No control52 | 1年だけ先輩。(基本お山)

1年だけ先輩。(基本お山)

やま。いちご。そうぶせん。

理解した方だけしか読まないでください(笑)
ごにんに心奪われ続け、眠る身体も起き出す状態です。

脳内妄想を吐き出す場として利用しようかなと思ってます。
ご気分害されたらごめんなさい。
※主軸は21です!

※妄想のお話です。


自分の書いた話をこうも遡らないといけない地獄が続いていますが、ついに次2度目の限定です(-_-;)
息子のアカウントについては今整理してます~名前何にしようかなぁ…










【Side 大野】


楽しい酒が、突然の睡魔に襲われる。


「だ、大丈夫ですか?急性アルコール中毒とか…?!」


頭を抱える俺に櫻井さんが詰め寄る。


「違う、大丈夫…眠いだけ…」


原因はわかっている。


ただの副作用だ。


「病院とか、行った方が…!」


「病院は…嫌…。」


病院に行けば必ず属性が調べられてしまう。


それにこれは抑制剤の副作用だ。


病院になんて行けるわけがない。


「急に酔いが回りました?」


「…ん…そうかも…。」


酔いが回ったことにして、何とかそう返す。


「帰りましょうか。俺会計してきますね。」


「ありが…と…。」


櫻井さんが会計に行ってくれた隙に、ポケットの抑制剤に手を伸ばす。


が、ぐらんと視界が歪む。


あ、やべ───。


そう思うが先か後か、机にガタンと倒れ込んだ。



昔こんなことがあった。


抑制剤を飲もうとしたら、眠くて、そのまま意識を失って…


ああ、あの時は確か…オフィスに誰もいなくて……


入ってきたのは……。



酒が零れて濡れる感触はあったけど、そのまま意識を手放した。




次に起きた時は櫻井さんのマンションだった。


熱い。


身体中が熱を持つ。


ああ、何だっけこれ。


久しぶりの感覚だ。


「どうしました…?」


予想外の声に飛び上がる。


「えっ…さ、く…?ここは…っ?」


「大野さん、飲んでたら急に寝ちゃって。家もわかんなかったんで、俺んちに…連れてきてしまいました。すみません。」


櫻井さんが申し訳なさそうに言う。


その間にもどんどん熱が中心に集まり、呼吸が上がる。


関節が軋みだし、脳が痺れ始める。


やばい、ヒートの前兆だ…!


どうしよう…!!


薬を目の前で飲むわけにはいかない。


咄嗟に思いついた言い訳を口に出す。


「お願い、櫻井さん、ごめん、飲み物買ってきてくれないかな」


出来る限り平静を装ってそうお願いする。


「お茶とか水ならありますよ?」


櫻井さんが心配して覗き込もうとするのを、慌てて掌を差し出して食い止める。


頼む、近付かないで…!


「ダメなの!えっと…ローソンのお茶、あれじゃないとダメなの、ごめん、今すぐ買ってきてくれない?ごめん…」


ローソンなら、ここから少しかかるはず…っ


「いいけど…大丈夫ですか?」


「大丈夫だから…!お願い、早く…!」


「わかりました!」


飛び出してくれる櫻井さんを見送り、ほうっと息をつく。


鍵を閉める音が聞こえて、俺はベッドから転がり落ちるようにカバンを探した。



ない、ない、ない……!!!!



リビングなど、どこを探してもない。


スーツも見つからない。


だんだん足がもつれてくる。


ダメだ、早くしないと…っ


だんだん自分のモノが主張を始める。



触りたい、イキ たいっ…!



足がうまく動かせなくて、床に倒れ込む。


早く、薬を見つけないと…っ


上がる息と、ドクンドクンとうるさい心臓に抗いながらも部屋を見渡す。


視界が霞み始め、困り果てた時…



ガチャリ。



鍵が開く音…。


ああ、ダメだ。


帰ってきてしまった。


欲しい、欲しい、欲しい……!


櫻井さんが、欲しくてたまらない……っ


だけど、瞬間、まぁくんの顔がちらついて…


ダメだ、落ち着け俺……!!



「さ、く…!俺のカバン…だ、誰?!」


カバンの在り処を聞こうとして、見知らぬ男と目が合ってしまって。


だけど、アルファだということは悲しいことにすぐわかって……


「……っ」


その男に組み敷 かれ、表情を改めてみて知る。


ああ、アンタも…望んでないんだね。


だけど、もう…



遅い。



「…はぁっ……ぁ、…んっ」


交わされるキスには、何の感情もない。


なのに、意思を置き去りに身体中が求め合う。


アルファとオメガは、フェロモンで引き寄せ合ってしまう。


それが例え、名前を知るどころか初めて見るような者であったとしても。



好きで堪らない相手のベッドの上だとしても──。