「遅いよ。」19 | 1年だけ先輩。(基本お山)

1年だけ先輩。(基本お山)

やま。いちご。そうぶせん。

理解した方だけしか読まないでください(笑)
ごにんに心奪われ続け、眠る身体も起き出す状態です。

脳内妄想を吐き出す場として利用しようかなと思ってます。
ご気分害されたらごめんなさい。
※主軸は21です!

※妄想のお話です。


結成日
何も考えてませんごめんなさい(笑)
何もしないつもりですけど…
あ!ブログ開設して初の結成日だ(°д°)
何か…した…い……(予定は未定)(というかNo time)
因みに15、16、どちらを結成日として扱えばいい?笑











-A-


時折痛む胸や


モヤモヤした曇った気持ちは


いつだっておいらを引き戻す



ここはお前の居場所じゃない、って



だけど、あなたはいつだって


それを否定するように


おいらを迎え入れてくれてたね



それが


心がポカポカする位嬉しくて


だけど


戻った後は余計に


苦しくて、虚しくなるんだ



本当の『居場所』はあっちなのに








本屋さんで自分のテスト範囲辺りとそれまでの数学の基礎知識の本を、


そしてその後連れられて行った大きなショッピングモールでは私服と部屋着、食器を買ってくれた。


わざわざ買わなくても、この前使わせてもらったものでいいって言ったんだけど、


「元々買いに行く予定だったんだ。二宮とも今日行こうって話してたから。」


って言われて。


なら、いいのかな?って。


メモには何も書いてなかったけど。


翔くんは自分の分のお茶碗やコップも、全部おいらのとおそろいのを買い揃えた。


何か気恥しい。


「智は青が好きなの?なら俺は赤にするか。」


「んふふ、翔くん主人公って感じだから、赤似合う。」


「ふはっ、何だそれ?(笑)」


そんな会話も、何か…新婚さんみたいでくすぐったくて。



お金も…


よく考えたらニノのお金だしなぁ、と思っていたら、翔くんが


「俺二宮に金借りてるから、それで払うよ」


と全部出してくれた。


「じゃぁそのことニノへの伝言に書いておくね!」


そう言うと、翔くんが困った顔になる。


「二重人格って、伝言とか出来るシステムなの?」


「ううん、えーと…日記的な…?」


ふーん、と翔くんが何かを考える。


「じゃもしかして契約とかって…」


「あ!それ聞きたかったの!翔くん、ニノを契約農家にしたの?そんなに瓜必要なの?」


「ゲホッ。」


翔くんは一頻り咳き込んで、笑って、そうそうって言った。


「現物は…その、ほら、後で一括で…って感じでさぁ。ククク…だから瓜のことは一旦忘れて、契約農家として…家に毎日居て欲しいんだけど。(笑)えーと、日中どっか行きたいなら自由に出かけてもいいけど、必ず俺んとこ戻ってきて、って感じかな。いい?」


「おいらはありがたいよ!畑すら場所わかんないから…でも耕すのとか水遣りとか、放っといていいのかな?」


「ふっ…w大丈夫だよ、ニノも自分ではやってねーから。ほら、手荒れてないだろ?」


言われて両掌を確認し、裏表してみる。


22歳なのに、ハンバーグみたいな可愛い手…。


「うん。綺麗!」


親指の第1関節にタコがあるのは気になるけど…


これってゲームたこかなぁ?


風間にもあるけどこんなに大きくないかも。


そこをカリカリと爪で弾く。


「畑の管理はまた別の人がやってて、そうだな…営業!ニノは営業なんだよ。だから畑は気にしなくていいよ。細かい話は二宮が連絡するだろうから、智は普通に過ごしてて。」


「そうなんだ!良かった!」


翔くんは、またクスクス笑った。


…ほんと、笑いのツボよく分かんない。




「いっぱい買ったねー!」


割れ物があるから、そうっとテーブルに置くと、隣でガシャンと音がする。


「…翔くん…」


乱暴に置いた袋の中には、お茶碗が入ってるはず。


ジトッと睨むと、翔くんが慌てて中身を確認する。


「ほ、ほら!割れてない!セーフセーフ!」


「ほら?違うでしょ?何て言うの?」


翔くんは口は笑いながら眉を顰めて、言うべき?って顔してる。


うん、って頷く。


「……ゴメンナサイ。」


「はい、よろしい♪」


翔くんの頭を撫でて、満足して食器を包んである新聞紙を外していると、


「くくっ……はははははは!!」


翔くんがお腹を抱えて笑い出す。


「え、何…?」


「いや…ふふ…(笑)智、母親みたいだな。俺より下なのに。」


「ええ?そう?…ねぇ、聞いてもいい?翔くんのお母さんって…?」


実は、ずっと気になってたこと。


お母さんが宅配スーパー契約してるけど全然会わないって言ってたし、アイツって呼んでたから。。


「ん?あぁー…うちの母親は全然。昔はそうでも無かったけど、今は完全放任主義ですよ。」


翔くんが食器の新聞紙を外しながら、自嘲気味に笑う。


「だから、いわゆる『母親』って感じじゃないよ。父親もだけど…子どもは跡継ぎとしてしか興味無い感じ?俺がしたいって言ったら何でもOK。小遣いもかなりくれてるし。ただ法を犯して捕まるようなことはするな、的なね。」


「……。」


「…って、わり、智は両親…離婚してんだっけ。俺は揃ってるのにこんな愚痴、腹立つよな(笑)気にしないで。」


「……ううん。そうじゃなくって…。」


おいらの中のモヤモヤした気持ち。


何かスッキリしない違和感みたいな。


何だろう?


よくわからなくて、首を捻る。


「ま、とにかくさっきの智の発言が面白かっ……っぶねぇ!!」


不器用なのか、翔くんの手から赤い茶碗が落ちかけて、何とかキャッチした。



「…っし!出来た!」


「何かほんといっぱいだね。」


新聞紙を外し終えて、食器をシンクへ運ぶ。


茶碗、お椀、平皿、小皿、深皿、箸、スプーンにフォーク、湯呑み、グラス、ティーカップ、さらにはバターナイフまで!


ぜーんぶお揃い。


ここまで揃えたって、いつおいらはこっちに来れるか分からない。


…いや、関係ないか。


おいらの入れ替わりがなくなっても、ニノが住むことには変わりないもんね。


……?


何で胸の奥がぎゅってなって、ズキズキ痛むんだろう?


入れ替わりなんて、ないに越したことないはずなのに。



戻るだけ。


『現実』に。



全部買ってもらったんだし、おいらが洗うって言ったんだけど…


「智と1秒でも長く一緒に過ごしたいんだよ。」


そう言われたら、恥ずかしいやら嬉しいやら、何も言い返せなくって。


「…じゃぁ、拭いてくれる?」


「了解です!」


翔くんが『了解』ポーズをする。


「んふふ、可愛い。」


泡をつけて、じゃーって洗い流したものを翔くんに渡していく。


「可愛い?俺が?」


「うん、可愛い。」


「智17でしょ?」


「そおだよ!翔くんの5歳下!」


「俺、5個下に可愛いって言われてんの?(笑)」


「可愛いんだもん。」


「そうですか(笑)智のが可愛いよ?」


「おいらは可愛くないよ。もっと地味で…目もね、こんな感じじゃなくて…」


「智は『記憶』の中だと顔が違うの?」


翔くんが不思議そうに尋ねる。


「あっ、えーっと…い、イメージ?」


翔くんがカチャリ、とお皿を重ねながらそっか、と笑う。


「…俺も智の『記憶』にいってみたいな。現実の記憶も全部捨てて…智とこうやっていちから生活して…」


翔くんが寂しそうにぽつりと呟く。


「…翔…くん……?」


「……なーんちゃって☆つーか記憶の中では『相葉ちゃん』がいるしおじいさんと暮らしてるんだよな(笑)俺何言ってんだウケる(笑)」


無理して明るい顔を向ける翔くんは、それ以上話しかけるなとでも言うように皿を持って食器棚へ移動し、私服の開梱に向かってしまった。


おいらは…何も言えなかった。



だって、


『記憶』じゃなくて『現実』があるんだって言いそうになったから…。


そんなの言ってどうするの?


おいら達は、同じ現実を生きてるけど、


住む世界が違うんだから。