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2018年02月05日

誕生!新・ABOチェアー 

テーマ:工房

連日寒い日が続いていますが皆様いかがお過ごしですか?

耕木杜は毎朝このとおり、霜柱が立っております。

 

霜を踏んで侵入したらしき、怪しい足跡も(笑)!?

 

さて、暦の上では立春が過ぎましたが、木々はまだまだ冬仕様。

植栽越しでも事務所がはっきり望め…ま…

んんん???

 

こ、これは・・・!?

 

ドーン!!

ABOチェアーの新作が誕生しました!!

 

もちろん楢です。

なのにこの柔らかな質感…

早速秘密に迫りたいと思います!

 

因みにこちらがこれまでのABOチェアー。(年季入ってます!)

 

そしてこちらが新作。

まず座面の彫りがぐっと深くなっていることに気が付きます。

座ってみるとより実感。

お尻がふんわり包まれるような心地です。

 

真正面から見るとよくわかりますね!

 

この曲線を作り出しているのはこれらの鉋たち。

 

『四方反り』という、文字通り四方に沿った鉋だそうです。

座面の箇所によって反り具合も変わるので、ひとつの座面にこれだけの種類の鉋が必要。

まずちょうなで粗削りをし、大きな鉋で形を削り出し、小さな鉋でさらに調整、

そして目の細かいペーペーで仕上げ。

座面だけでも果てしない…

 

もちろん、大小、反りも様々の鉋たちはすべて、この座面を削りだすために親方自ら仕込んだ道具!

道具を作れないと仕事にならないとはこのこと!

 

真横から見た図。(左が前、右が後ろ)

組まれた脚の角度にもご注目!

 

真上から見てみると、脚の先端がずいぶん細く組まれていることにも驚きます!

 

真後ろから見た図。

ここから見ると、座面は2枚の板を剥ぎあわせて組まれていることがわかります。

この剥ぎ合わせ部分はおそらく複雑なホゾで組まれているのだろう…

と途端に推測したあなた、ご名答!上級者です!

(組み合わせる前のパーツを撮り逃したことが悔やまれる…)

 

そしてなんといっても新ABOチェアーの肝は、座面と脚の接続部分。

このくびれをご堪能ください!

 

ただ華奢なだけではない、必要な筋肉が必要な場所に必要なだけ付いている…この極限!

私は密かに”バレエダンサーの足”と呼んで愛でています。

座面が少し傾斜してしていることにお気付きですか?

この計算されたバランスが、座った時のフィット感を生み出しています。

 

組まれる前の脚パーツ。

 

座面との接合部分はこうなっています。

深く彫られた溝には、楔(くさび)を打ち込みます。

そうすることで木の伸縮等での緩みを防ぐことができるというわけです。

 

拡大してみるとこのとおり!

 

因みに脚の先端部分のこのボツボツ穴、
これは脚の形を削りだす際に使うロクロの固定の跡だそうです。
この部分は長さに合わせて切り取られ…

 

丁寧に面取りされて仕上がっていました。

 

ようやく差し込んだ陽に、趣のある影ができたのでパチリ。

 

さて、親方が手にしているのはまた別の、
もう間もなく完成予定の『もうひとつの』ABOチェアー。

え?さっきのイスと何が違うかって?

 

全然ちがいます!

こちらは背もたれ付き!
と言っても、先ほどのスツールに背もたれがついただけ、であるはずもなく、
この秘密はいずれレポートしたいと思います(ニヤリ)。
ではまた!

 

(OKAME)

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2018年01月01日

「恒例!お餅つき」11月12月の耕木杜

テーマ:工房

あけましておめでとうございます。
いつもご覧いただきありがとうございます。
師走の忙しさにかまけてまたもブログをほったらかしにしてしまいました。
今年こそはもっと誠実なレポートを心がけたいと思います!

 

11月12月作業場では今月中旬の都内での建前の墨つけ・刻みが行われていました。
 
これは11月に木材に墨付けをしているところ。
詳しくは建前の後お知らせします。


そして親方の工房では製作中の食器棚が引出しや建具も入って完成。
後はガラスをはめるだけ。それも2台。
 

前回のブログでは 引き出しや建具が
精密に仕込まれたホゾ、溝でパズルのように組まれるという事を
お知らせしましたが、実際に組むところはお伝えできませんでしたが
11月の取材で本棚を組む瞬間に立ち会えました。




ちょうど最後の仕込みが終わったところ。

 


ホゾの穴にのりを塗ります。少なくてもダメ・多すぎてもダメ。丁寧によく見て。
さあここからは時間との勝負、親方と弟子の息の合った作業をご覧ください。



どんどんパーツを差し込んでゆきます。

のりが柔らかいうちに手際よく!

 


完璧に納めてプレス機でプレスします。
(この台は実はプレス機!)
その後はみ出したのりを素早く・丁寧に・完全に拭き取ります。
これもコツあり。手際よく効率的に、時間が経つとのりが乾いてシミになってしまいます。
こんな小さな作業ひとつひとつにも、根気と技術の積み重ねがありました。



さて、年末12月28日仕事納めの日は大掃除と恒例の餅つきです。
30キロの餅米を、前日丁寧に洗い・水に浸し、朝からかまどで
次から次から蒸かして、つきまくりました。計10回!
 

近所に住む古くからの友人の美術学校の先生も参戦!
雪国出身で昔はかなりの餅つき経験者で是非にと志願。
「耕木杜の杵は大きくて重い!」ふうふう言いながらもさすが、いい音が響きます。

 
アツアツつきたてのお餅を丸める係もハッスルハッスル。
親方に「餅を素早く美しく丸める方法」を伝授されつつも…

 

 

ようやくコツをつかんだ頃に終わるんですよね。
次の年まで体は覚えていてくれるのか!
こうご期待!



餅つきの後の昼食はもちろん餅尽くし。お雑煮・あんこ・きな粉。
自家製の漬物も沢山。
元気いっぱいのこどもたちも遊びに来て、賑やかな仕事納めとなりました。

親方はじめ、帰省しない大工さんたちは、
今回の年末年始も手道具の手入れに励むそうです。

本年もいつも通り、先を見据えて進んでいきますので
どうぞよろしくお願いいたします!

 

(OKAME)

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2017年10月30日

家具製作中

テーマ:工房

毎週のようにやってきた台風に紅葉はすっかり飛ばされてしまい、
晩秋のような眺めの耕木杜です。
ご無沙汰しておりました!

 

親方の工房では来年春に竣工予定のお客様からの注文家具の製作が着々と進んでいました。

毛布をめくるとすでに完成した清楚な楢のテーブルが。

すべすべの木肌にドキッとします。

 

これは 食器棚 造り付けではなく 正真正銘の家具です。

これが二つあるそうで 親方並行して製作中。

親方愛用の箒の柄には畳縁が巻かれていています。親しい畳屋さんから貰ったそうです。

除けずに写してしまいました(笑)

 

そしてこれらはこれからガラスの入る引戸や引き出しになるパーツ群。食器棚2台分

同じ作業はまとめて効率よく出来るように 準備され、

 

それぞれ一枚一枚、一本一本に、細かいホゾや溝が精密に仕込まれています。

気が遠くなるような仕事…

これらがどのように組まれていくのか、親方自ら説明して頂きました。

 

例えば引き出しはこんな具合。

 

後ろの板と右左の板を組み立て…

 

間に引き出しの底の板を組んでゆきます。

気付きましたか!?

そう!引き出しの底は木の伸縮や反りなどの影響を最小限にとどめ、

耐久性を保つため、複数の板を組み合わせていくのです。

木目をうまく組み合わせてあるので、まるで一枚板の様・うーんすごい。

 

それだけではありません。

板と板の間には細い棒を挟んでいます。

 

こうすることで、木が縮んでも継ぎ目に隙間ができるのを防ぐことができるとか。

うーん・なるほど。これは「やといざね」と言うそうです。

 

薄い板に細い溝が付けてあったのは、その為だったわけです!

しかも こんな薄い板にこんなに沢山の溝を正確に作っていくなんてうーん・さすが。

このような細工は引き出しだけにあらず。

 

食器棚の、側面、背面、棚、作業台の板もどれもすべて何枚かの板を繋いだ後に

手鉋で仕上げ、細かいホゾ(出っ張り)とアリ(溝)で頑丈に組み上げています。

 

ガラスの引き戸の枠組みもひとつひとつ、複雑なホゾで組まれています。

耕木杜の家具づくりはとにかく目に見えないところにも細かい仕事の積み重ね。

 

そしてこの様々な細工は、毎回作るごとに改良しつづけられているので、

製作工程を見るたびに新鮮な発見と驚きがあります!

同じものを作っているように見えて、同じものではなかった・・・。

「これまでも沢山家具を作ってきたけど 今回数カ月かけて取り組んできて

自分にとって仕事をするという事は、常によりよい道を探り続けることだ。」と、

親方の深い言葉でした。

 

このような見えない部分の仕事、細部にこそ品格が宿るのだと、

あらためて実感した次第です。

親方曰く、50年後、100年後を見据えてのものづくり。

私的にはこの作業台の引き出しの美しさに驚嘆してしまいました。

 

隣の作業場では 造り付け棚の製作の真っ最中。

親方の眼が光ります。

 

昨日と同じことをしているのでは進歩がない。
日々の積み重ねこそが稽古。
背中の「鉋」にも気合がみなぎるというものです。

 

それにしても久しぶりの青空。
外の作業もようやく捗る。

 

貴重な秋晴れの耕木杜でした。

(OKAME)

 

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2017年09月01日

空間感

テーマ:ごあいさつ

 

ペーター・ツムトアの著書『 Atmosphere』を読み、

心に触れる建物とはという自らの問いに対して、
空間を思考するツムトアの感性に、深い共感を覚えました。


家づくりで最も心を砕くのは、その家がどのような環境の下、どのように使われ、
何が起こっていくのか、ということです。
素材と組み合わせ、光、空気、音、高さ、密度、強度、距離感、内と外との関係性…等々、
建物を構成する様々な要素が

バランスよく響き合うよう洗練された結果がデザインであるべきです。


建築とは建物とその内外全体の空間であり、

そこに入るモノとともに、使われることで生かされる存在。


作り手と使い手が、日々細やかに心を寄せ、空間をとらえる感性を磨き合いながら、
共によりよい建築を探求していきたいと思います。


2017年9月
耕木杜代表 阿保昭則

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2017年08月21日

耕木杜仕様

テーマ:工房

暦ではもう秋、ということは秋の長雨なのでしょうか。
耕木杜もお盆前からずいぶん雨空がつづいていました。

 

湿気が鬱陶しいですが、気分転換には庭を歩くのが一番。
雨の庭は雨ならではの景色の楽しみがあります。

 

こういう色転も紅葉と呼ぶのでしょうか。
深い色合いにハッとします。

 

高湿気の中でも、枯れ始めた枝葉はどこか硬く乾いた感じがします。
ああ、人間と同じなのだなとしみじみ…

 

ご覧ください!イロハモミジの実!

 

蜘蛛の巣は宝石のようにキラキラしていました。
写真には写らないのですが、雨の日は蜘蛛の巣の糸目もはっきり見えるので、
辿っていると時間を忘れてしまします。

 

耕木杜には様々な種類の蜘蛛が暮らして(笑)いますが、今は繁殖期のようで、
ひょんなところに子蜘蛛たちがいたりします。
わかりますか?
小さな粒々の集合体が赤ちゃん蜘蛛たちです!
蜘蛛好きにはたまりません!かわいい!

 

繁殖期と言えば、事務所の勝手口の水がめは、知らないうちにメダカ天国になっていました。

 

さて、お盆休み直前の8/11の事務所のお昼ごはんの様子です。
お休み前にそれぞれの現場に分かれている大工さんたちが全員そろっています。

 

昼食を終えて午後は事務所の見習さんも含めて基本仕様の確認打合せ。
クライアント向けではなく、施工側の基本的な納まりの確認です。
これが今回、親方が全員を招集した大きな目的。

 

ところが・・・・・
2階に上がってくるなり、家具に群がり細部までくまなくチェック。
研究に余念のない人たち。

 

建前は大工総動員で取り組みますが、日々の現場は少人数のチームで仕事をしています。
墨付けをし、現場をまとめていく責任者、その下に中堅、そして見習い大体3名体制です。
高度な技術の習得も大事ですが、窓や屋根の雨じまい、床の下地、本床の貼り方、

ボードの貼り方・各種寸法や材料のことなどなど。 

家づくりの様々な施工の基本仕様を定期的に確認・共有することは、

すべての現場の施工品質を一定以上に保つためにとても重要です。
 

納まりだけでなく、小さいことでは、どういう角度でどういう風に釘を打つと効果的かという基本の基本から、

親方がこれまで培ってきたことを理屈もわかりやすく伝授します。

新人も中堅者もそれぞれの熟練度によって課題はそれぞれあって、

現場で実際に経験したからの質問、

それにどう対処するのがベストかという投げかけも飛び交う情報交換の場でもあります。
 

一つ一つにじっくり解説していく親方。
「解らないことを聞くことも当然だが 解っていることも聞いて確かめることが上達につながる」と一言。

なるほど。
この質疑応答は、違う分野にいる自分にも、ものすごく勉強になりました!

 

約2時間の話し合いの後 各々作業場へ・・・と思いきや!
手にしているのは…大工道具じゃないぞ?

 

翌日からお盆休み、そして大工も勢ぞろい…ということは?

 

BBQでしょう!
今回お肉の調達は親方じきじきの買い出しです。

 

というわけで、可愛いゲストも参戦し、耕木杜の夏生まれメンバーをまとめて祝福しつつ、

日が暮れるまで楽しい時間が過ぎていきました。

美味しいお肉をたくさん頂いたおかげで 夏バテしないで後半も頑張れそうです。
これからも張り切って取材していきます。

 

(OKAME)

 

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2017年07月18日

削ろう会静岡大会レポート

テーマ:お知らせ

 

前回のブログで鉋削り大会前夜の様子をお伝えしておきながら、

大変大変長らくお待たせいたしました!

毎度牛歩のブログ、反省の意を込めて、今回は写真大きめでレポートさせていただきます!

ドン!

いきなり親方の大鉋登場!

同行の弟子たちの証言によると、親方が誰よりも削っていて、すんごく楽しそうだったとのこと。

写真は荒いですが、鉋くずの美しさが伝わってきます。

この大鉋で9μの薄さだそうです!

ううむ。いつもこの鉋削りの副産物を「くず」と呼ぶのにとてつもない抵抗が・・・・。

なにか他に名称があればいいのにと思っていたところ、

 

ありました!

「削り華」と呼ぶそうです!華とはなんともよい!覚えてください、削り華!

大鉋にトライした彼の削り華もきれいです。何者かと思いきや、

どこかで見たような顔。そう、彼も元耕木杜。

 

さて、メインイベント、鉋削りの大会の様子です。

大会は朝9:00にスタートして14:00ごろまで。

まずは予選で、各自用意した削り材(前回のブログで仕込まれていたあの木材)を幾度か削り、

自分の中で「これはいけそう!」という削り華を3回計測します。

その中で一番記録のいいもので競い合い、上位5名が決勝進出。

 

今回なんと、初出場のくノ一遠矢さんが決勝進出!(右から2番目)。

そして、元耕木杜のベテラン大工(今は静岡で独立)加藤工匠さんの姿も。

兄弟対決です!

 

まずは兄貴の工匠さんの削りをごらんください。

削ろう会決勝の常連、貫禄でてます。

決勝は予選とはまた少しルールが違って、主催側が用意した削り材を削ります。

みな同じ条件下で腕を競うという具合。

 

まずは「ならし」といって、削り材の表面をきれいにします。

これは5回まで。

削れていなくても鉋を少しでも動かしたら1回をカウントされてしまいます!厳しい!

 

そして競技としての「削り」に入るわけですが、削っていいのは最大3回。
一度目で競技者が良いと判断すればそれを判定。

2度目3度目とチャレンジした場合は、それ以前の削りの判定は無効になります。

どの時点でやめて判定対象の削り華にするかは競技者の判断。

3回削って一番良いものではないわけです!!!(恐)

 

競技の判定方法は、削り華の幅いっぱいの削りで、

削り華の薄さ、薄さの均一、刃の切れ具合をみられるため、

どんなに薄く削れていても、途中破れたり、欠けたりしている削り華は無効。

 

計測箇所は削り華の中央部で、先・元・真ん中の3箇所で行い、

〇~〇μ(ミクロン!)と表示。

マイクロケージをいう計測器で計測されます。

 

鉋削りの技術を競う競技といっても、手の技術だけで戦うわけではありません。

 

その日の気候や会場の環境(温度や湿度などなど)などによって、

削り材のコンディションも、鉋台のコンディションも、刃の具合も変わってきます。

 

どんなに万端に準備しても、その時その瞬間の環境で、結果は大きく変わってしまう!

鉋削りには魔物が住んでいるわけなのであります。

 

そういった変化をどれほど敏感に察知して対応できるかというのも

技術というか、経験値というか、そういうものなのかもしれませんが・・・

とにかくとても繊細な競技には違いありません。

 

そして結果は、

工匠さん優勝!それも二連覇!!

 

そしてなんと遠矢さん、

途中穴をあけてしまって判定外だったもの、

削りの薄さでは優勝者に並ぶということで、

特別賞を受賞という波乱の展開に!

 

表彰式の様子です。

初チャレンジの奮闘ぶりを認められた遠矢さん。

 

祝二連覇、工匠さん。

 

親方との記念写真(笑)

これも日々の仕事の積み重ね、日々の研鑽の賜物。

ビギナーズラックなんて言わせないで、さらに磨いていってください!

ちなみに親方は競技に参加したわけではないのに、

削ろう会中の技術指導が讃えられて優秀賞が贈られたそうですよ。

 

さて決勝進出を逃してしまった、前回準優勝の札ノ辻要さん。(読めますか?)

今回の写真は彼が撮ってくれたものです!

誰よりも鉋を愛し、誰よりも鉋を背負って生きる男、それが要さん。

 

ほらこのとおり背負ってます。

 

背負ってますから!!

そんな熟練、要さんでもうまくいかないことがある。

やはり魔物が住んでるんですよ!鉋削りには!

次回は秋の全国大会を目指して雪辱に燃えているとのこと。乞うご期待!

 

鉋は大工仕事の一部ではありますが、こうした研鑽の場は素晴らしい機会だなと感じます。

いやはやそれにしても、私たちは削ろう会決勝レベルの削りを、

普段工房で当たり前に見ているわけで、

あらためて、耕木杜の大工さんたちのレベルの高さを知りました。

 

私も自分のテーブルくらい自分で削れるようになりたいと思った次第です。

 

(OKAME)

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2017年06月17日

鉋がけばっかり

テーマ:工房

梅雨の晴れ間の工房より、こんにちは!

 

ただいま工房は建具の鉋仕上げ真っ盛り。

こちらはキッチンカウンターです。

 

定規を置いて表面の凸凹を見ています。

 

こまめに刃を研ぎ直しながら、刃の出具合を調整しながら、ていねいに仕上げられてゆきます。

 

木肌が削られるごとにピッカピッカつるっつるに磨きあがっていくこの爽快感ときたら!!

 

そんな兄弟子の仕事に追いつこうと、妹弟子も必死に鉋がけの修行中。

研ぎ石がずらり。

 

慎重に刃を調整し、

 

丁寧に曳いてゆきます。

 

うまくゆかずに凹んでいる図ではありません(笑)。削れ具合をみているところ!

 

作業場の一角に奇妙な光景を発見!

 

周囲をマスキングした節(ふし)の上から樹脂系ボンドを流し込み、

固まらないうちに気泡を抜いて隙間を埋めています。

 

節は、木材の幹が太くなる過程の中で枝の元の部分が幹の中に包みこまれてできたもの。
板目木取り(丸太材の直径方向と直角にノコを入れて製材)をした場合に、

円形の節が木材の表面に出やすくなります。
節の部分の組織は周りの板にくらべて高密度で硬く、

乾燥による縮みやひび割れなどでこぼれ落ちやすいので、それを防ぐための処置。

 

最近はこの接着剤を使用しているとか。粘土があるので、空気を抜きやすいそうです。

 

乾いてマスキングをはがすと、ボンド部分はキレイな琥珀色に。

この状態から鉋仕上げをしてゆきます。

こうすることで、ひび割れ部分に鉋の刃が引っかかるのを防ぐ効果も。

節あり材にはこんなひと手間も必要なんですね。

 

はがされた方の琥珀です。じゃじゃん。

さてさて、節(ふし)には「生節(いきぶし)」と「死節(しにぶし)」があるそうです!

生死が名称になるなんてっ!

耕木杜の中庭テラスの板材をサンプルにして見てみましょう。

 

これは生節。

生節は枝の元の部分が生きている間に幹の中に枝が取り込まれた時にできたもので、

幹の組織と、枝の組織が繋がっています。

(これはひびが入ってしまっった状態。)

 

これが死節。

枝が枯れた状態の時に幹に取り込まれたもので、幹の組織と枝の組織が繋がっていないので、
節が抜けてしまうことがあります。
別の木材が幹の中に閉じ込められたようなイメージ。

 

ちなみに木質部から浮いた死節などがこぼれ落ちてしまったり、

材を貫通して穴が開くように抜けてしまったものを抜け節と言います。

 

と、ここまでは仕事のレポートでしたが、

工房では今、もうひとつ、静かに盛り上がっている「コト」があります。

それはこれ↓

何をしているかわかりますか?

ビニールシートを敷かれた木箱に何かが詰められていて、上から重しまで。

 

実はこれ、加工済みの檜板が蒸されている状態。

 

明日、静岡で「けずろう会」という、手道具や伝統技術の追求を目的として、

極限まで薄い鉋屑を出すこと競いあう大会が開催されるのですが、

その本番で削る板の下ごしらえ中なのであります!

 

水の張られた流し台にも何やら塊が。

 

本日のリハーサル用の材だそうです。

このところ連日、仕事が終わった後の工房で、遅くまで稽古が積まれていた模様。

本番直前の最終稽古の様子は、のちほどまたレポートいたします。

 

それにしても、排水溝を塞いでいるドラえもんが気になる・・・・

 

(OKAME)

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2017年06月10日

世田谷M邸上棟

テーマ:世田谷M邸

5/22(月)世田谷M邸の建前が行われました。
都心の閑静な住宅街とあって、ご覧のとおりの密集具合。
材料を積んだクレーントラックが今回も大活躍です。

 

操作はやっぱり親方の仕事です。
(そしていつもちょっと楽しそうです。)

 

雲一つないお見事な青空の下、ご家族そろってまずはお清め。

 

今回は三階建てです。

 

朝からじりじりと照り付ける日差しにひるむことなく
早いペースでトントンと組みあがってゆきます。

 

が、足元はこのとおり。
作業スペースが限られているので、材料の置きどころにも工夫してゆかねばなりません!
 

 

まるでそう、テトリスのよう・・・・。

 

梁がいつもよりドーンと大きいのは、
三階建ての木造軸組構造をしっかりと築く為。
 

大きな梁を支えるために、柱の数も増すというわけです。

 

ちょっとわかりづらいのですが、通し柱を少し浮かせて梁を組み…
 

梁と一緒に下に落とす。
こういう段取りがいくつもあり、一つ一つしっかりおさめていくのがとても重要!

 

ワルイ後輩が先輩の頭を狙った、決定的瞬間をとらえました!!
油断も隙もあったもんじゃない!!
 

冗談はさておき、敷地ぎりぎり一杯建物が建つので、とにかく足場が狭い。
足元の安全にもとにかく気を使います。

 

時には肩にも担いで持ち上げます。
ひょいっと持ち上げているように見えますが、ものすごく重いですからね!
下から支える人とのチームワークとバランス感が大事です。
 

確認に余念がない事務所側の現場担当・セーラー久間さん。
大工さんだけでは家は建ちません。
いやそんなことより、注目すべきはお隣とのこの距離感。これが都会の現場です。

 

情熱的な紫外線の洗礼に屈することなく、
むしろスピードアップしてゆく作業の美しいシンクロ。

 

上から

 

下から
 

リズミカルに収まってゆく材料たち。

 

上の人と下の人。
 

「建前で納めない!!」

 

入社したてで早くも二度目の建前を経験したニューフェイスは
二ヶ月の間にぐっと大工らしい体になっておりました。
と書いておきながら、お尻の写真ですみません。

 

細い足場の上でこんな重作業を・・・。見ている方がドキドキします。
彼がこの建物の大工の責任者。全体の工事の大半を占め、
ほかの業者さんとの絡みも多い木工事。
墨付けからはじまり、耕木杜では作る事の多い造作家具まで
木工事の全てを、責任もって進めていきます。

 

危険はいつもすぐそばにあるの図。頭の上にも気を付けて!
スペースが限られているので、いつも以上に細心の注意が必要です。

 

家の様子が見えてきました。

 

かゆいところに手が届く、縁の下の力持ちは建築士の植松さん。

 

もくもくと養生シートを広げている事務所側の現場担当・セーラー久間さん。
いやそんなことはより、注目すべきは足場板の距離感!密度の高い都会の現場。
とっても隣が近いのです。
迷惑をかけないように、養生シートもかかせません。

 

一階部分が組みあがりました。
そしてご覧ください。憎らしいほどの青空。日差しが益々強くなってきました。
 

二階部分の組み上げに取り掛かります。

 

一通り柱が立ったところで…

 

基礎工事を担当してもらった頭(かしら)が上棟のお祝いにかけつけてくれました。
東京で三代目のとびの親方です。
建主さんに準備いただいたお赤飯を一緒にいただきました。
ようやく日陰ができて、ほっと一息。

 

一階の梁の上に足場用の合板を敷き、足元の安全を確保します。
さすがの猛暑にだいぶ消耗されているはず。
気持ちを入れ替えて、安全運転で午後の作業再開です。

 

大工さんたちが朝より黒くなったような気がします。

 

しつこいですが(笑)この足場板の細さ。
撮っていても足がすくみます。よくぴょんぴょん動けるなあ!

 

二階の梁は、一階部分の梁よりも少し細くなりました。
見比べてみてください。

 

足の踏み場もないというのはこういうことをいうのでしょうか。

 

パズルのように材料が積まれ、パズルのように組みあがってゆきます。

 

安全運転と言えども、テンポよく進んでゆく仕事。

 

掛け矢のリズムも気持ちよく。
二階の梁全体がわかってきましたが、三階建てなので作業はまだ中盤。

 

まるで迷路のようです。それも落とし穴だらけの。

 

二階部分が組みあがりました。

 

床から見上げるとこんな具合。

 

今日の作業はここまでです。お日様も西に傾きました。
働きづめだったクレーンもようやくお役目を解かれてほっとした様子(笑)
 

ここは三階です!

 

棟はまだ上がりませんが、建主さんに三階へ上ってもらい、上棟式を無事執り行いました。
おめでとうございます!
 

賑やかな直会の様子。
みなさん炎天下、本当にご苦労さまでした!

 

さて翌朝、三階部分が立ち上がるのを見届けようと勇んで来たら…

 

とっくに棟が上がっていました。

 

屋根になる箇所を裏側から眺めた図。日陰に置かれているのは給水クーラーです。
水分補給とっても大事!

 

ご覧ください、屋根のこの急勾配!
垂木が渡ったら、もはや巨大な滑り台。

 

想像しただけで足が震えます。

 

ここはさしずめジャングルジム(違)。

 

屋根の傾きもきついので、上に登ってって作業するときは、命綱をつけないと、
と担当大工が言っておりました。

 

二階三階部分を見上げた図。
とんがり屋根の家、これからどんな姿になるのかを楽しみに、
またレポートしてゆきます。


(OKAME)

 

 

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2017年06月09日

かんな削り体験教室

テーマ:お知らせ

はじめまして。遠矢といいます。

大工見習い2年目のくのいちです。

 

今日は、耕木杜のブログでも紹介されている、6月4日(日)に東京で行われた第10回江東区環境フェアにて

子どもたちのかんな削り体験教室に実演講師の依頼を受けた親方に同行してきましたので、ご紹介させていただきます。

 

会場はこんな感じです。

 

うまと呼ばれる2つの台に、堅木の削り台を乗せて固定。

削り材はあぶらの乗った青森ヒバ!

使ったのは寸八と寸四のかんなです。刃の大きさで呼び方が変わってきます。

私の仕込んだ寸八も一丁忍ばせていましたが......あとはすべて親方が砥いで仕込んだかんなが20丁あまり!

 

前日親方が刃を砥いで台直しをしていましたが一つの台をなおすのに長くて2,3分?!

無垢でかなりくるっている台もあったでしょうに......親方に聞くと、だって見るところこことここしかないじゃない。なんで難しいかなぁ......と逆に頭を悩ませてしまいました。

親方......親方の簡単はなかなか簡単にはいかないのです......!

 

こんな小さな子も。

 

女の子もたくさんいました。

将来のくのいち大工がこの中に?!

 

親子で参加された方もいました。

お父さんさすがです!

 

はじめて見たかんなくずに目が真ん丸!

くずとは言えどもかんなのくずは、これで花を作る人がいるほどきれいなものです。

もちろんきれいなかんなくずを出すのには、きちんと調整されたかんな台と砥ぎ上がった刃、ちょっとしたコツが必要ではあります。

 

朝の10時から夕方の4時まで、5回に分けて行われたのですが

毎回たくさんの子どもたちが遊びに来てくれ、総勢150人以上の子どもたちと一緒にかんな削りをすることができました。

 

 

 

休憩の時、調整していたかんなでおもむろにかんなくずを薄くし始める親方。

刃が切れないなぁと言いながらも10ミクロンは切っているきれいなかんなくずを出すものですから

通りすがりの方々から「おおおっ」と声が上がり、子どもたちはかんなくずの取り合いに......

あの透き通ったかんなくずはいつ見ても美しいものです。

 

 

無垢の木に触れ自分で削り、木のいい香りのするかんなくずとつるつるになった木の表面を触って

子どもたちは目をキラキラとさせ嬉しそうにしていました。

親方の透き通ったかんなくずを袋に集めて、ぼくこれ一万で売る!と言い出すお茶目な子も......(笑)

 

子どもたちの、目の前のものに一生懸命で無邪気な笑顔と素直さに

わたしも親方と初めてお会いした時の感動と情熱を忘れてはいけないなぁと

たくさんの学びとエネルギーをもらうことができました。

 

 

 

たまにお父さんとお母さんからもやってみたいと声をかけられ、お子さんと一緒にかんなをひいた方もいました。

かんなは簡単に言うと、右手で台を押さえて、左手で体重移動をかんなに伝えて後ろに引くというものなのですが

このお二人は素敵なコンビネーション技を披露してくれました!

お子さんの小さな手からぎゅっと安定した圧と、お母さんの丁寧な引きできれいなかんなくずが!

 

大人になってもこの木のぬくもりを覚えていてほしいものですね。

 

 

無垢の木はたとえ表面が汚れたり傷ついたりても、かんなで削ればまたきれいによみがえります。

長い時間がたっても、人が気持ちを込めて手入れをしていけば、良いものは味わいをのせながらより長く生き続けることができるのです。

 

たくさんの物が生産され消費されている身の回りで、つい使い捨ての便利なものを買ってしまうこともありますが

親方や耕木杜の方々と出会い、毎日無垢の木と格闘しながら自分の手で仕事をするということを学んでいるうちに

良いものを長く使おうと自分の買い物を見直し始めた今日この頃です。

 

 

これからも親方のもとで日々精進します!

 

tooya

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2017年06月01日

ある日のBBQ

テーマ:工房

あっという間に(って毎回書いている気が・・・)6月です!

今朝はモミジが一カ所だけ鮮やかに赤く色づいていました。

親方曰く、この枝はなんらかの理由でもう枯れそうな枝なのだそうです。

栄養を届けなくなると光合成がとまって赤くなるのだとか。

人の身体と同じで、木にも日々色々なことが起こっているのですね。

 

さて、話はまるまる一ヶ月遡って(笑)、GW前の5/1、

工房に珍しく大工さんが揃っていたので、お昼にテラスでBBQをやりました!

何やら神妙な顔つきで肉の塊を焼く人たち。

 

ただの肉ではありません。

上質な猪肉です!ジビエです!

 

王道の塩コショウの他にもこんなバリエーションもあったり。

とにかく美味しい肉がお腹いっぱい食べられるとあって、

 

そりゃあテンションも上がるというもんです。

建前並みの手際のよさ。

 

美味しい塊肉のほかにも、じっくり煮込んだカレーやスープも!

 

そしてこのロケーション。

これを贅沢と言わずして、何を贅沢といいましょう。

 

顔より大きな肉にかぶりつく耕木杜のクノイチ。

男顔負けのよい食べっぷりでした(笑)

 

さてこの日は5/22の建前の追い込みで全員勢ぞろいしていたわけですが、

建前の様子は数日後に!

 

(OKAME)

 

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