出議案内容と添付資料の内容の確からしさを精査し、正しいか否かで賛否を判断、決すべきだと考えます。

 〇 従前より述べている通り、裁判で公平に裁定が下された正当な理由であれば「県民のため適正に賃料を上げることは賛成」であります。この裁定、判断が下されるための裁判を行うため、山梨県が必要と示している弁護士に対する、弁護士費用の着手金は、正当な理由を求める為の裁判履行上は必要だと判断できます。

 〇 更に言えば、県の主張している県民利益の還元に資するとの位置付けの裁判進捗には、県民代表の議会としても、裁判状況に注視しながら、裁判の遂行に支障を来すことが無いよう、配慮していかなければなりません。

 〇 県のTopとして山梨県知事自ら、弁護士費用が必要な理由を県議会で公式な答弁という形で公的に述べており、また議決の根拠となる必要な資料が提出されたことに拠り、当該企業側と山梨県との裁判遂行上に必要と考えられる、専決処分には賛成であります。

県有地訴訟関係、弁護士着手金算定内容

契約の範囲と成功報酬(報奨金)

(8)21年2月17日ブログ「県有地問題 発言を含めた議会と議員の責任(所感まとめ)」総括

県有地問題 発言を含めた議会と議員の責任(所感まとめ) ※ページにジャンプします

 

【 所感「前段」】では以下の通り述べました(ブログ参照願います)

私的には、県民のため適正に賃料を上げることは賛成であります。しかし先ず行うべきは、議会に於いての公平性の下、熟議ができているかが、議会として最も重要であります。議論の場としての議会は、当事者双方からの意見を聴取し、結果が見えるまでの継続的な議事調査を実施し熟議を行い、最終的には議会として審議継続、終結を含め、何れかの賛否を決していく必要があります。

 〇 弁護士費用として、先の通り専決処分で過去2回の費用が支払われた案件について、議会が付託した県有地特別委員会に於いて、様々に議論も伯仲していましたが、専決処分も含めて結果的には議決、承認されています。現在は弁護士との契約については既に、山梨県との間で正常に委任契約が締結されております。

 〇 裁判も今後は先ず県有地占有に関する適正か否かの裁定が下され、県が勝訴、敗訴した場合のどちらでも、その後の損害賠償請求等について、県の言う県民利益のためには、継続して裁判履行の必要があります。

〇 従って反訴も当然行わなければならないことから、過日に述べました所感で意志を表した通り、特別委員会での熟議と議論伯仲での質疑や、討議内容を踏まえ、あくまでも公正公平な裁判により裁定が下された結果により「県民のため適正に賃料を上げることは賛成」との変わらぬ立場であります。この様に今後の裁判遂行により、正しく裁定される判決結果が必要であることから、今議会での弁護士費用含む「77号議案には賛成」を表しました。

足立弁護士委任契約書

 

【 所感「後段」】については以下の通り

山梨県議会として会期延長により、全権を託すべき特別委員会の設置ができ熟議、討議を重ねております。本委員会において、議会側は今後も継続での議事調査を行い、執行部側は調査の内容に対し明確な答弁を示すことが、地方議会の本義である、二元的代表制での機関競争主義による善政競争での討議、審議に於いて、必要かつ重要なことだと考えられます。 

 〇 現在は特別委員会でも熟議、討議されており、議会でも議会が求め、議会で議決した裁判が、進行中であります。それでもそれぞれの案件については、当初の議会で議決した通り、現在の特別委員会での議論を優先的に進めることが重要であるものと考えられます。

 〇 しかし今後は、議会側も司法の裁判進行に配慮し、動向を注視することが必要でありますが、更に議論の深掘りが必要な案件の内容があれば、特別委員会ですべきであります。その際に決着が付かない、答弁が実態とそぐわない、重大な瑕疵があると判断される場合があったならば、より強い権限を発動すべき百条委員会の開催が必要だと考えられます。

 〇 何れにしても現在の県有地問題については、県、企業の双方が司法の場に於いての係争事件に至った以上、議会での議論では無く、県有地問題 発言を含めた議会と議員の責任(所感まとめ)21年2月17日付でも述べた通り憲法の三権分立に則り、「正しい国家作用で裁定を行う権能である裁判所に拠る、司法権に委ねることが、最も妥当な処置及び行為だと考えられる。」ものと判断致します。

 

(9)新たな「調査機関設置」の賛否について

 〇【 所感「後段」】でも述べましたが、特別委員会に於いて、罰則を伴う様な強力に行う調査権の行使を認められていないことで、今後も含め特別委員会の調査が進まず、仮に答弁が不明瞭で、特別委員会の質問でもあった「答弁漏れ」や明確な答弁が示されないとの根拠があり、執行部に対して熟議、討議の履行が特別委員会では不可能な場合。

 〇 委員会機能として解決できないような状況の場合も含め、新たな調査機関の設置では、同じ議論を廻すことにもなりかねず、現在設置済みの特別委員会が百条委員会を設置し、必要であれば更に議論の深掘りや、調査の進展を強力に進め、より強く議会の権能を表すことは必要だと考えられます。

 〇 地方自治法の100条には、「議会が特定の事件を指定したうえで特別委員会に対し調査を委任したときに限り、この委任を受けた委員会が先の百条委員会と呼ばれる委員会を設置でき、非常に強大な調査権を持って、調査権を行使することができる」とあります。既に特別委員会は設置されていますので、相応の理由が必要ですが、手続きを行えば特別委員会からの設置は可能となります。

 〇 委員会の招集には現在の山梨県議会での県有地特別委員会の意向と共に、何より当該企業との裁判の進捗にもより、開催には慎重さが求められます。しかしそれでも特別委員会として、課題が解決されないと判断される場合や、開催に相応の理由が有る場合には、開催はやむ終えないものであると考えられます。しかし処罰の対象が設けられており、罰則 4) が処せられることとなり、多方面への影響も多大であることで、開催には慎重に慎重を期すべきです。

 〇 以上のことから、特別委員会の上に調査機関を設置するのでは無く、より強い調査権限を持つ委員会設置が効果的と考えられました。特別委員会でも議論されていた当初目的の議会の権能を示すことや、敢て同等な権限の新たな調査機関設置では、会議実施の費用対効果や開催に於ける人的な工数など勘案しても得られる効果が薄く、必要な調査権の行使などの効果は、些か低いものと判じられるため、議第15号調査機関設置の件には「反対」を表しました。

 

 罰則 4)   出頭又は記録の提出の請求を受けた選挙人その他の関係人が、正当の理由がないのに、議会に出頭せず若しくは記録を提出しないとき又は証言を拒んだときは、6箇月以下の禁錮又は10万円以下の罰金に処せられる(地方自治法第100条第3項)。宣誓した関係人が虚偽の陳述をしたときは、3箇月以上5年以下の禁錮に処せられる(同法第100条第7項)。また、この罰則に関して同法第100条第9項では「議会は、選挙人その他の関係人が、第3項又は第7項の罪を犯したものと認めるときは、告発しなければならない。但し、虚偽の陳述をした選挙人その他の関係人が、議会の調査が終了した旨の議決がある前に自白したときは、告発しないことができる」としており、原則として議会に対して告発を義務付けけている。なお、委員会に一般的包括的に権限を委任することはできない。

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(10)6月議会 総務委員会質問『弁護士委任契約に対する「住民監査請求書」』について

 〇 去る6月議会、7月1日に行われた総務委員会にて、「R3年6月17日に提出された住民監査請求内容 ( R3.6.17 住民監査請求書 全文 ※クリックで全文が確認できます)について」として、住民から提起された住民監査請求内容である、「見積合わせ省略の問題点について」の3項目、「決裁文書の不備と委任契約への指摘箇所についての問題点」の3項目、合計6項目について質しました。

令和3年6月議会 総務委員会「住民監査請求内容について」佐野210701

 〇 執行部からは、全ての質問に対し、明確な答弁が有り、但し書類上の不備や漏れが有ったとことの説明と答弁もあり、疑義を挟まれる結果となった事に付いては、しっかりと今後問題無き様にすべきと質しました。

 〇 この質問に対しての答弁は、部門長として総務部長から大要、今後については十二分に配慮と、漏れ無き様にしていく旨の答弁があったことで、公的に示され、議事録に残る形とできました。

 〇 委員会として、他委員からの質問や反対など、本件質問に対し疑義は無く関連質問も無かったことであり、委員長報告により本会議で可決されたことから、本件「R3年6月17日に提出された住民監査請求について」委員会として「疑義が提起された質問部分の箇所は問題無い」ものとして、私も了とした次第であります。

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《 追記 R3年9月8日 更新 》 11)検証調査業務委託及び訴訟等の委任契約に係る、損害賠償請求等を求める住民監査請求の監査結果について

 〇 R3年8月26日には監査委員事務局よりR3年6月29日受付分の監査結果が公表された。監査委員による公正な監査結果として、結論は以下の通り。

 〇『 請求人が主張する「本件委託契約を締結し、支出したことが違法である。」及び「専決処分により本件委任契約を締結し、支出したことが違法である。」は、いずれも理由が認められない。したがって、山梨県が、山梨県知事及び当該弁護士に対し、本件委託契約に基づき支払った6,600万円及び本件委任契約に基づき支払った1億4,300万円の返還又は相当額の損害を賠償させる措置を講ずることを勧告することを求める本件措置請求は、棄却する。』と結論付けられた。

 〇 以上のことから、6月山梨県議会での本案件議決判断の政治的正統性については、監査委員による監査に於いても、委任や支出に違法性が認められないこと。執行権者の責任、執行額は妥当であり問題は無かったことが、監査委員会でも結論付けられたことから総合して、県議会としての6月議会、委員会、本会議での議決は正しかったと判断される。

 〇 これで、監査結果と6月議会議決に拠り、監査委員会、議会双方の結論から、今後の県有地に関する弁護士委任契約への疑義についてや、費用に関する疑問そのものへの決着が諮られたものと考えられ、本件に関して限れば、議会での議論は終結をみたものと断ぜられる。

 〇 この事から、山梨県執行部、県議会双方で、山中湖村県有地に係る、弁護士費用について、弁護士費用の債務負担行為について、弁護士委任契約について、住民監査請求のそれぞれは、監査委員並びに監査事務局、総務委員会の議案採択並びに委員長報告、山梨県議会での議決で終結されました。

 〇 以後の特別委員会についての議題は以上のことから、山中湖県有地を除く他県有地に限り議論すべきであります。他県有地に関する議論の必要性から、県有地特別委員会の存続は希望しています。

 〇 しかし繰り返しますが前述した通り、議会で議決され終結されていることと共に、司法の場に於いての係争事件である以上、正しい国家作用で裁定を行う権能である裁判所に拠る、司法権に委ねなければならず、このことから地方議会も三権分立の精神を斟酌する必要があります。

 〇 また本件が特別委員会より権能を有する議会で終結していることで有る以上、委員会で議論すべきでは無く、若し仮に本件が再び上程される場合があれば、議会で全会一致で議決された委員会設置について、今後は特別委員会の進め方などを含めて、議会全体で議論しなければならないものと考えられます。

  住民監査請求 監査結果 R3年8月26日監査事務局発資料 

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(12)「所 感」

以上が議決に係る経緯と経過の顛末となります。長い文章や、内容とのお叱りを受けるかもしれませんが、拙速に判断し裁定、議決することこそ、県民の代表である議員としては些か思慮が足らないと考えるものであり、県民の信託にお応えするためには、熟慮と共に、幾重にも重なる検討が、必要であるものだと考えられます。

政治的正統性の、有りや無しや、の判断基準とは、執行部原案のみ常に賛成な場合や、その逆で反対ばかりで賛否を付けているとしたならば、これは自明の理であります。是々非々に必要なこととは、常に「何より県民・大衆にとって、正しく、大事なことか」であり、感情に左右されず、正しい理由立てができていることだと考えます。

証拠や資料や衣文、法令や条文に準拠できているかが先ず以て必要であり、右左や赤白などに拘泥せず、都度に議案ごとに審議不能も含め、賛否が正確にされていることを基礎とした、中道主義に徹すべきであります。今後も大衆と共に県民福祉向上を目指し、しっかりと励んで参ります。