1991年か、1992年か、1993年のいつか思い出せないが、僕はアメリカ横断ウルトラクイズに出場しようと思った。

 

出場資格は1つだけ。

しかし僕は残念ながらその1つがクリアできなかったのだ。

 

その出場資格は、「パスポートを持っていること」

 

僕は当時パスポートを持っていなかった。

「だったら申請して取ればいいじゃないか」と思われるかもしれないが、そんな簡単なことではない。

記憶があいまいだけど、たしか当時で8000円だったかな。

 

かぐや姫のフォークソング世代ではないが、当時の一人暮らしの大学生はとにかく貧乏だった。仕送り前なんて、シャツに付いた醤油のシミをおかずにしてご飯を食べている先輩もいたような時代だ。

 

海外に行かざるを得ない状況が何かあったら親に頭を下げてパスポート申請費を送ってもらえるが、まさか「アメリカ横断ウルトラクイズに出るからお金くれ」なんて親に言えない。

 

そして僕は出場をあきらめた。

 

そんなある日、大学の掲示板に日本テレビのポスターが貼ってあるのを見つけた。

 

「アメリカ横断ウルトラクイズスタッフ募集!!」

 

おお!こんな形で番組に関われるのか。

 

そして僕は日テレに日雇いアルバイトの応募で履歴書を送った。

 

後日、集合場所の案内の紙が送られてきた。

 

(続きは次回)

 

※写真はその数年後に初めて取ったパスポートの中身の一部。アジアの国のスタンプでいっぱい。

Amazon.co.jp: 「ありがとう」という日本語にありがとう : 山本孝弘: 本

 



明日を笑顔に (晴れた日に木陰で読むエッセイ集) | 山本 孝弘 |本 | 通販 | Amazon