耕木杜日誌
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2018年07月30日

工房だより―本日勢ぞろい―

テーマ:工房

前回のブログの日付を見て震え上がりました。あれから3ヶ月‥‥。

放り投げてしまっていた間に、耕木杜に新ゲートが出来ていました!

なんと数年越しにようやくです!

デザインは久間さん。

顔に見えてしまうのは私だけでしょうか(笑)

耕木杜のニューフェイスをどうぞよろしくお願いします!

 

灼熱の真夏日と台風を乗り越えて、穏やかな夏日の今日。
気温は髙いはずなのですが、いつもおじゃまする事務所の2階は、

終始さわやかな風が吹き抜けて、クーラーいらず。

そして土壁や無垢の素材の呼吸を感じます。

居心地が良すぎて頭の中に妄想が広がるのを断ち切って仕事!仕事!

ウッドデッキには即席の屋根がついて、休憩やランチは毎日全員ここで。

頭も体も休まります。

 

前から見るとこんな感じ。

夏はここでも暮らせそうな気がしてきました。

蚊帳を吊って昼寝なんて最高だな。また妄想・・・・

 

さて、今日は珍しく工房に大工が勢ぞろいしていました。

すっかり大工姿が板についた、わが社のくノ一。

漢気溢れる背中をご覧ください。

 

八月末に建て前を迎える現場の仕込み真っただ中。

 

今回の棟梁はこの人です!

図板。二階建てのようです。

建前の取材も怠りません。お任せください。

 

別の作業場では 秋に竣工予定の現場に納める家具を製作中でした。

何だかわかりますか?

 

ここに並んだこの大きな箱たちは一体…

 

というわけで組んでもらいましょう。

引き出しだったんですね!一つ一つずっしり重いです。

 

そうです!キッチンの棚!

取っ手がつく前の姿です。美しい木目にご注目。

 

なかなか見れない後ろ姿も。

 

組むや否や、引き出し面をペチペチと触りはじめました…

 

引き出しのひとつをするっと抜き…

 

鉋がけ。

わずかな段差を見つけて調整していたのでした。

最後の最後まで繊細な仕事が続きます。

 

仕事中でも整頓された作業台!

 

その横ではわが社のミスター鉋がテーブルの天板を製作中でした。

いつも背中に鉋の文字。

 

ひと滑りごとに磨かれていく様は、何度みても飽きません。

 

鉋仕事にはひときわ職人魂を感じます。。。

 

ふと目に留まったこの集成材の山!

これらはすべて鉋の台仕込み用だそうです。

どんだけだ!

 

親方の工房をのぞくと…

椅子づくりの真っ最中。

この間仕上がった新作チェアが、瞬く間に次々お嫁入してしまったので、追加作製!

 

ちょうど座面の輪郭を削り出しているところでした。

 

輪郭は電動のこで削り出していくのですが…

 

曲面や、薄ーい縁どり、細かな段差…

絡み合う繊細なラインを、板と刃を操って自在にスルスルと、

まるで紙切り芸のように一息で切りとっていく神業…

機械使いもまた技術なのだと実感した次第です。

 

(OKAME)

2018年04月09日

中野区S邸 建前

テーマ:中野区S邸

あっという間に春爛漫の新年度となりましたが、
「まだかよ!」と数々のツッコミの中、
だいぶ遡って、寒風身に沁みる1月の建前の様子をお届けしたいと思います!
(ずいぶん寝かせすぎてしまいました…あ、いえ、材木のことではなく…)

 

今回建前を迎えた東京都中野区S邸。
ひとつひとつのパーツの大きさからもお察しの通り、
都心では見られなくなった、骨格のがっしりした普請です。

 

都心の工事の悩みの種といえば、そうです!
お隣との距離!!密度!!
大きなクレーン車、一体どうやって入れたのでしょうか。
 

作業スペースが思うように確保できないので、
材料の搬入もいかに効率よく手際よくできるかも大事なカギとなります。
運ばれた資材をそのままやみくもに並べているようではいけません。
あるべき場所にあってすぐに仕事にかかれるように。
 

いや本当にこのクレーン車、一体どうやって入れたのか…(汗)
 

早速掛け矢の音が響きます。
でもお隣はすぐそこ。それもお休みの日の朝。
気をつかいながらの作業が続きます。
 

柱に念を送っている図…ではありません(笑)

 

棟梁と施主様で米、塩、お酒でお清めの儀の後、
家の四隅にもお清めをしていきます。
この(道幅)狭さにこの柱群、まるで迷宮。
これだけでも子供たちにとっては大冒険ではないかと!
 

重い柱を片腕で支える、耕木杜のくの一。

 

1階部分の柱が瞬く間に立ち上がりました。

 

柱の少ないところは、リビング?
 

若い大工さんが数人息を合わせて掛け矢を振り下ろしています。
いつも実感。
耕木杜特製の大きな掛け矢が小さく見えます。

限られたスペースに持ち上げるのもひと苦労。

 

構造も複雑なので、組んでいく順番もとても重要です!

 

掛け矢を振るスペースを確保するのもなかなか。

 

この大きな金具は何に使うのかしらとよく見たら…
耕木杜の建前にいつも来てくれる建築士、植松さんの坊主頭!
いつも以上に光り輝いていたのでついおがんでしまいそう!
し、失礼しました!

 

このショット、どこか近未来感がただようのはなぜでしょう。
特にクレーンの辺り…ウィィーン…

 

もう家の形が見えてきました。
さすがのチームワーク。早いです!

 

何度も言ってしまいますが、クレーン車どうやって…。
パズルのように入り込んでるし。
(案の定、最後出すのにとても苦労しました!)

 

ここで、ルーキーの若さ溢れるアクロバティックな掛け矢遣いにご注目ください(右端)。

 

大きな梁がずしりずしりと組まれてゆきます。

 

撮るにもスペースも限られていたので、
細かいホゾに寄った画が撮れなかったのが残念なのですが!

 

1階が組みあがると、2階の床があっという間に出現。

 

その上ににょきにょきと生えていく柱たち。

 

そして痒いところに手が届く植松さん。ありがたい存在です。
(何度もネタにしてごめんなさい)

 

足の踏み場がないとはこのこと。
これだけあると、あとどのくらいかかるのか…と気が遠くなりそうですが、

 

リズムよくどんどん組まれて、爽快です!

 

2階の桁もやはり大きい。

 

全体像が見えてきました。

 

ちょっと下からも覗いてみましょう。
これも木漏れ日というのでしょうか(笑)。

 

美しいです。

 

さすがにこのときはまだ冬日。

 

日没も早く、風もますます冷たくなってきました。

 

ラストスパートオオオォォォ!

 

小屋束(つか)が立ってくるといよいよワクワクしてきます。

 

母屋も並んで…

 

無事、棟があがりました!
上棟式には子どもたちも登りました。
今日のこと記憶にしっかり刻まれたかな!?
次世代につながるいい家を、しっかり建ててゆきたいと思います。
まずは上棟おめでとうございます!

(OKAME)

 

2018年03月31日

敷居レール

テーマ:工房

春です!庭の植栽たちは続々とつぼみを膨らませています!
 

これはブルーベリーの花。ほのかなベリー色がかわいらしいですね。

 
この時期はあちこちで黄色い花が咲き始めるので、気分も上がります!
 

 
さて、今日の工房はこんな手仕事が繰り広げられていました。
和室の障子の「敷居レール」制作。
摩耗や木の伸縮に耐えられるように、
戸が行き来するレール溝部分に硬い木をはめ込んでいきます。
 

 
例えば、ここは窓ですがこういう部分のことですね。


 
早速一連の作業をみてみましょう!
「埋め木」といって、溝部分にはめ込む硬木を鉋で仕上げているところ。
 

緩いのはもちろんのこと、硬すぎてもレール本体の木を圧迫してしまうので、


塩梅よくぴったりハマるように、何度も合わせながら丁寧に調整してゆきます。


埋め木が仕上がったら、溝部分にのりを置き


きれいに伸ばして…
 

 
合体!!



レール部分と同じ細さのあて木をして、叩き落としてゆきます。


ある程度組めたら、二車線の高さが揃うように、
今度は重い木を当て木にして二列一緒に叩く。


たった高さ3mmのレールにも、こんな細かい手仕事が施されているのです。


引き戸の数だけレールが必要なわけで、まだまだ順番待ちがずらり。


工房を覗くたびに、途方もない手仕事の数々に驚かずにはいられません。

 

・・・次号へつづく

(OKAME)

2018年03月31日

ベビーチェア

テーマ:工房

さて前回のブログの最後の写真、とてもとても気になる物が写り込んでいました。

よく見てください。
 

こ、これは!?
 

もしかして、ベビーチェアではないかしら!?
なぜ作業場にこんなものが…??


実はこちら、写真の大工・ジローさんのお手製(もちろん設計も!)、
愛息子の為のベビーチェアだそうです。
子供の成長に合わせて高さを変えられる優れもの。


背もたれの曲木にもご注目!


もちろん大人用の椅子としても使えます。
腰かけてみると背もたれにほどよいしなり加減。
無駄のないフォルムです!

自宅の家具を試作し、実生活で使っていくことが、なによりの実験研究の機会。
とはいえ、途方もない仕事の合間にこうした時間を生み出していくのも大変なこと。
こうした影の努力があってこその技術なのですね・・・。


(OKAME)

2018年03月31日

椅子に名前を!

テーマ:工房

木々が芽吹く春 3月も今日で終わりです。
庭には若々しい清らかな空気に満ちています。
短いこの季節、もっとじっくり愉しめたらいいのに!
このかわいらしい新芽と蕾はオトコヨウゾメだそうです。


しかし!さすがは耕木杜。

新芽が出るのはお庭だけではないんです!
 

ババン!

事務所の2階にもかわいらしい新芽がならんでいました。
そう!
親方の新生ABOチェアー背もたれ付き 新作です。
親方も新しい製作に余念がありません。
(※新ABOチェアーについての詳細は2月のブログを御覧ください☆
https://ameblo.jp/koubokusha/entry-12350347252.html


心配になるくらいの華奢なフォルムなのに、
掛けてみると絶妙なフィット感、ほどよい弾力、芯の通った強さに驚きます。
 

遊び心満載なのに、計算しつくされたこの曲線!
 

記念すべき第1号の椅子にだけ、刻印がされていました。
レアすぎる。
 

背もたれと座面の接続部分に要注目です。
これだけ。これだけなんですよ!
気になるので、ひっくり返してみました。
 

じゃん!
やはり楔(くさび)が打ち込まれていました!!


お尻をすっぽり包み込む座面のR、ずっと眺めていても飽きません。


後ろ足の接合部分の楔が、ちょっとツリ目になっていてかわいいです。

この新作ABOチェアーの背もたれ付きでは勿体ない。


名前を募集しているそうです。

いい名前をお願いします。

(OKAME)

2018年02月05日

誕生!新・ABOチェアー 

テーマ:工房

連日寒い日が続いていますが皆様いかがお過ごしですか?

耕木杜は毎朝このとおり、霜柱が立っております。

 

霜を踏んで侵入したらしき、怪しい足跡も(笑)!?

 

さて、暦の上では立春が過ぎましたが、木々はまだまだ冬仕様。

植栽越しでも事務所がはっきり望め…ま…

んんん???

 

こ、これは・・・!?

 

ドーン!!

ABOチェアーの新作が誕生しました!!

 

もちろん楢です。

なのにこの柔らかな質感…

早速秘密に迫りたいと思います!

 

因みにこちらがこれまでのABOチェアー。(年季入ってます!)

 

そしてこちらが新作。

まず座面の彫りがぐっと深くなっていることに気が付きます。

座ってみるとより実感。

お尻がふんわり包まれるような心地です。

 

真正面から見るとよくわかりますね!

 

この曲線を作り出しているのはこれらの鉋たち。

 

『四方反り』という、文字通り四方に沿った鉋だそうです。

座面の箇所によって反り具合も変わるので、ひとつの座面にこれだけの種類の鉋が必要。

まずちょうなで粗削りをし、大きな鉋で形を削り出し、小さな鉋でさらに調整、

そして目の細かいペーペーで仕上げ。

座面だけでも果てしない…

 

もちろん、大小、反りも様々の鉋たちはすべて、この座面を削りだすために親方自ら仕込んだ道具!

道具を作れないと仕事にならないとはこのこと!

 

真横から見た図。(左が前、右が後ろ)

組まれた脚の角度にもご注目!

 

真上から見てみると、脚の先端がずいぶん細く組まれていることにも驚きます!

 

真後ろから見た図。

ここから見ると、座面は2枚の板を剥ぎあわせて組まれていることがわかります。

この剥ぎ合わせ部分はおそらく複雑なホゾで組まれているのだろう…

と途端に推測したあなた、ご名答!上級者です!

(組み合わせる前のパーツを撮り逃したことが悔やまれる…)

 

そしてなんといっても新ABOチェアーの肝は、座面と脚の接続部分。

このくびれをご堪能ください!

 

ただ華奢なだけではない、必要な筋肉が必要な場所に必要なだけ付いている…この極限!

私は密かに”バレエダンサーの足”と呼んで愛でています。

座面が少し傾斜してしていることにお気付きですか?

この計算されたバランスが、座った時のフィット感を生み出しています。

 

組まれる前の脚パーツ。

 

座面との接合部分はこうなっています。

深く彫られた溝には、楔(くさび)を打ち込みます。

そうすることで木の伸縮等での緩みを防ぐことができるというわけです。

 

拡大してみるとこのとおり!

 

因みに脚の先端部分のこのボツボツ穴、
これは脚の形を削りだす際に使うロクロの固定の跡だそうです。
この部分は長さに合わせて切り取られ…

 

丁寧に面取りされて仕上がっていました。

 

ようやく差し込んだ陽に、趣のある影ができたのでパチリ。

 

さて、親方が手にしているのはまた別の、
もう間もなく完成予定の『もうひとつの』ABOチェアー。

え?さっきのイスと何が違うかって?

 

全然ちがいます!

こちらは背もたれ付き!
と言っても、先ほどのスツールに背もたれがついただけ、であるはずもなく、
この秘密はいずれレポートしたいと思います(ニヤリ)。
ではまた!

 

(OKAME)

2018年01月01日

「恒例!お餅つき」11月12月の耕木杜

テーマ:工房

あけましておめでとうございます。
いつもご覧いただきありがとうございます。
師走の忙しさにかまけてまたもブログをほったらかしにしてしまいました。
今年こそはもっと誠実なレポートを心がけたいと思います!

 

11月12月作業場では今月中旬の都内での建前の墨つけ・刻みが行われていました。
 
これは11月に木材に墨付けをしているところ。
詳しくは建前の後お知らせします。


そして親方の工房では製作中の食器棚が引出しや建具も入って完成。
後はガラスをはめるだけ。それも2台。
 

前回のブログでは 引き出しや建具が
精密に仕込まれたホゾ、溝でパズルのように組まれるという事を
お知らせしましたが、実際に組むところはお伝えできませんでしたが
11月の取材で本棚を組む瞬間に立ち会えました。




ちょうど最後の仕込みが終わったところ。

 


ホゾの穴にのりを塗ります。少なくてもダメ・多すぎてもダメ。丁寧によく見て。
さあここからは時間との勝負、親方と弟子の息の合った作業をご覧ください。



どんどんパーツを差し込んでゆきます。

のりが柔らかいうちに手際よく!

 


完璧に納めてプレス機でプレスします。
(この台は実はプレス機!)
その後はみ出したのりを素早く・丁寧に・完全に拭き取ります。
これもコツあり。手際よく効率的に、時間が経つとのりが乾いてシミになってしまいます。
こんな小さな作業ひとつひとつにも、根気と技術の積み重ねがありました。



さて、年末12月28日仕事納めの日は大掃除と恒例の餅つきです。
30キロの餅米を、前日丁寧に洗い・水に浸し、朝からかまどで
次から次から蒸かして、つきまくりました。計10回!
 

近所に住む古くからの友人の美術学校の先生も参戦!
雪国出身で昔はかなりの餅つき経験者で是非にと志願。
「耕木杜の杵は大きくて重い!」ふうふう言いながらもさすが、いい音が響きます。

 
アツアツつきたてのお餅を丸める係もハッスルハッスル。
親方に「餅を素早く美しく丸める方法」を伝授されつつも…

 

 

ようやくコツをつかんだ頃に終わるんですよね。
次の年まで体は覚えていてくれるのか!
こうご期待!



餅つきの後の昼食はもちろん餅尽くし。お雑煮・あんこ・きな粉。
自家製の漬物も沢山。
元気いっぱいのこどもたちも遊びに来て、賑やかな仕事納めとなりました。

親方はじめ、帰省しない大工さんたちは、
今回の年末年始も手道具の手入れに励むそうです。

本年もいつも通り、先を見据えて進んでいきますので
どうぞよろしくお願いいたします!

 

(OKAME)

2017年10月30日

家具製作中

テーマ:工房

毎週のようにやってきた台風に紅葉はすっかり飛ばされてしまい、
晩秋のような眺めの耕木杜です。
ご無沙汰しておりました!

 

親方の工房では来年春に竣工予定のお客様からの注文家具の製作が着々と進んでいました。

毛布をめくるとすでに完成した清楚な楢のテーブルが。

すべすべの木肌にドキッとします。

 

これは 食器棚 造り付けではなく 正真正銘の家具です。

これが二つあるそうで 親方並行して製作中。

親方愛用の箒の柄には畳縁が巻かれていています。親しい畳屋さんから貰ったそうです。

除けずに写してしまいました(笑)

 

そしてこれらはこれからガラスの入る引戸や引き出しになるパーツ群。食器棚2台分

同じ作業はまとめて効率よく出来るように 準備され、

 

それぞれ一枚一枚、一本一本に、細かいホゾや溝が精密に仕込まれています。

気が遠くなるような仕事…

これらがどのように組まれていくのか、親方自ら説明して頂きました。

 

例えば引き出しはこんな具合。

 

後ろの板と右左の板を組み立て…

 

間に引き出しの底の板を組んでゆきます。

気付きましたか!?

そう!引き出しの底は木の伸縮や反りなどの影響を最小限にとどめ、

耐久性を保つため、複数の板を組み合わせていくのです。

木目をうまく組み合わせてあるので、まるで一枚板の様・うーんすごい。

 

それだけではありません。

板と板の間には細い棒を挟んでいます。

 

こうすることで、木が縮んでも継ぎ目に隙間ができるのを防ぐことができるとか。

うーん・なるほど。これは「やといざね」と言うそうです。

 

薄い板に細い溝が付けてあったのは、その為だったわけです!

しかも こんな薄い板にこんなに沢山の溝を正確に作っていくなんてうーん・さすが。

このような細工は引き出しだけにあらず。

 

食器棚の、側面、背面、棚、作業台の板もどれもすべて何枚かの板を繋いだ後に

手鉋で仕上げ、細かいホゾ(出っ張り)とアリ(溝)で頑丈に組み上げています。

 

ガラスの引き戸の枠組みもひとつひとつ、複雑なホゾで組まれています。

耕木杜の家具づくりはとにかく目に見えないところにも細かい仕事の積み重ね。

 

そしてこの様々な細工は、毎回作るごとに改良しつづけられているので、

製作工程を見るたびに新鮮な発見と驚きがあります!

同じものを作っているように見えて、同じものではなかった・・・。

「これまでも沢山家具を作ってきたけど 今回数カ月かけて取り組んできて

自分にとって仕事をするという事は、常によりよい道を探り続けることだ。」と、

親方の深い言葉でした。

 

このような見えない部分の仕事、細部にこそ品格が宿るのだと、

あらためて実感した次第です。

親方曰く、50年後、100年後を見据えてのものづくり。

私的にはこの作業台の引き出しの美しさに驚嘆してしまいました。

 

隣の作業場では 造り付け棚の製作の真っ最中。

親方の眼が光ります。

 

昨日と同じことをしているのでは進歩がない。
日々の積み重ねこそが稽古。
背中の「鉋」にも気合がみなぎるというものです。

 

それにしても久しぶりの青空。
外の作業もようやく捗る。

 

貴重な秋晴れの耕木杜でした。

(OKAME)

 

2017年09月01日

空間感

テーマ:ごあいさつ

 

ペーター・ツムトアの著書『 Atmosphere』を読み、

心に触れる建物とはという自らの問いに対して、
空間を思考するツムトアの感性に、深い共感を覚えました。


家づくりで最も心を砕くのは、その家がどのような環境の下、どのように使われ、
何が起こっていくのか、ということです。
素材と組み合わせ、光、空気、音、高さ、密度、強度、距離感、内と外との関係性…等々、
建物を構成する様々な要素が

バランスよく響き合うよう洗練された結果がデザインであるべきです。


建築とは建物とその内外全体の空間であり、

そこに入るモノとともに、使われることで生かされる存在。


作り手と使い手が、日々細やかに心を寄せ、空間をとらえる感性を磨き合いながら、
共によりよい建築を探求していきたいと思います。


2017年9月
耕木杜代表 阿保昭則

2017年08月21日

耕木杜仕様

テーマ:工房

暦ではもう秋、ということは秋の長雨なのでしょうか。
耕木杜もお盆前からずいぶん雨空がつづいていました。

 

湿気が鬱陶しいですが、気分転換には庭を歩くのが一番。
雨の庭は雨ならではの景色の楽しみがあります。

 

こういう色転も紅葉と呼ぶのでしょうか。
深い色合いにハッとします。

 

高湿気の中でも、枯れ始めた枝葉はどこか硬く乾いた感じがします。
ああ、人間と同じなのだなとしみじみ…

 

ご覧ください!イロハモミジの実!

 

蜘蛛の巣は宝石のようにキラキラしていました。
写真には写らないのですが、雨の日は蜘蛛の巣の糸目もはっきり見えるので、
辿っていると時間を忘れてしまします。

 

耕木杜には様々な種類の蜘蛛が暮らして(笑)いますが、今は繁殖期のようで、
ひょんなところに子蜘蛛たちがいたりします。
わかりますか?
小さな粒々の集合体が赤ちゃん蜘蛛たちです!
蜘蛛好きにはたまりません!かわいい!

 

繁殖期と言えば、事務所の勝手口の水がめは、知らないうちにメダカ天国になっていました。

 

さて、お盆休み直前の8/11の事務所のお昼ごはんの様子です。
お休み前にそれぞれの現場に分かれている大工さんたちが全員そろっています。

 

昼食を終えて午後は事務所の見習さんも含めて基本仕様の確認打合せ。
クライアント向けではなく、施工側の基本的な納まりの確認です。
これが今回、親方が全員を招集した大きな目的。

 

ところが・・・・・
2階に上がってくるなり、家具に群がり細部までくまなくチェック。
研究に余念のない人たち。

 

建前は大工総動員で取り組みますが、日々の現場は少人数のチームで仕事をしています。
墨付けをし、現場をまとめていく責任者、その下に中堅、そして見習い大体3名体制です。
高度な技術の習得も大事ですが、窓や屋根の雨じまい、床の下地、本床の貼り方、

ボードの貼り方・各種寸法や材料のことなどなど。 

家づくりの様々な施工の基本仕様を定期的に確認・共有することは、

すべての現場の施工品質を一定以上に保つためにとても重要です。
 

納まりだけでなく、小さいことでは、どういう角度でどういう風に釘を打つと効果的かという基本の基本から、

親方がこれまで培ってきたことを理屈もわかりやすく伝授します。

新人も中堅者もそれぞれの熟練度によって課題はそれぞれあって、

現場で実際に経験したからの質問、

それにどう対処するのがベストかという投げかけも飛び交う情報交換の場でもあります。
 

一つ一つにじっくり解説していく親方。
「解らないことを聞くことも当然だが 解っていることも聞いて確かめることが上達につながる」と一言。

なるほど。
この質疑応答は、違う分野にいる自分にも、ものすごく勉強になりました!

 

約2時間の話し合いの後 各々作業場へ・・・と思いきや!
手にしているのは…大工道具じゃないぞ?

 

翌日からお盆休み、そして大工も勢ぞろい…ということは?

 

BBQでしょう!
今回お肉の調達は親方じきじきの買い出しです。

 

というわけで、可愛いゲストも参戦し、耕木杜の夏生まれメンバーをまとめて祝福しつつ、

日が暮れるまで楽しい時間が過ぎていきました。

美味しいお肉をたくさん頂いたおかげで 夏バテしないで後半も頑張れそうです。
これからも張り切って取材していきます。

 

(OKAME)

 

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