僕たちの道5 | 1年だけ先輩。(基本お山)

1年だけ先輩。(基本お山)

やま。いちご。そうぶせん。

理解した方だけしか読まないでください(笑)
ごにんに心奪われ続け、眠る身体も起き出す状態です。

脳内妄想を吐き出す場として利用しようかなと思ってます。
ご気分害されたらごめんなさい。
※主軸は21です!

※妄想のお話です。

今日はうちわ作ってました。
なんか泣けてきちゃってグスグスカッター使ってました(早い)














大野智。


近くの美大に通う大学2年生、19歳。


アパートはボロボロなのに部屋に入るととても片付いていて快適だ。


狭いけど。


カレーは…誰が作っても美味い万能な食い物だろう。


しかし。


「ぅんめっ?!なんっっっだこれ…イッツミラコーだよ……アメイジングだよ………。」


「ふふ、何ですかそれ?(笑)」


イチ、バン!の絶品。


過去一の美味さだった。


ワンルームだから狭いキッチンは丸見えで、出ている調味料だけでもわけわかんねーのが多い。


何故✕〇と書かれた瓶が置いてあるんだろう。


クイズ??(※XO醤です櫻井さん)


「すんごく美味しいよーっ!さとちゃん天才!」


「良かったぁ。1週間分作り置きしてたから好きなだけ食べてね。」


「いーの?!やったー!ありがとさとちゃん♡!」


「大野さん、な!いや、でも…折角作り置きしたカレーが…」


「気にしないで。よく突然食べに来る先輩が近くにいるから、たくさん作るの癖みたいなもんなんです。」


あー…こんだけ美味けりゃな。


俺がこの人の先輩なら確かに定期的にたかりにくるかも…


とは言え、申し訳ない。


「ところで、何でお前らこの家に?」


「…イエデしようと思ったけど、外はキケンがいっぱいだからおうちのがいいかなって和が…」


「ほら、ボクらこんなにかわいーからさ。ユーカイされるといけないしね?イタズラされてキズモノにされてもこまるし。」


…基本、何を言ってるんだお前は。


どういう育て方したらこんな5歳児に育つんだ。


「イタズラって、こちょこちょとか?!」


「雅紀はしらなくていーの。」


「なんだよーっ和のけちんぼ!ちょっとむずかしい言葉しってるからってー!!」


「そっちこそもっとセケンをしりなさいよもう9さいなんだから」


「もっと、せけ、……きゅーさいなんだから!」


そんで兄貴の方が何故こんなにも純粋なんだよ。


潤は必死で和の真似してるし。


兄弟でムラがありすぎだろ。


親の顔が久々に見たいぜ。


なぁ姉貴。


「ふふ…あはははは!ほんと面白いなぁ(笑)」


は、恥ずかしい…。


いたたまれなくなって頭を垂れる。


「ほんで、ドアの前で座り込んでるところを、たまたま帰ってきたおいらと鉢合わせしたんだよね!」


「「うん!」」


双子が嬉しそうに声を合わせる。


「俺、お隣なのにさとちゃん初めて見たー!」


雅紀がニコニコと背後から抱き着く。


「んー、そうだね。皆が引っ越してきたの知らなかったもん。おいら最近あんま家にいなかったから…」


「あ…旅行とか?」


「ううん。やんわり監禁されてて…ついに逃げてきたんです!久しぶりの我が家!」


「あーなるほど、監禁………


監禁?!?!!?!


いやいやいやサラッと何言っちゃってんのこの人?


は??!!?!


やんわりって何?!


監禁にやんわりもくそもなくね?!


「…って、あ、学校の何かとかですか?制作がどうとか…」


缶詰になってたってことだよな?


いやー焦った、そんなわけねぇじゃん俺(笑)ウケるぅ~(笑)


「学校?いえ、その人の家に…とは言っても美味しいご飯くれるし痛いこと何もしてこないし…優しい人なので、全然危害はなかったんですけどね!


ただ何するのも全部撮影されるし、何か窮屈で…大学にもなかなか行けないし…今日からその人、泊まり込みで山の中行かなきゃって言ってたので、隙を見て帰ってきました!そこで2人に会って…ふふ、とっても癒されました。」


ほわほわ花飛ばしてるけど。


ば…バカなのか?


それ犯罪じゃね???


閉じ込めてる時点で優しいとかなくね?!


「こ、この家知ってんの?その人」


「知ってますよ~。」


「ダメじゃん!!!早く逃げなよ!!」


「いや、大丈夫ですよ?悪い人じゃなくて…なんて言うか愛情が強いっていうか…『愛してる』が口癖みたいな人で…」


「それ全然大丈夫じゃねぇから!!!!」


大きな声に遊び始めていた甥っ子達が飛び上がる。


「どしたの翔ちゃん、コーネンキ?


「こっ…!?」


だから!


俺は!!!


まだ20代な!!!!!ギリ!!!


「ねー、カンキンてなに??」


潤が純真無垢な目で尋ねる。


うっ…どう説明すれば…。


「…大野さんが、悪い奴に狙われてるらしくて…」


ストーカーとか言っても通じないと思いわかりやすく説明する。


「あの、ほんと悪い人ではないですよ!昔のバイト先の方ですし。」


「え、顔見知り?!」


「はい。だから辞めざるを得なくて…こういうことよくあるんです。気にしないでください。」


どういうシチュエーションなのそれ?!


よくはないだろ、ンなこと!!!


「カンタンよ。そんなの。」


「え?」


和がニヤリと笑う。


え、何、すげー嫌な予感。



「智が翔ちゃんちに来ればいーんだよ!智は、かじ、ぜーんぶトクイなんだから!」



ね?と和がいい笑顔で親指を立てる。


すげーいい笑顔で。


「えー!さとちゃんがおうちに?やったぁ!」


「わーい!智おうち来るの?ボクいっしょにねる!!」


わーー嫌な予感的中~!!!


こんだけ世話になっといてそれはねぇ!!


「ば、バカ!そんなわけにいかねーだろ!すみません本当に…お前らな、見知らぬ人ん家の家事やれなんて嫌に決まってんだろーが!!」


「あ…いや、話聞いてて、櫻井さんが良ければですけどたまにおいらがご飯作りや掃除に行こうかなって思ってたくらいだから、それは別に…」


えええええそんなこと思ってたのこの人?!


ストーカーのこと庇うし先輩のために飯作るし、どんだけお人好しなんだよ!!!



でも…


そうか、人を雇うって手があったのか…


最近巷では家政婦のドラマ(直近では不気味な女装のやつ)流行ってるし、、


俺は金は結構余裕がある。


最初から家政婦を雇えば良かったのか!


俺としたことが…盲点!



しかもこの人はチャイルドなんとかって資格まで持ってる…


よくわかんねーけど多分子どもの世話はそれなりに知識があるという事だ。


それにここまで完璧な俺にオバサンの家政婦が来たところでぜってぇ惚れられて面倒なことになるだろうし…


それこそ俺の血筋の可愛すぎるコイツらに変なイタズラ心を芽生えられても困るわけだし、仮に俺に女が出来たとしても男の方が何かと分かってくれて都合はいい…


しかも住み込となれば、朝の弁当も夜迎えに行くのも任せられてたまには夜遊びすることすら可能…


更に更に、美大はここより俺ん家からのが断然近い……



……この人、条件完璧じゃね?



「あの…もし、良ければなんですけど…給料も相場調べてちゃんと出すんで、こいつらの世話、住み込みでお願い出来ないでしょうか…?セキュリティもしっかりしてるし、部屋も余ってます!」


「「「お願い、智(さとちゃん)っ!」」」



キラキラした3人の子供の目なんていう、最強で最悪なモンなくても、多分…


「…勿論!賑やかで嬉しい!おいらでよければ、よろしくお願いします!」


この人はこの柔らかい笑顔を見せてくれてたんじゃねぇかな、って。


何となく


そう思った。