映画「永遠の0」 | 祐女(ゆめ)・くぼうゆめ

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確定申告書提出最終日は休みを取って
提出に行って 後の時間を自分へのご褒美にと のんびりします。
・・・というのが恒例なんですが
( ・・って まだ2回目 (笑 )

今回は 映画を見に行く事にしました。

デートしてくれる相手が居なかったので
一人で行って なにを見ようかな・・と映画館の前で悩むという
行き当たりばったりな ご褒美です・・(笑)

まぁ 一人で映画を見る時に思い出すのは 亡き藤さん・・。
彼ならなにが見たいかな・・と考えて決めたのは 「永遠の0」。

  いいチョイスでした。


ネット上では 軍国主義を煽る映画だという評価もありましたけど
実際に見た感想は そんなことは まったく感じませんでしたし
軍国するべきだなんてこと 微塵もよぎりませんでした。
むしろ逆でしたよ。

人によって 真逆な事を感じるものなんですねぇ。


さて・・「永遠の0」の概要は

こちらでも参照してください。(^o^; 人任せ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B8%E9%81%A0%E3%81%AE0


主人公である 宮部久蔵が自分達の祖先だと知った娘と孫二人が
彼を知る人達を訪ねていくという設定で
宮部久蔵のストーリーが展開していきます。


真珠湾攻撃に参加したゼロ戦の腕前抜群で冷静な
エースパイロットという設定と この映画のタイトルなら
敵機をバンバン撃ち落す かっこいい姿が描かれているのだろう
・・と予測されるかもしれませんが
そんなかっこいい姿なんて全然ありません。

むしろ 上官に殴られるわ 仲間から「臆病者」と蔑まれるわと
無様な姿の方が多いです。

一応は 戦争反対の映画なんですが

私が一番感じたのは
「戦争反対」とか
「特攻で死んでいった人に報いるために」とか
「二度と戦争は繰り返さないようにしたい」とか 
そういうところではなくて・・

臆病者と蔑まされても殴られても
家族の為に我命を大切にするべきとする強い意志だった主人公が
特攻による仲間の死によって「自分も死ぬべきじゃないのか」と考えるまで
追い込まれた心の姿(傷)が 私にはたまらなかったです。

現代なら 主人公のそうした考えを否定する人は居ないだろうと思いますが

あの時代 お国の為、家族の為に命を捨てる事は
常識であり正しい事でした。
そんな時代に 家族の為に我命を大切にするべきというのは
普通ではありません。
非常識です。悪い事です。人間として最低です。
上官に殴られて当たり前です。
仲間から蔑まれて当然です。


これって 何か・・現代と似てませんか?。

多数が正しいと言われ それが普通になり
普通の事が出来ない事が
非常識で、悪い事で、人間性を疑られる。
そして 悪人なのだから・・とボコボコに叩かれる。
それを かわいそうだと感じても それが正しいのだから手助けできない。
助けたら自分も悪人になってしまう。

「炎上」なんかもそうです。

普通では無い事で追い込まれて
自分を否定してきた私としては そういうところが重なるのです。


特攻隊員と お前なんかの感情を一緒にするな!。
・・って言われるかも知れませんが
ほんとに自殺してしまった人が持っている
「生きている事に罪を感じ自分は死するべきだ」という感情は
同じだと思います。

死んでも立派だったと褒めてもらえるぶんだけ 
特攻の方が死に甲斐があるかもしれません。

映画の中の台詞にもありましたが
「実際に死んでしまった者と
 生きている者とでは 雲泥の差がある」・・と思いますが。


人の考えや行動を罪と罰という言葉にスリ替えて
それほどの極悪人でもないのに 明らかに人を叩き、傷つけているのに
誰も逆らうことが出来ない得たいの知れない正義や常識は今も存在していて
あの軍国主義の時代と変わってなんかいません。


戦争で死んで行った人達の為に
私達が思うべき事は「二度と戦争を繰り返さない事」だと思ってましたが
あの時代のことは 単純に戦争に固定したものではなくて
二度と「こうした思想で人の心を傷つけるな」 
・・という事なのかな・・・と。


後半・・
孫達は 宮部久蔵の「生きて帰る、命を大切にする」という心に触れた者達のおかけで
祖母が守られ その娘が守られ 今の自分達があることを知ります。

その中には 登場人物は知らない映画を見た者だけが知る関わりも描かれていて
登場人物の孫達以上に見る者の方がそれを感じると思います。


悔しくて・悔しくて、たまらなくて・たまらなくて、
拳を固めて、声を殺して、ずっと泣きっぱなしだった映画でした。