もしも生まれ変わったら(大野さん誕生日②)1 | 1年だけ先輩。(基本お山)

1年だけ先輩。(基本お山)

やま。いちご。そうぶせん。

理解した方だけしか読まないでください(笑)
ごにんに心奪われ続け、眠る身体も起き出す状態です。

脳内妄想を吐き出す場として利用しようかなと思ってます。
ご気分害されたらごめんなさい。
※主軸は21です!

※妄想のお話です。

SNS充過ぎて毎日死ぬんだけど何あれ?
何なの??
あとレポでも順調死ぬけどどうしたらいいの???
そしてねんちーパイセン大好きです本当にありがとうございます号泣しました。
「大野くんの場所は譲りません!」だってさ。アレグラー。
帰ってくるまで死守してくれるみたい。
ほんと素敵な後輩だね。











好きになっちゃいけない人を好きになった。

そんなのよくある話だ。

わかってる。

わかってるのに──。

神様は意地悪だ。

どうしておいらを彼から解放してくれなかったんだろう。

どうして遠くから見つめさせてくれなかったんだろう。


運命、なんて言葉。

おいらは大嫌いだ。








「そりゃもう運命デショ。」

おいらの机に腰かけたニノが携帯片手にパックジュースのストローを歯で咥えて上下に揺らす。

水滴が飛んだらどうすんだよ。

目の前松潤の席だぞ、怒られるのはどうせおいらなんだから。

「何が運命だよ…こんなん地獄だよ。」

はぁ、とでかい溜息をつく。

こうしたらおいらの中の憂鬱くんが抜けていけばいいのに。

どれだけ息を吐いたってずっと胸ン中でぐるぐる回ったままだ。

「地獄…ね。まーわからないでもないけど。それでもお近づきになれたには違いないんだしさ。」

お近づき。

そりゃそうなんだけど…。

ちらりと窓の外を見ると、楽しそうに白と黒のボールを追いかけている集団。

たくさんいたってすぐにわかる。

わかってしまう。

だってあんなにキラキラしてるんだもん。

改めて挨拶をしたあの日、すぐに気付いた。

あ、あの時一緒に過ごしたのはこの人だって。

「まさか初恋の人が自分の家族になるなんてね。」

ニノが皮肉たっぷりの笑顔で滑稽なおいらを笑う。

放っといてくれ…とまた窓の外に目を移せば、ばっちり視線が絡んでしまった。

「智!」

大きな声で、キラッキラの笑顔でブンブンと手を振られる。

取り巻きの女の子や一緒にサッカーをしてた相葉先輩や松潤達がこっちを一斉に見上げる。

恥ずかしくなって机に突っ伏したら、ニノのケツに手が当たった。

「返してあげなさいよ、犬みたいにすごい手ぇ振ってるよ?」

「うるせぇ。」

ぷくっと頬を膨らませそっぽを向く。

「ガキかよ(笑)」

どうせ俺は子供っぽいよ。ふん。

「でもそれも来年まででしょ?」

「…え?」

「良かったじゃない。解放されて。」

「…何の話してんだよ?」

「だからセイトカイチョウ。××県の超頭いい高校行くって噂出てるけど。」

…うそ?

そんな話知らない…!

「そんなん絶対家から通えないじゃん!」

「聞いてみればいいんじゃないですか?義理の『お兄ちゃん』なんだから。」

ニノはやっぱり意地悪く笑った。




「ほら智、挨拶しなさい。」

1年前のあの日。

恥ずかしくって父ちゃんのスーツに隠れたのは、決して人見知りだからではない。

目の前に立つ目がくりくりの男の子には見覚えがあったから。

数年前の花火大会の日に会った子だって確信した。

「あ…の…。大野智、です…。」

よく覚えてる。

あの日は父ちゃんが急遽仕事になって。

友達のかっちゃん達と花火大会へ出かけたはいいけどはぐれちゃって。

その時同じく一人でいたのが、翔くん。

迷子センターみたいなものがあったんだろうけどよくわかんなくて、しかもお互い友達とだからそんな真剣には探してないだろうってなって。
(キッズ携帯は出てたけどほとんど誰も持ってなかったしね。)

お互い片親同士で話が合ったのも相まって、2人で手をつないで回ったんだ。

半泣きのおいらの手を強く握ってくれて、翔くんはぐんぐんと人並みを掻き分けてくれた。

ひとつ上なだけでこんなにもしっかりしてるんだって感動した。

『俺がついてるから。大丈夫だからね。』

そう言って近くの神社に連れってもらって、2人並んで特等席で花火を見た。

その後の夏休みの宿題でその絵を描いて賞を取ったせいで、かっちゃん達に「満喫しすぎだろ!心配してたのに!」ってめっちゃ怒られたっけ。

…そう、ただそれだけのこと。

おいらが小学2年の時だった。

翔くんが覚えてないのも無理はない。

むしろ俺が異常なんだ。

あれだけの短い時間で好きになっちゃって、繋いだ手のあったかさをずっと覚えてて

中学に上がった今も初恋を引きずらせていたんだから。

好きになりかけたいい感じだった女の子もいたけど、結局翔くんという存在を越えられなかった。


おいらってめちゃくちゃバカ。

でもさ、普通予想出来る?

まさかそんな人が数年後家族になるだなんて。

「こんにちは。今日からよろしくね、智くん。」

翔くんの綺麗な母ちゃんがおいらの警戒解くよう微笑み手を伸ばす。

「あ…ハイ。……おかあ、さん。」

綺麗なその手を取ると、ふわりと優しい匂い。
あの日の翔くんと、おんなじ。

「この子は息子の翔よ。智くんの一つ上だから、お兄さんになるかしらね。」

「…あの…」

覚えてる?と聞こうとしたら、

「初めまして。櫻井翔です。よろしく。…智…。」

翔くんが照れくさそうに微笑んだ。

…初めまして、か。

そりゃそうだよな。

「あ…初めまして。よろしくお願いします。…おにいさん…?」

翔くん、と出かけた言葉をぐっと飲み込んだ。
ちゃんとしなきゃ。

こんな気持ち隠さなきゃ。

だって。

ただでさえ性別が同じなのに、これからは家族なんだから。

キモチワルイと拒絶されないよう、全ての感情に蓋をして。

造り笑顔を張り付けて。

「よろしくね。翔でいいよ。」

「あ…じゃぁ、翔…くん。よろしく。」

「ふふ、何か照れくさいね。家族だなんて。」

「…うん…。」


──智くんのこと俺も絶対忘れないから!


チクリと痛む胸は無視して、おいらは翔くんの手を握った。

交わした握手は、汗ばむのにどこか冷たかった。




taoさん、akiさんのリクエストが切ない系。
ピコさんのが兄S×弟O。
ということで混ぜてみました!
切ない系の歳の差逆転したお話です♡
しくよろおなしゃすもうしあげます!!