③太陽と星が導くStory8 | 1年だけ先輩。(基本お山)

1年だけ先輩。(基本お山)

やま。いちご。そうぶせん。

理解した方だけしか読まないでください(笑)
ごにんに心奪われ続け、眠る身体も起き出す状態です。

脳内妄想を吐き出す場として利用しようかなと思ってます。
ご気分害されたらごめんなさい。
※主軸は21です!

※妄想のお話です。














【Side 櫻井】


俺は今までこんなにも自分の欲に 負けそうになったことがあっただろうか。


智くんに関してそんな風に思うことなんて普段はないんだ。断じて。


…いや、稀にあるけど。稀にね。


でも、今日はどうだ。


一挙手一投足に翻弄されている。


自宅という安息の頂点とも言えるロケーションと、普段なかなかない、しかもプライベートでの二人きりというシチュエーションが相まって俺の脳が完全に浮き足立っているということだ。


落ち着け櫻井翔。(2回目)


大丈夫だ。


智くんはただタコを切ろうとしてくれてるだけだ。


料理だ料理。


俺は上沼恵〇子。


……よし。インプット完了。いざ!




「ごめんねどんくさくて。。」


「こっちこそ、見てたのにごめん。痕にならないといいけど…」


こんなことを言ってくれる天使に対して俺は何考えてたんだ。。


よし、もう絶対邪な考えは捨てる!


そうタコに誓った。(←何故タコ)




……のに……


「…んっ、こら、やめれって」


……のに……


「もぉ、逃げんなって…」


……のに……


「ぅわっ、そんなトコ吸 うなっ…」




智くんのタコ切る時の独り言、きちぃーーー!(泣)


タコってさ、ほら、仕留めても動くじゃん。ね。


それはもう自由気ままに智くんの指を犯 していくわけだよ。(←言い方)


もうやめてほしいマジでタコ動くな。早くくたばれ。


いっそ俺が切りたい。でもあんなんぜってぇ無理。



「んふふ、くすぐってぇ。」


その声に目をやると切られたタコの吸盤が智くんの指股 に吸い付いている。


あーーーーータコになりてぇ。


あーーーーー末期だな俺。


俺は虚ろな目で、タコと戯れる智くんの隣で本わさびをひたすらすった。




「はい、完成。食ってみ?」


智くんがにっこり笑う。


箸を出して智くんにも渡し、ひと口。


「…うんめっ!!!!!!」


「ほんとぉ?!よかったー!うまいっしょ?」


ぱぁっと華やぐ智くんの顔。


「めちゃくちゃ美味いよ!今まで食べたどのたこわさより美味い!むしろ今までのどのタコ料理より美味い!!」


「んふふ…それはどうかな?」


ニヤって笑われたから、どういう意味かわからずたこわさを頬張りつつ首を傾げる。


すると智くんはぷっと吹き出した。


「何?何で笑うの?」


「ごめんごめん。何かめっちゃ可愛くて。」


急にそんなこと言うもんだから、俺の顔は茹でたこみたいになってしまった。


「な、何言ってんのあなたは。」


慌てて視線を逸らすも、何かすげぇ恥ずかしいやら若干嬉しいやら……。


「向こうでこれ食べながら先に飲んで待ってて。俺残りのタコで適当に作るから。翔ちゃんのさっきのセリフ…今までのどのタコ料理よりも美味いってやつ、更新してやるよ。」


男前にそんなこと言うもんだから、心臓がきゅんって音立てた。


乙女か。


俺が可愛いんじゃなくてさ、智くんがかっこよすぎなんだよ。




今更だが、ウチはカウンターキッチンだ。


つまり隣合ったリビングからは智くんの様子がうかがい知れる。


俺は少し迷って、基本死角になってて、でも首を伸ばせば智くんが見えるローテーブルの前に腰掛ける。


食卓はカウンターの目の前だから、目が合ったりしそうで何か恥ずかしくて。


こっそり携帯を取り出す。


櫻井『今たこわさの残りのタコで色々作ってもらってる』


相葉『えーいいな、俺もお腹すいちゃったなー』


櫻井『そんなんいいからアドバイス早く頼む。』


相葉『そんなんて失礼な!アドバイスねぇ…生のタコなら刺身がいいと思うよ?』


櫻井『ちげぇよ!誰が料理のアドバイス求めた!いい雰囲気にさせるアドバイスくれって言ってんだよ!!』


相葉『あぁ、そっち?(笑)』


あぁ…俺は何をやってるんだろう…。


思わず携帯を置いて遠い目になる。


これがニノとか松潤だったらさ…きっといいアドバイスくれるんだろうな…。


あーマジで相談相手ミスった……。


テーブルに突っ伏していると、またバイブが鳴った。


相葉『それならね、昨日の撮影の時、翔ちゃんのバッグにこっそりDVD忍ばせといたから、その映画観るといいよ!恋愛ものなんだけど、普通のあまーいロマンチックなだけのやつではないから、きっと自然にいい雰囲気になれると思うよ♪』


相葉パイセンーーーーーーー!!!


俺としたことが映画とは盲点。


しかもただの恋愛ストーリーはヤロー二人で見るのは気まずいけど、そこも考慮した上でとは。


見くびってすみませんでした、パイセン!!


慌ててカバンを見ると確かに入っている。


コピーしてあるらしく白盤で、相葉ちゃん手書きのタイトル。


そのタイトル見ても全然ピンと来ないマイナーな感じ。


相葉『観る前に、どうしても大ちゃんと観たいと思って、って言ったら告白しやすくなるんじゃない?』


櫻井『なるほど…!あざっす!一生ついてきます!!』


相葉『苦しゅうない』


さりげなくそのDVDを棚の一番手に取りやすいところに置く。


そんなこんなしている内に智くんが色々持ってきてくれた。