蠢くカオスの中で15 | 1年だけ先輩。(基本お山)

1年だけ先輩。(基本お山)

やま。いちご。そうぶせん。

理解した方だけしか読まないでください(笑)
ごにんに心奪われ続け、眠る身体も起き出す状態です。

脳内妄想を吐き出す場として利用しようかなと思ってます。
ご気分害されたらごめんなさい。
※主軸は21です!

※妄想のお話です。


だいぶ遅くなったー・゚・(。>д<。)・゚・











【Side 智】


なん、で…?


意味がわかんないよ。


走ってく翔くんの背中を呆然と見つめる。


今まで散々何やってきたと思ったんだよ。


俺にどんだけのことしてきたかわかってんのかよ。


それを。


たかがキス一つで。



「……キス……。」



そーじゃん。


俺ファーストキスだったのに。



「…またこんな…無理矢理かよ。」



いつだってそうだ。


翔くんは無理矢理。


俺の色んなことを奪っていく。


俺の意思なんてお構い無しに。


初めての彼女も。


初めての色んな経験も。


初めてのキスも…。



ポケットの携帯を握り締める。



和……。


和も、奪われるんだろうか。



手に入ってもいないのに…。



唇に手を当てる。


当たり前だけど…


翔くんのそれは、柔らかくて。


そして、あったかかった。


ああ、翔くんも血の通った人間なんだなって


すごくバカなことを考えてしまった。





帰りは、駅まで向かおうとすると翔くんの運転手が声をかけてきた。


「今日はいいです、一人で帰ります。」


「坊ちゃんなら今日は早退されてますので居ませんよ。大野さんを送って差し上げるよう言伝を受けております。」


戸惑う俺を必死に説得する運転手は、恐らく翔くんに、必ず俺を乗せるよう言われたんだろう。


仕方なく好意に甘えることにした。


無駄に広い車内はどこか寂しい。


翔くんなんて、居ない方がいいに決まってるのに寂しいなんて。


また唇に指を 沿わす。


何だか少しいつもより……熱い。



──お前は…


──俺のモンなんだよっ!!!



あれ、どういう意味だ?


……まさか、ね?


いや、有り得ない。


もしそうだとしたら、こんなことするわけがない。


俺は翔くんに間違いなく嫌われてる。


首をぶんぶんと左右に振った。





「ただいまー」


「…おかえり。」


慣れた挨拶をすると、珍しく潤が返事をして驚く。


いつも無視するのに。


「帰ってたんだ。飯食った?かーちゃん金置いてってくれたんだよね?」


法事で実家に帰っているかーちゃんととーちゃんは、2泊してくるらしいからその分の金を置いてってくれたはず。


俺はすぐにでも和んとこ行かないと。


きっとすげぇ心配してる。


リビングの床に鞄をドサッと置き、ブレザージャケットをその上に投げた。


かーちゃんがいたら「すぐハンガーかける!」て怒られてるとこだ。


「テーブルにあったよ。それより、兄貴。こっち座ってよ。」


「何?」


積極的に話しかけてくれる潤は珍しいし、潤の部屋に入るのも久しぶりだ。


家はとても狭いが、お互いの部屋もある。


4畳程しかない小さな部屋だ。


潤が促した通りベッドに腰掛けると、ギッと軋む音がする。


「珍しいね。どーした?」


嬉しくなって笑顔が漏れる。




「ちょっとさ。……ヤラ せてくんね?」




は?と言葉が出る前に


俺は無理矢理 押し倒 され、あっという間に両手を上で縛られた。