甘くて苦い20 | 1年だけ先輩。(基本お山)

1年だけ先輩。(基本お山)

やま。いちご。そうぶせん。

理解した方だけしか読まないでください(笑)
ごにんに心奪われ続け、眠る身体も起き出す状態です。

脳内妄想を吐き出す場として利用しようかなと思ってます。
ご気分害されたらごめんなさい。
※主軸は21です!

※妄想のお話です!ご注意ください。

















ベッドはダブルだ。


寝相の悪い櫻井が落ちないように大きめを選んだのだ。


なので男2人が寝るのに狭いということはない。


ましてや大野は華奢で小さいから、普通に距離を取ることは可能なわけで。


「……あの」


「ん?」


「これ…しないとダメ?」


「あれ、嫌?」


「嫌ではないんだけど…」


お互い向かい合ってぴったりとくっついている。


櫻井の左腕は大野の首の下。


つまり腕枕をしている。


大野は身体を丸まらせて、櫻井の首の位置に

顔があるような形だ。


喋る度に首 に息が かかり、くすぐったいやら息子が反 応しそうになるやらとにかく色んな意味でキ ツい。


というか既にゆるゆるとも たげ始めている。


「恋人って、こんなだよね?」


大野の考える恋人像を全て試しているのだろう。


当然付き合えばこうなる日もあるかもしれない。


しかし、だ。


『エ ロい系はなしね?』


この言葉が呪縛のように反芻する。


手出し出来ないのにこの状況は、櫻井にとってただの拷問だった。


「ん~、翔くんの匂いだぁ。」


くんくん、と首元に鼻を近付ける無邪気な悪魔。


これ、わざとやってる?わざと苦しめて楽しんでるのか?


疑惑の目で大野を見ていると、ふと見上げた目がふにゃんと笑う。


また心臓を掴まれる。


(ダメだ…天然だ。一番タ チの悪いやつだ。)


「おやすみぃ」


「おやすみ…」


無理矢理眠ろうと目を閉じると、大野がトントンと鎖骨辺りを叩いてくる。


「ん?」


目を開けると、眠そうに半分閉じかけた目で大野が言う。


「おやすみのちゅーは?」


「!!??!?!!?」


櫻井は思いっきり咳き込んだ。


「きったねぇなぁ」


「ちゅ……って、あなた何言ってんの?!」


櫻井の唾がかかったらしく、顔を綺麗な指が滑っていく。


「だって、そーゆーもんだって。これは最低限しないと3日じゃ何もわからないって言われたんだよ。」


「はぁ?!誰によ?!」


「旬くん。」


おーーーぐーーーりーーーーーー!!!


何てことを教えてるんだ?!


そしてふと先にお試しが終了した男のことを思い出す。


「松本とは…したの?」


「うん。まつじゅんは行ってきますもおかえりもおやすみもしてくれたよぉ。」


「ど…うだった?」


「どうって…んー、まぁ、上手いよね彼は(笑)流石モテ男はちが……ッ」


最後まで聞かず口を 塞ぐ。


訊いておいて、聞きたくなかったからだ。


おやすみのキスとはかけ離れたような、激し いキス。


唇を 舌 でなぞり、甘 噛み する。


「…ふ、ぁ……っ、…んっ…」


漏れる 甘い 声に櫻井はズ クンと下半 身に熱 が集まるのを感じた。


向かい合ってるから、ソ レが大野の腹に当たり、擦れる。


そして自分の脚にも感じる大野の熱。


そっと目を開き大野の顔を盗み見ると、きゅっと目を瞑り一生懸命櫻井に応えようとしていた。


櫻井はたまらなかった。


こんな風に男に興 奮 することは想定外だった。


ずっと好きだったのは事実。


しかしその対象になるかは別の問題だった。


妄想であれば何とでもなる。


だから生 身の大野に自制が 効かなくなるとは自分が信じられなかった。


「ん…っ」


名残惜しそうにどちらからともなく離れる唇。


間を唾液の 糸が伝い、ぷつっと切れた。


トロンとした大野の目に、櫻井はごくりと唾を飲み込む。


「智くん……」


いい?


そう聞こうとしたら、大野がコクンと頷く。


「智くんっ…!」


「うん、おやすみ。」


…オヤスミ??


くるんと反対を向いてすうすうと寝息を立てる大野。


「………まじっすか。」


そう言えば言っていた。


おやすみのちゅーだと。


櫻井は松本の『地獄』の意味を理解し、目眩がした。


2日……持つのか?俺の理性。


自身の熱を持て余し、よろりとトイレへ立った。




(やばい……ダメだ、勃 っ ちゃったのバレたかなぁ。)


大野は寝てはいなかった。


立ち上がり寝室を出ていく櫻井の気配を感じ、そっと息を吐く。


ドキドキうるさい心臓を抑える。


松本の時も寝る際に深いキスをされた。


しかし今回のような妙な気持ちにはならなかった。


『もっと、もっとして。』


大野の一番奥にある何かの衝動が喉の奥まで出かかっていた。


危なかった、と大野は思う。


これがあと2日続くなんて…。


2日……持つのか?俺の決意。


早く寝てしまいたくて、ぎゅっと目を瞑った。