昨年11月、X(旧Twitter)で、泥だらけのバケツの上に置かれたノートの画像が筆者の目にとまりました。
ノートには、黒のマジックペンで、こう書かれていました。
《日本人、過労自殺が多いと聞いた。死なないで欲しい。仕事は辞めていい。世界はとても広い。アフリカに来い》
一見ぶっきらぼうですが、不思議と温かみも感じられる文章。投稿主のアカウント名は「kongbo」(コンボ)。
カメルーン西部のデュラという農村から発信をしているようでした。
【出典withnews】
この投稿には、感謝のコメントが相次ぎました。
それ以降も、コンボさんは日本人に向けて様々なメッセージを発信し続けました。
《日本人、今日も労働お疲れ様。あなたはとても頑張った。家でゆっくり休んでください》
いったいなぜ、会ったこともない遠い島国の私たちに心を寄せ続けてくれるのでしょうか。
本人にオンラインインタビューで聞いてみたいと思い、X上で依頼すると、「クール!!会えるのを楽しみにしているよ!!」と快諾してくれました。
なぜ自分たちより裕福な環境にいる人たちが、ここまで悩んでいるのか。ショックを受けました。
その後、YouTubeに《生きることがしんどい日本人へ》と題した12分間弱の動画を配信しましたね。
思った以上に悩んでいる日本人が多いと知り、動画でも励ましたいと考えました。
英語の語りに日本語の字幕をつけて、自分たちの村について「お金がなくても楽しく生活している」「貧しくて一番幸せな場所」と説明しました。
そして、「挫折や失敗は全ての終わりではなくて成功の始まりだと、アフリカ人は信じている。つらいことがあっても、自殺を選ばないで」
「日本が合わないなら、アフリカに来い」と呼びかけました。
本当にアフリカに来るかどうかは別としても、世界を見渡すくらい視野を広くしてほしいという意図がありました。
日本人は勤勉で、朝から晩まで必死に働いています。
あとは、「失敗したくない」と怖がる日本人も多かったです。
日本社会は戦後、成功が全てだと信じ、成功を追い求めてきました。これは日本が発展できた原動力ですが、大きな問題があります。
成功したら称賛されるのは良いことですが、失敗した時に励ましてくれる人はいるのでしょうか。
私たちのデュラ村とは対照的です。
貧しく、いつも順風満帆ではないと覚悟しています。
失敗の可能性を受け入れた上で、その先に成功があると信じているのです。
――日本の視聴者に伝えたいことは?
人生の成功や幸せとは、上っ面の美しさ、つまり金銀財宝に囲まれることではありません。
日本人は失敗が悪いことで、成功が全てだと信じていませんか?
デュラ村では毎日のように停電が起き、安定したインターネットがないそうで、今回のオンラインインタビューは都市部で対応してくれました。
インタビュー後、コンボさんや仲間たちはマラリアに感染して命の危機に瀕し、経営する養鶏場には強盗が入りました。
常にさまざまなリスクが隣り合わせにあるデュラ村の人々にとって、トライ&エラーは当たり前のことです。
私たちは恵まれているがゆえに、転んで痛い思いをすることを極端に避けようとしているのかもしれません。
コンボさんは「失敗は悪」との思い込みが自殺につながっていると指摘した上で、「失敗は全ての終わりではない、他にも色々な選択肢があると気づいてほしい」と訴えています。
そんな思いが「アフリカに来い」というストレートな言葉につながっているのでしょう。
ちょっと元気が出ないとき、ひどく落ち込んだとき。コンボさんの言葉を見返すと、色々なヒントがもらえるかもしれません。
【出典withnews】
以上となります。
コンボさんのおっしゃる通りです。
大切なことが
たくさん書かれてありました。
コンボさんありがとう。