【Side 二宮】
「あ…ごめん」
「あ、ううん、こっちこそ」
慌てて手を引っ込める二人を横目で見て、ため息をつく。
手が当たる位何なんですか。
普通にあるでしょーよ日常生活で。
俺なんて毎日リーダーのケ ツ揉んでるっつの。
(ん?これは俺が異常か。そうか。)
大体、中坊じゃないんだから。
いくつのおっさんよ?
何でそんな小さなことでドギマギするかね?
カメラ回ってたら平気なことも、楽屋ではこんな感じなわけで。
仕事モードだと平気なんだろうね。
もうほんと、呆れるしかない。
*
「もうさ、切ってあげなさいよ。」
「そうだよ!リーダーが翔ちゃんち行って切ってあげればいいじゃん!タコ!」
「…行ってもいいの?」
「…いいよ(笑)」
*
ほら、あなた達。
助け舟ですよ。
こんな何万人もいる前で公開おうちデート約束です。
こういうのはね、勢いなんですよ。
うじうじうじうじ考えてばっかで、お互い気を遣って、相手の顔色ばっか伺って。
いい加減にしてくれって感じだわ。
私達に気を使ってるつもりなんでしょうけど、それ、全然だから。
さっさとくっついてくれればいいのにとすら思ってますよこっちは。
二人ともバレバレなんだから。
お互い気付いてないけど。
どんだけアホなんだよ。
「そんなわけでね、潤くん。」
「どんなわけだよ。」
相葉さんのいないところで潤くんに声をかける。
そりゃ、相葉さんいると…話がこじれるからだよ。
悪巧みの作戦会議に、あのピュアボーイは向いてないでしょ?
「あの二人、どうにかしません?」
「あの二人…あぁ、おじさんチーム?」
「そうそう。二人のペースに任せようとしてたけど、流石に進まなさ過ぎてイライラしてきちゃって。」
「わかるわかる。新手のプレイかと思ったわ。」
「んはは、それウケる!でね、私が考えたシナリオとしては………。そんで俺らが指示出して……。」
「…お前鬼だな(笑)」
「じゃ下りる?」
「やらないわけないっしょそんな面白そうなこと。」
「どっちが鬼だよ!」
鬼、もとい潤くんと笑いながらハイタッチした。