君だけの音を聞かせて8 | 1年だけ先輩。(基本お山)

1年だけ先輩。(基本お山)

やま。いちご。そうぶせん。

理解した方だけしか読まないでください(笑)
ごにんに心奪われ続け、眠る身体も起き出す状態です。

脳内妄想を吐き出す場として利用しようかなと思ってます。
ご気分害されたらごめんなさい。
※主軸は21です!

※妄想のお話です!ご注意ください。















【Side 櫻井】





「どこ…行ったんだ?」


さっきの奴が気になって仕方なくて、慌ててフロアに降りたけど見当たらない。


囲まれてたからすぐ見つかると思ったのに、いつの間にか抜け出したようだ。


徐々に散ってゆくギャラリーの中に松本を見つけた。


「松本!」


「ああ、翔くん。今日はありがとね!」


「あ、うん、おめでとう。それで、さっき踊ってた奴何者?!」


「あぁ…俺も今日会ったんだよ。ダチのダチでさ。」


「そっ…か。どこ行ったかわかるか?」


「それが見失っちゃって。ニノを…連れを探してたみたいだけど。」


「わかった、さんきゅ!」


挨拶もままならず走って探しに行った。




ざっと回ってみたけど見当たらない。


俺はアイツに会って何を話す?


何でこんなにも走ってる?


わからないけど、何かが俺の背中を押す。


胸の奥の何かが、ざわざわと騒ぎ立てる。


ここで会えなければ二度と会えないかもしれないと思うと、勝手に足が動く。


「あの…探し物ですか?」


雑誌で見たことのある、色気たっぷりのグラビアアイドルが声をかけてきた。


さっきドリンクを並んでいた時に目をつけた、今日の獲物の第一候補だ。


そいつがシ ナを作って、どう見ても誘ってるわけで。


「…あぁ…ちょっと人をね。」


立ち止まってにっこり笑う。


「一緒に探しましょうか?」


腕に絡まりついて、胸 を押し当ててくる。


G、かな?


俺の好きな、可愛くて柔らかくて、軽い下品なオンナ。


だけど。



は、と笑い、その手を振りほどいた。


「いいよ、アンタ俺とヤ リたいだけだろ?俺は今それどころじゃないから他あたってくれる?」


その女の顔がカッと赤くなり、「はぁ?!」とキレ始めるのを横目に走り出す。


怒号の叫び声を背中に浴びながら、出口に向かう。


…ダメだ、もうここには居ないかもしれない。


カンッカンッカンッ


階段を駆け上がり、地上に出る。


左右を見渡すも外は夜。


人通りも多い。


「……くそっ……」


俺の声は雑踏にかき消された。