昨日は重い荷物を持って39℃近い京都の街を日中に歩きクタクタになった。
でも夜にも仕事があったので帰る訳にはいかない。
何とか夜まで時間を繋いだ。

 

夜に無事取材が終了したのが20時。そこから熱帯夜の街をまた地下鉄の駅まで歩いて、どこかで乗り換えて京都駅に行くには、もう気力も体力も残ってなかった。
そして僕は現地からタクシーを拾って京都駅に行った。

京都の地理は全然わからないけれど、時間にして20分弱。案外安く行けてホットな空気の中、ホッとした。


若い運転手さんとの会話も楽しかった。

降りる時に「朝まで仕事ですか?」と聞くと、「はい。でもまあ、のんびりやりますよ」と言って彼は微笑んだ。

新幹線のホームに行って掲示板を見たら、豊橋駅に止まる新幹線「こだま」がない。

たまに「ひかり」も豊橋駅に停まってくれるから、ひかりの停車駅も確認したけど、豊橋駅は通過だった。

 

取り合えず何かに乗って名古屋駅まで行こうと決めた。

名古屋駅まで行けば、そこからこだまが出ているかもしれない。

 

そして僕は「のぞみ」に乗って名古屋まで行った。でも名古屋駅のホームの掲示板にもこだまがなかった。

ホームにいた若い駅員に聞いてみた。

 

「はっ? こだまなんかもう最終しかないんじゃないの?」

 

言い方が……。

こだまもあなたの会社の立派な車両の名前なんだから「こだまなんか…」なんて言わないでよと思った。

行間から「こだましか停まらない駅に住んでいるなんて田舎者だなあ」という彼の思いが読めた。

いやいや、それは深読みかな。彼はそこまでは思っていない。

 

彼はスマホではなく、単語帳みたいなカードをめくって確認してくれた。

 

「あっ、あった。21時44分に来ます」


と彼は言った。それを聞いてちょっと安心した。最終まで待つのはツラい。

でも40分以上ある。

 

特急券がもったいないけれど、新幹線をやめて在来線のほうが早く帰れるかなと思って彼に聞こうとしたけど、機嫌が悪そうだったのでやめた。怒られそう。

 

この本(Amazon.co.jp: 「ありがとう」という日本語にありがとう : 山本孝弘: 本)に、

「態度の悪いタクシー運転手に当たった場合は、気持ちに任せてドアを強く閉めたりしても意味がない。そういう時ほど『ありがとう』と言ってチップを払って笑顔で降りるべき」

と書いてあったので、僕も彼に笑顔で「ありがとう」と言った。

 

在来線の方が早いかどうかスマホでちょこちょこ調べるのも面倒だし、間違いの元なのでそんなことはやりたくない。

ホーム下まで降りて行って新幹線乗り換え口の駅員に聞いた。

 

「新幹線の方が8分早く着く」と教えてくれた。

 

でもまだ時間はたっぷり。
また暑いホームに戻るのは嫌だなあと思った。そこで休憩室みたいなところに行ったら、なんとパソコンが使えるスペースが1席だけ開いていた。

 

これは有り難い。

そこで少し仕事ができた。

京都から名古屋に来る新幹線の中ではWi-Fiの状況が悪くて仕事が途中までしかできなかった。

 

仕事に切りを付けてホームに行こうとした時に、少しお腹がすいていることに気付いた。

僕はコンビニのおにぎりは1年に1度食べるか食べないか(たぶん食べない)だけど、そこにあった売店で僕は久しぶりに鮭のおにぎりとツナマヨのおにぎりを買った。

 

そしてホームに戻って、優しいこだまに無事乗った。

 

ガラガラの新幹線の中で、「なんだかんだ言っても、新幹線が停まる街に住んでいることは有り難いことだなあ」と僕は思った。

 

新幹線の中で過ぎ行く夜景を見ながら、僕は添加物が気になって普段食べないコンビニのおにぎり(厳密にいうと、今回はコンビニではないけれど)を食べた。

 

そのおにぎりはとてもとてもおいしくて感動した。