君だけの音を聞かせて10 | 1年だけ先輩。(基本お山)

1年だけ先輩。(基本お山)

やま。いちご。そうぶせん。

理解した方だけしか読まないでください(笑)
ごにんに心奪われ続け、眠る身体も起き出す状態です。

脳内妄想を吐き出す場として利用しようかなと思ってます。
ご気分害されたらごめんなさい。
※主軸は21です!

※妄想のお話です!ご注意ください。















【Side 相葉】




「だから俺はぁ、別に怒ってないんですよぉ」


「うんうん」


「あのねぇ、わかってんの。自分に才能ないこと位、ね?」


「そーなの?」


「ないですよぉ!あったらねぇ、まずあんなとこでバイトしてないからぁ。」


「バイトなの?学生?」


「フリーター!悪い?」


「悪くないよ、俺も学生だし(笑)」


「いいなぁ、俺だって専門学校行きたかったー。金ねぇから、働きながらやるしかなかったんだよっ!」


ドン!とカウンターを叩くカズ。


ちらっとバーテンダーのすばるがこちらを睨む。


おい、俺ら客なんだからそんな目すんじゃねーよ!


「そうだよね、大変だよねカズは。」


「ね?大変なの、俺。なのに、何で?何で俺じゃなくて智にあんな才能……」


ぐす、と今度はカウンターに突っ伏して泣き上戸に入る。


めんどくさいと思う反面、コロコロ表情が変わって面白いし可愛い。


「よしよし。頑張ったね?」


「なんも知らないくせにっ!」


「何も知らないから、知りたいんじゃん。」


おバカさんだなぁ、って頭を撫でたら、ふんってそっぽ向かれた。




カズがよろよろとトイレに立つからついて行こうとしたけど来るなって止められて。


そしたらすばるがこそこそっと近付いてきた。


「何?今日は櫻井と一緒とちゃうんか?女狩りはどーしてん。俺への土産は?」


クラブから飲み直す時は、ここに寄ってオンナノコを口説くことが多い。


そのまますばるのこと気に入って遊んじゃうコもいて、すばるはそれを『土産』って呼ぶ。


こいつもナンパのサブメンバーみたいなもんだ。


「翔ちゃんとは別行動なの。今日はあのコにしたの、可愛いっしょ?」


「えーとな、相葉ちゃん。俺にはあれは男に見えんねんけど。」


「お。中身はともかく目は正常みたいだね!」


ほっとけや!と一蹴されて、ひゃひゃっと笑う。


「で?ほんまにあの男と 寝る気なん?」


「流石に今日はあんなだし…。明日以降、いけそうな時に?」


「嘘やろ自分。お前は穴 さえありゃ何でもええんか!」


「失礼な奴だな、そんなわけないじゃん。俺どっちかって言えば美食家だよ?」


ふふんと鼻を鳴らしてやる。


お前、それ、とすばる。


「まず男の時点で食うもんとちゃうから。美食家言うより雑食やから。」


うるっさいなぁ、と笑いながらハイボールをぐいっと飲み干した。




カズはその後もべろんべろんで、店に迷惑かけそうだから家に誘ってみた。


近いって言うといいよーって返ってきたから、俺は内心ガッツポーズする。


タクシーで到着して肩を組んで支えながらエレベーターに乗り込む。


俺の部屋は高層マンションの最上階だ。


実家が超金持ちなおかげで何不自由ない生活が出来ている。


でもオンナノコは上げたことがない。


だって、金持ちって知ったら急に遊びじゃなくなるでしょ?


めんどくさいんだよね、そーゆーの。


一 晩限りの楽しいオツキアイで俺はじゅーぶんだと思ってるからね。


それなのにカズを家に呼んだのは、男ってのもあるけど、初めて赤い実がはじけたから。


本当にはじけるなんて全然知らなかった!

「とりあえずソファ座ってて」


水を持ってくるから、と言おうとするとぐいっと裾を引っ張られてバランスを崩す。


「ん?どーしたの?」


「俺を置いてかないで…」


何を思い出してるのか、涙目でそんなこと言うもんだから、俺はもーたまんなくなっちゃって。


ちゅっとキスしてしまった。


「あ、ごめ!つい!!」


するとカズが目を真ん丸にした後、んふふふ、と笑った。


「キスってこんななんだぁ。初めてしたわぁ。」


まだ酔っててトロンとしたカズはそんなことを言う。


な、何だよそれぇ~…。


可愛くて可愛くて、ぎゅーっと抱き締めたら、カズが腕の中から訊いてきた。


「ねー。赤い実って…俺のこと、好きなの?」


「そうみたい。ぱちんってはじけたんだよ!」


「あんた、ゲ イ?」


「違うよ、バリバリ女好き!でもそれも今日までかな?多分俺、カズと結婚するもん。ビビってきたから!」


「くははっ!ばっかじゃないんですか?」


「だってホントだもん。さっきもついちゅーしちゃう位可愛かったもん。」


二の腕を持って離れて、キリッと真剣な顔をしてそんなことを言ってみた。


「…相葉さんはぁ」


「ま、さ、き。」


「?」


「俺の名前。忘れた?」


「…雅紀はぁ。…俺をどーしたいわけぇ?」


カズの目は半分閉じている。


「えっ?そりゃ…えっ ちしたいけど。」


「…いいよ?」


「へ?」


「抱 いてもいいよ。」


「いやいやいや~…。カズ酔ってるし、無理だよ。」


「いいじゃん、何で?俺が才能ないから?それとも憐れだから?そうなんでしょぉ?もう、ヤダ。」


うえーーーーと泣き出した。


え~何それどーゆー展開なわけ?!


「雅紀のばかぁー!」


「だからぁ~…」


「チキン野郎ー!はげー!でぶー!」


…ちょっと、言い過ぎじゃね?


こっちはすげぇ我慢してんのに、流石にイラッとしてきた。


「そんなこと言ってるとさ」


ガタッとテーブルに手をついて立ち上がって、カズの両手を掴んでソファに押し付けた。


いわゆる…壁ドン、ならぬソファドン?


そして顔をぐっと近付け、唇 がつく直前で止まる。


「ほんとに襲 っちゃうよ?」


超至近距離で睨む。


これ位脅せば流石に大人しくなるかな?


「……ん?!」


と思ったら、目論見とは逆に、ぐっと口を押し付けられた。


柔らかい唇がうにゅーーーって当たる。


でも、どんだけ待っても、欲しくてたまらない 舌 は入ってこない。


あ、キス初めてって言ってたっけ…。


そっと離れたカズが、「あ…」と下を見て驚いている。


その視線の先は…


「えっ…」


今のキスだけで、カズの ジュニア がおっきしてる!


「…み、見んなよ!」


耳真っ赤っかにして慌てて隠すカズ。


「どーせだっせぇ童貞野郎とか思ってんだろぉ!わかってんだからなぁー!!」


そんなこと言うカズが可愛くて可愛くて可愛くて可愛くて可愛くて…


「大丈夫だよ、ほら、俺も。」


今のリアクション見ただけでこんなになっちゃって。


俺ら似た者同士じゃん!


「ね?いっしょ!」


ニコニコ笑ったら、赤い顔してんふふって伏し目がちに笑って、


「ほんとだ。いっしょ。」


蕩けそうな笑顔。


もう、何それ。ほんと反則でしょ!


「もーーー…襲 っちゃいたい…このコ…」


「だからぁ、抱 けっつってんのぉ。」


「ダメだよ!こんなベロベロに酔っ払った状態とか!そういうのだけはしないようにしてんの!俺の美学!!」


「…じゃコレ、どーにかして…」


「…え?」


「雅紀が、ヌ いて。」




………マジっすか?




これが、カズの記憶のない部分だ。


俺だけの記憶にしとくのもったいないから、こっそり教えちゃうね。


ナイショだよ!