今月は、先月の課題のアミエルさんと同じスイスから、カール・ヒルティさん(政治家、法律家、作家、代表作は『幸福論』)をご紹介します。ヒルティは敬虔なキリスト教信仰者。神経病にも造詣が深く、精神病などの疾病を避けるには、質素な生活をすることを推奨していて、中でも「享楽」にはあんまりハマらない方がいいよと言っています。
その享楽の中でも特に飲酒には厳しく、禁酒運動に心血を注ぎ、数々の論文を発表しています。その運動は、1907年のスイス国会におけるアブサン禁酒令可決の一助となりました。
で、ヒルティさんの格言を読んでいると、なぜか仏教のにおいがほのかに香っていたので不思議に思って調べてみると、キリスト教信者でありながら、仏教、インド哲学、中国哲学にも精通していて、唯物論に否定的であることが分かりました。
禁酒といえば、しばらく前から禁酒しながら運動をする「禁酒運動」をしているのですが、1年半くらい前に日本酒は体に良い的なことをココで書いてしまっていましたね。すみません、撤回します。すべての酒は体に悪いです。
中国の漢書にある「酒は百薬の長」なんてのはウソということを明らかにした論文が2年前に発表されていたのです。少量の飲酒であれば循環器疾患に予防効果があるということも事実なようですが、同時にその他の200の病気の発症リスクを上げることも確かなのでした。
といっても、徒然草には「百薬の長とはいへど、よろづの病はさけよりこそおれ」とあるようなので、とっくの昔から酒は万病の元であるということは周知の事実だったようですが。
アルコール度数が高すぎるのにジュースみたいに飲めるストゼロ問題も一時ニュースになっていましたが、酒そのものが今発見されたとしたら、法律で禁止されるレベルの薬物として認定されるだろうといわれています。タバコよりも害悪ということですね。
なにがそんなに悪いのかというと、他人への害が半端ないのでした。(グラフ参照)
特に日本は、お酒天国といわれるほどユルユルなので本当に気を付けないといけないですね。酒を飲んで喜んでいるのは脳だけ。内臓はみんな悲鳴を上げていますのでほどほどに。
紫色のマス目は使用者本人への害、赤は他人への害。アルコール(一番上)、たばこ(上から6番目)は、大麻(同8番目)より有害だとしている=薬物政策国際委員会(GCDP)提供
https://globe.asahi.com/article/12708952
それでは今月の課題をどうぞ。
「川の氾濫が土を掘って田畑を耕すように、病気はすべての人の心を耕してくれる。病気を正しく理解してこれに堪える人は、より深く、より強く、より大きくなる。」









