Kiss me now(山フェス②)上 | 1年だけ先輩。(基本お山)

1年だけ先輩。(基本お山)

やま。いちご。そうぶせん。

理解した方だけしか読まないでください(笑)
ごにんに心奪われ続け、眠る身体も起き出す状態です。

脳内妄想を吐き出す場として利用しようかなと思ってます。
ご気分害されたらごめんなさい。
※主軸は21です!

※妄想のお話です。


山の日企画2話目!
書き出したのは1週間前なのに…
遅くなってしまった~(´;ω;`)
1日親にこき使われてて全然ラストまでいかなくて…(笑)
今更感満載だけど、
やまや~っていっぱい言ってもらったけど、
自己満であげときまーす!!

タイトルは珍しくソロから!








「ねーねー、大ちゃん知ってる?うちの地域の花火大会の伝説!」


「伝説…?分かんない、何それ?」


焼却炉にゴミを投げ入れる作業は、夏場は地獄だ。


汗がダラダラ流れるから、首にかけたタオルで拭いながら振り返る。


髪を明るくした女子生徒は汗ひとつかいてないから不思議だ。


「あのねー、ハートの花火が上がった瞬間にぃ、好きな人とチューするとぉー」


「一生ラブラブで暮らせるんだってー!♡」


キャー♡とスカート翻して盛り上がる生徒達。


一生って……。


若いっていいなぁと思わず笑みが漏れる。


「ハートの花火かどうか、キスしてたらわかんないじゃん。」


「だから毎回してないといけないんだよ~♡」


なるほど、大義名分ってやつね。


伝説なんてものは大概誰かの欲から作られてる、と苦笑する。


「大ちゃんは好きな人とか居ないのー?!」


「んー、内緒。」


人差し指を唇に当てる。


「えーー!可愛いんだけど何そのポーズ?!女子力高っ!w」


「はぁ?ただの内緒のポーズだろ(笑)」


「いやめっちゃ可愛い!」


「ねー大ちゃん、うちらと花火大会…」


「こらっ!また智くんの邪魔してんのかお前ら!!」


生徒の言葉を遮るように、毎度おなじみ白タオルを頭に巻いた翔くんが現れる。


(主にイケイケグループの)生徒に話しかけられていると登場するのも、毎度おなじみ。


コイツちゃんと仕事してんのかな?


「きゃー!また来たサクショー!w」


「大ちゃん独り占めしてずるいんですけどー!」


「バカ、独り占めしてねぇ!智くん困ってんだろ!いいからお前らさっさと帰れ!あと大ちゃんとか馴れ馴れしく呼ぶな!」


「ヤキモチは嫌われますよ、しょーおくーん?」


「お前らが翔くん言うな!!」


「じゃサクショー」


「櫻井さん、だろ!!」


「きゃー♪マジこわーうけるーw」


「大ちゃん、気をつけた方がいいよ?サクショー大ちゃんのストーカーだからw」


「てーめーえーらー?!」


「うっわ口悪っw」


きゃははは…と走り去る彼女達は、多分翔くんと話したいだけだ。


なのに翔くんは


「ったく…気をつけなよ!アイツらだけじゃなく、ほとんどの女子生徒はぜってー智くん狙ってっから!!いや男子生徒も危ねーから!!」


なんてバカみたいなことを言う。


「狙われてんのは翔くんだって。」


「んなわけねーじゃん!あの口の利き方、ほんと俺のこと馬鹿にしてる!」


「んふふ。翔くんと仲良く話せて嬉しいんだよ。可愛いね。」


そう言うと、翔くんの眉が情けなく下がる。


「…智くんもやっぱ、若い女の方がいい?」


「アホか!」


笑いながらぽかんと肩を殴る。


残りのゴミを焼却炉にざっと流し入れた。



「…あの、さ。花火大会の日…あ、8/11なんだけど。…暇?」


「ん?あー、多分暇だと思うよ。去年は実家に帰ってて見れなかったし、見たことないんだよなぁここの花火大会。」


「(知ってる。)じゃぁさ、一緒に見ない?俺すげーいい場所知ってんの。」


「いいけど…生徒にバレたらまた何か言われるよ?(笑)」


「見られない所だから、大丈夫。」


翔くんが、ニッと笑った。





「え……まさか。」


「うん。学校!」


いやいや、何その誇らしげな笑顔?


わざわざ俺んちまで迎えに来たのに、何でまた学校??


しかも…


「生徒いそうじゃん!」


「うちには優秀な警備員がいるから大丈夫だよ!」


その優秀な警備員の死角を狙って裏門から入ってんのに…本当に大丈夫なんかぁ?


「いいから、早く!見つかっちゃう!」


柵をモタモタ越えようとする翔くんを見て、ふっと笑う。


隣をひょいと乗り越えると、翔くんが唖然とする。


「ほれ。」


手を差し出すと、片眉下げて照れくさそうに笑った。