「おーおちゃんっ!」
普通に毎日のように来るのは勘弁してほしい。
って俺ん家じゃないけど。
「ねーねーこれやって~いつもの!」
「え~…おいら苦手なんだってば…。風間にやってもらえばいいのに。。」
「風間ぽんはブツブツうるさいんだもん~!俺よりずっと得意だからいーじゃん!」
相葉くんは何かをメモした紙を持ってきた。
「てゆーか翔ちゃんまだいたんだ!ちぇー、折角朝から通学前に…って思ったのに!」
ぐっ…昨日の今日なんだからいるだろ!普通!!
いや居ないのが普通か!!
盲点!!!
つーか朝から…ってナニしようとしてんだよ!!(あれデジャヴだな?!?)
「ったく~準備面倒くさいのに…」
智くんが不満げに独り言を言いながら二階へ登っていく。(結局言われてんじゃんブツブツ)
「あ、先生、相葉ちゃんにお茶出してあげて~。」
「わかった。」
勝手知りたるなんとやら。
食器棚にしまわれた茶葉と湯のみを出し、ヤカンに水を入れる。
流石に俺もこれくらいは覚えたんだ、この数日で。
今まで自分でやったことなんてなかったけど。
「…この椅子、どしたの?」
「ああ、それは昨日智くんと作った俺の椅子。」
ふふん!
相葉くんにはジーパンがあるけど、俺にはお揃い(←自称)の椅子があるんだから。
「ふう~ん…」
相葉くんが少し面白くなさそうな声を出す。
あ…そうだ、今がチャンス?
「あのさ相葉くん」
「ん?どしたの?」
カチチチチ…とガスコンロをひねる。
ボッと青と赤の炎がつくのを確認し、相葉くんを振り返る。
「…智くんの『役割』って…あれどういう意味なの?」
あー、と相葉くんが何かを思い出すように斜め上を見る。
「確かね、親友に言われたんだって。おーちゃんはそういう『役割』だって。『その為に生まれたんだよ』って…。
それからなんだって。色んな人にえっちさせるようになったの。おーちゃんが島に来る前の話だから詳しくは知らないんだけど。」
…親友?
母親じゃなかったんだ。
良かった。
いや良かねぇか。
その話が本当なら…
親友にヤラ れたってことにならねぇか?
それで…この島へ逃げてきた……?
……いつもふにゃふにゃ笑顔の智くんは……
どれだけ辛い思いをして生きてきたんだろうか…。
「ねぇ翔ちゃん!それ!ふいてるよ!」
いつの間にかシュンシュンと蒸気を上げていたそれに驚き慌てて火を止める。
「もーちょっとしっかりしてよぉ~!危ないじゃん!」
「すみません…」
「ケガしたらおーちゃんも悲しむし、火だけはちゃんとしなよ!シャレになんないからね!?」
「はい……」
あぁ、高校生に叱られる俺…ドンマイ…。
お茶を何とか出し終わって一息ついて。
「相葉ちゃん、CDは~?」
客間から声が聞こえ、いつの間にか智くんが戻ってきたのだと知る。
相葉くんが慌ててカバンから真っ白のCDを持っていく。
そういや何しに来たんだっけ、と思い立ちひょいと部屋を覗いて絶句した。
「…は?何してんの?」
「え?調べもの。」
智くんは見てわかんねぇ?と笑いながら言う。
いやいいや。
「パソコン!あんじゃん!!ネット繋がってんじゃん!!」
どう見てもノートパソコン。
どう見ても有線繋げてる。
「あるよ?ないなんて言ってないだろ?」
「ええーーーだってテレビも電話もないのに!!」
「電話ならあるってば。」
「黒電話は俺の中で電話じゃねぇっ!!!」
「電話じゃんね、相葉ちゃん?」
「どう見ても電話でしょ!黒『デンワ』なんだし!翔ちゃんって案外オバカさん?(笑)」
「んふふ、こう見えてちょっと抜けてるよな(笑)」
だぁ~~~~~~~~~っ!!!
そういう話じゃねぇ~~~~~~~!
連絡手段があんなら早く言えよお~~~~~!!!!!
後で貸してもらって諸々やるとして…
とりあえずは相葉くんが頼んだことを見守っていると。
~♪
可愛らしい音楽が聞こえてきて、歌声が流れた瞬間固まった。
これ…松本の声。
「…何、これ。」
「えー知らないのぉ?今めっちゃ流行ってるんだよ!MJの新曲、『キャラメル・ソング』!」
相葉くんが楽しそうに口ずさむ。
~ずっと僕の宝物さ
おかしいくらい君が好き
いつか君が笑えるなら
僕は心から手を振るよ~
…これが、二宮和也の書いたMJの詞……。
俺の詞を散々バカにした…『恋愛ソング』…。
正直
いざ作詞しようって時、好きだけど別れる、みたいな歌詞も脳裏をよぎった。
一ミリも理解できないがそれっぽい歌詞ならいくらだって書ける。
そんな歌、この世にごまんと溢れてる。
でも…
こんなストレートな、言っては悪いが簡単な言葉ばかりで良いものなのか?
もっとこじゃれた言葉を羅列させて色んな人に響くように曖昧に誤魔化して。
色んな状態下の人に刺さるように工夫して…。
そういう歌じゃねぇの?松本が求めてたのは。
『MJ』の初めて歌う究極のラブソングが…こんな可愛らしいっつーか…
単純な感じで、アイツは本当に良かったのか…?
「こいでいい?」
「うん、ありがとう!いくらだった?」
智くんが見ていたのはネット配信されている音楽データのようだ。
相葉くんが財布から言われた金額を出して智くんに渡す。
「助かったぁ~。俺本当に苦手なんだよね!でも流行はおさえたいじゃん!だからおーちゃんによく頼むの♪」
「パソコンはおいらより絶対風間のが詳しいのに…」
「風間ぽんより先に手に入れたいんだもん!それにおーちゃんに触るコージツにもなるし♪」
「あ…んっ、もう!先生見てんのに!」
またかこいつ…!
「やめっ…」と止めに入る直前に、
「ねぇ、ちょっとだけ…だめぇ?一緒に…先生もシたいでしょぉ?」
甘ったるい声とは裏腹に、ちらりと俺を見る挑発的な目。
シたいわ!!!!!!!!!!!!!
という圧倒的本音が喉まで出かかった。
…いやいや!
「だからって…!」
「先生に止める権利はなーい!だっておーちゃんの彼氏でも何でもないでしょ!」
ぐっ…
それを言われると何も言えなくなる…。
相葉くんがニヤニヤと胸 をまさぐる。
「ふ…っ」
もう片方の手が さわさわ と下半身 を撫で、そのまま後ろへ指が滑り智くんがビクッと身体を震わせる。
「くふふ…あのね先生、おーちゃんってねぇ、見られてると恥ずかしいみたいで、すっごい真っ赤になってかわいーんだよ?ぜーんぶピンク色になるの。」
恥ずかしいって…
智くんは人数いるのはあんまり好きじゃないって言ってたからじゃ…
「あ、いばちゃ…っ、やだぁ…っ、まだ何も用意してないって…っ」
「だいじょーぶ、後で一緒にあらおーね!ぜーんぶ綺麗にしたげるよ♡穴 のナカ のナカまで…♡」
するりと慣れた手つきで相葉君の右手が下着の中へ…。
「ぁ…!」
流石にこれはもう殴ってもいいよな…?!と決意を決めると、
「…あれぇ?おーちゃん…何でこんなキュウキュウ?まさか…翔ちゃんと何もしてない…?」
目を見開いた相葉くんが俺と智くんを交互に見る。
きゅ、きゅうきゅう……。
あの中……
きゅうきゅうなんだ………。
…そ、想像してしまった…。
ボボボボボって顔から火が出そう。
悪かったな!
まだ何もさせてもらえてねぇよ!!!
てか、2日位開いただけでそんななるもんなのか…?!
「そぉだよ、まだ調教中だからっ。」
「ちょっ…」
調教だったの!?あのオアズケプレイ!??!
「えーっじゃぁおーちゃんたまってんじゃないの?ヤろーよ!」
「だーめ。今は先生だけなの。」
智くんが柔らかく笑って拒絶する。
お、俺…だけ…。
トクン…って花が飛ぶ。
少女漫画か!
でも目の前はパンツに 手突っ込み 乳 首 摘ままれてる状態の10代の男と男。
その状況に反応しつつ頬染めてトキめいてるアラサーの男……。
カオス!
超!絶!!カオス!!!
俺の立ち位置、美少年が絡まりついてんのを恍惚の表情で眺めておっ 勃 ててる ド 変 態 オヤジ!!!!