蠢くカオスの中で13 | 1年だけ先輩。(基本お山)

1年だけ先輩。(基本お山)

やま。いちご。そうぶせん。

理解した方だけしか読まないでください(笑)
ごにんに心奪われ続け、眠る身体も起き出す状態です。

脳内妄想を吐き出す場として利用しようかなと思ってます。
ご気分害されたらごめんなさい。
※主軸は21です!

※妄想のお話です。


とりあえず、カオスは書けたー!
目標はもう1話…どっちかアップしたいなー…











【Side 智】


「…本当に大丈夫?」


「だいじょぶだって。今まで学校ではそんな絡んでねぇから。クラスも違うし。」


「でもさ…」


「ふふ、キリねぇな。」


今日はいつもよりだいぶ早く起きて、和の時間と合わせてバスに乗った。


翔くんの車に乗りたくなかったから。


あの時間が、何より怖かったから。


昨日の今日だ。


何されるかわからない。



もうすぐ俺が降りるバス停。


そこからは電車だ。



「ほんとに付き合ってると思って、何でも頼ってよ?幸い俺フリーだから。何なら本当に付き合っちゃう?(笑)」


「…うっせ。やだよ、誰が。」


あーもう。


和って残酷な奴だ。


こんな冗談、俺にはきちぃだけだよ。


でも…文句言う資格なんてない位、昨日助けてくれたことに感謝してる。


「俺の心配ばっかしてねぇで、しっかりベンキョーしろよな。」


「お前にだけは言われたくないわ。俺医者志してんスけど。」


「産婦人科?」


「女の 穴には興味ないのよワタシぃ。何よ、ちょっとやらしいわよアンタぁ。」


「あ、じゃ肛門科だ?」


「直腸検査してやろうか!!」


「んふふ、やめろぉ~!」


いつものようにふざけていると、バスは目的地に着いてしまった。


しっかりと停まったのを確認し、立ち上がる。


「…マジで気をつけなさいよ。いつでも電話して。」


「さんきゅな。」


「帰ったら…俺んち来て。」


「…うん。今日親法事でいねぇから、すぐ行くよ。」


「了解。」


片手を上げて降りる。


うん。


…大丈夫。


俺には和がついてる。


そう思えた。





「…智、ちょっと来て。」


当然と言えば当然か。


昼休みに翔くんが俺のクラスに呼びに来た。


むしろいつ来るのか朝からビクビクしてたから、遅かった位。


「わかった。」


その分、覚悟は出来てる。


俺は携帯をポケットにしまった。



連れて行かれたのは、西校舎の非常階段の裏の部分。


西校舎には特別教室ばかりで昼休みになると途端に人通りが少なくなるから、何をされるのかと不安になる。


ポケットの携帯をぎゅっと握る。


緊急連絡用ではない。


ただの精神的な御守りのつもりだ。


だって、何を言われたって、命令されたって、俺に抗う術はない。



「何で今朝先に行ったわけ?」


翔くんの口から紡がれた第一声は予想外の質問で。


「…和と一緒に行ったから。」


俺は小さく、でもしっかりと呟く。


むしろ一緒に行く方が不自然だろ。


そう心で反論する。


「…和と…付き合ってんのかよ。」


翔くんが俺を睨む。


「翔くんには、関係ない。」


実際付き合ってはないけど


だけど、そのフリをしろと和は言ってた。


それで何が変わるのかはわからないけど。



「…ざけんなよ。」



翔くんが低く呟く。


怒ってる。


その声の低さに心臓が高鳴り、微かに震える。


ぎゅっと拳を握る。


「ふざけてないよ。」


「勝手なこと言ってんじゃねぇよ。そんなん許されるわけねーだろ。」


勝手なこと。


言ってるのは、どっちだ。


「何でだよ…!俺は翔くんの何?友達じゃないの?許されるとか、何なんだよっ…」


ポケットの携帯が…


和が。


一緒にいてくれる気がして、いつも言えなかったことを口走る。



「お前は…


俺のモンなんだよっ!!!」



殴られる、と思った。


咄嗟に身構えたけど、翔くんの手は予想外の動きをして、捕えられる。


そして…




「………んっ…!?」




キス、された。





「………っ!」


ドン、と突き飛ばすと、翔くんはよろめいて離れた。


その顔は…何故か驚いてるような顔で。


「何っ…すんだよ!」


何とか震える口で叫ぶ。


「え、何…って……」


翔くんは口に手を当てて何かを考えてるみたいだった。



こんなこと、初めてだ。


色んなことをされたけど、キスされたことなんてなかったのに。


何で、何でこんなこと…!


俯いて、涙を堪える。



俺は何でこんなことされないといけないんだよ?


翔くんにとってこれは何の意味があるわけ?


和と付き合ってるって思って、嫌がらせ?


いい加減にしてくれ…!


「キスなんて…っ!俺をからかっておもちゃにして、そんな楽しいのかよ!!」


「………。」


「何とかっ…」



言えよ。



そう言おうとして顔を上げると。



翔くんが、びっくりするくらい耳まで真っ赤になってて、言葉を失った。