「遅いよ。」7 | 1年だけ先輩。(基本お山)

1年だけ先輩。(基本お山)

やま。いちご。そうぶせん。

理解した方だけしか読まないでください(笑)
ごにんに心奪われ続け、眠る身体も起き出す状態です。

脳内妄想を吐き出す場として利用しようかなと思ってます。
ご気分害されたらごめんなさい。
※主軸は21です!

※妄想のお話です。


いっそ消してしまおう。笑











-A-


今思えば


あなたの偶然過ぎるたった一言で


全ての壁をぶち壊したし


全ての道を繋げてくれたんだ



それがなければ、多分


おいら達の関係はきっと、


『ペット』と『客』なままだったし



おいらはきっと、


あなたへの気持ちを


この愛しいと思う気持ちを


もう、二度と───














ど、どうしよう……。


おいら、人生最大のピンチ。



「瓜が見つからない…!!!」



メモをどれだけ見ても書いてない!


部屋の中には、家具以外はギターくらいしかない!!


部屋の外に出てみたけどアパートみたいだし、ぐるっと回ったけど庭なんてない。


もー、二宮さん!


肝心なとこ抜けてるよ!!!


もしかして天然ってやつなの?!


最悪八百屋か商店で買うか…


しかないよね?


仕方なくメモに示された通り、鍵をかけて財布と携帯だけ持って家を出た。




が。


「うわ~…」


スーパーマーケット……明るっ!!!!


おいらたちの地域には商店か八百屋か肉屋か…


いや、スーパーマーケットくらいね、見たことあるよ?


テレビで。


だからすぐに見つけられた。


でもこんな…


「涼しいっ!!!いっぱいあるっ!!!!」


踊り出したい衝動をぐっと堪えつつ瓜を探す。


「あったあった…」


食べ頃のものを選び、ついでに櫻井さん?にオススメの瓜の食べ方を教えてあげようと他の食材も追加し、レジに向かう。


22歳なんだし、財布の中に1万円札何枚か入ってたからいいでしょ!


レジ前に立つと…


あれ?様子がおかしい?


「お客様。こちらセルフレジになっておりますので…。」


店員の綺麗なお姉さんに苦笑される。


「せるふれじ…?」


店員さんが困った顔で違うレジに連れて行ってくれた。





タクシーはなるべく使うなって書いてあったから…


人に聞きながら歩いてみた。


けど、


「そこのメトロの〇〇行きに乗って××線に乗り換えてください」


「××線?」


「メトロですね」


「まためとろ???」


「地下鉄は種類がありますから。まぁこちらは地上を走るんで改札は地下じゃないんですけど」


地上を走る地下鉄って…


支離滅裂じゃん!!


もーーーー理解不能っ!!!!


無理!!!!


四苦八苦しながらタクシーを捕まえ、タクシーに連れってもらうことにした。


いーよね?


とにかく遅刻厳禁だからねっ!!




着いたのはギリギリの時間。


ていうか、丁度の時間。


セーフだよね?


メモ通り部屋番号をホテルの玄関みたいなとこで押すと、『入って』と声が聞こえて飛び上がる。


「は、はい!」


あわあわと通り、エレベータに乗り込んだ。




「うわぁ……」


すごい。


廊下から見える景色は、先日夢で見た景色とはいわゆる逆側なわけで…。


大きなビルが立ち並ぶ景色に足が止まる。


ブー、ブー、ブー!


急に携帯が振動する。


見てみると、アラームが起動してポップアップが浮かんでいる。


『着いたよな?遅刻してたら殺す。』


こ、行動を読まれてる…?!


慌てて部屋番号を確認しながら走った。




ピンポーン。


迷いながらたどり着いた部屋前で、ドキドキしながらチャイムを押す。


すると、


「開いてる。」


とだけ言われる。


「あの…入ってもいいですか?」


「は?入れって。」


「ありがとうございます。」


ドア越しに会話をし、開けると…



瞳がつぶらで女優さんみたいなイケメンが立っていて。



「あ、あの、」


「…遅いよ。」


突然イケメンがおいらの知る言葉を口にするから、驚いて顔を上げる。


オソイヨ…!


オソイヨ知ってるの?!


「海老シュー!」


「はっ?!」


あれ?


何このリアクション??


「海老……しゅー……?」


「海老シュークリーム…あれ?オソイヨって…細井のじーちゃんとこじゃなくて…?」


「細井…?いつも5分前に着くから、いつもより遅いなって。」


「え、あ、遅い…あー!なるほど!そういうことか!遅れてごめんなさい!」


頭を下げて謝ると、イケメンがくつくつ笑う。


「何お前?今日何かおかしくね?」


「ご、ごめんなさい…おいら道に迷っちゃって、遅刻はダメって言われたからタクシーで来たんですけど…」


「…えっ、お前がタクシー使ったの?嘘でしょ?つーか、おいら…?」


「え…?ダメでしたか…?」


「いや、俺はいいけど…まぁ入れよ。」


イケメン…じゃなくて、櫻井さんが中に入るよう促してくれる。


お邪魔します!と玄関を上がった。


ら、めちゃくちゃ見覚えのある家!!


夢の中のおいらの家だ…!



「この家…!おいら知ってる!!真っ直ぐ行ったらリビングで…あ、ここトイレでしょ?!」



櫻井さんがぶっと吹き出した。