片側巨脳症の息子の振り返り記事です。
今回が最終回です。

前回はこちら
最初からはこちら


手術して間もない人もいると思います。
片側巨脳症という病気は、
後遺症の半身麻痺もあるけれど、
知的障害もあります。

ひとつの事ができるようになるまでの
苦労や努力は一言ではいえません。

それでも、術後11年たった今、
できることは増えています。
最後に今できることを書こうと思います。
皆様の参考になれば幸いです。


食事

普通のご飯を食べています。
唐揚げとかも余裕です(笑)
お餅は、飲み込みが心配なので
一口サイズに切って、
切り餅一個を8等分した程度
だと食べられます。 

スプーンだけじゃなく箸も使えます。
練習はかなりしました。
ラーメンの麺とかは、
箸というより、顔で引っ張ってるけど…
でも、箸だけで最後まで食べられます

食事の時は、介護用品売り場で
見つけた、滑り止めマットをしいて対応

お皿は平皿だとすくいにくいようだけど
小鉢のように少し縁があるものだと
外食先でもマットがなくても
たべられます。

色々と工夫して探して、
ようやく獲得します。

できるまでは結構な
労力と時間を使います。


右手を意識させるため
テーブルの上にあげるように
言ってあります。

時々、汁物に右手が引っ掛かるので、
熱いものを右手の横におかないように
しています。
でも、概ね一人でたべられます。



着替え

着替えは、立ってパンツは履けないので
補助してますが、あとは一人で
着替えられます。

靴下もかかとの認識がイマイチで
無理やり引っ張ってビリっと…
穴あく率は若干高めですが
それでも左手だけで一人ではけます。
これもだいぶ練習しました。

無地の下着など、裏表がわかりにくい
素材のものは、時々迷っていますが
一人で着脱できます。

ジャンパーなどは必ず麻痺側の
右手から通すように教えました。
そうしないと着れないので。
このあたりは、支援してくれる人たちにも
必ず伝えています。
ジッパーは、いまだに片手では厳しいですね。

ズボンは以前、ゴムのものばかり
探していました。
からだが大きくなり、
子供サイズはサイズアウト。
今はメンズのMサイズです。


メンズになると、
ゴムのものが少なくなり
普通のジッパー+ボタンタイプの
ズボンをはいています。

ジャージではなく、
今後大人になった時に困らないように
普通のズボンで向き合いました。

ボタンズボンをはけるようになるまで
かなり苦労しました。
右手は押さえることすらできないので
もちろん、すべて左手のみです。

私、自分は片手ではできない気がします。

無理じゃないか…と諦めかけた時期も
ありましたが、車イスの業者さんに
言われたんです。

親が工夫して、
使いやすく加工してしまうと
今後も加工しなきゃならなくなる。

市販のが使えるように、あるもので
練習させた方がいいと。 

その言葉を心にとめて、練習させた結果
今は器用に一人ではけるようになり、
ベルトも出来るようになりました。
もう、スムーズにはけてます。

息子の努力の賜物です。
おかげでズボンの選択肢が
すごく広がりました。

それでも、装具が入るように裾が
タイトじゃないもの。
ストレッチがきいていて、
股関節に負担が
かかりにくいものを探します。

試着も大変なので
合うのが見つかったときはいつも
まとめ買いです。
中学生で制服じゃないのって
結構お金かかります。。

靴もひとりではけます。
あ、ひも靴ははけないので、
マジックテープですが。

装具用の運動靴はかぎられているので
そろそろひも靴の工夫を考えたいです。



トイレ

トイレは、一人でいけます。
知的の支援学校にいたときに
先生方がすごく努力してくれたんです。

ズボンを全部下げて、おしりを丸出しに
してしまうと、のちのち困るから。
おしりを出さないやり方を。

女性の私には気づかない視点で
本当にありがたかった。

おかげで、身障者トイレが
混んでいたら、おしっこだけなら
一人で普通の男子トイレに
入れます。

排便のふきとりは、練習中です。
だいぶ出来るようになりましたが、
意外とトイレットペーパーを
巻き取るのが難しいんですよね。
でも、もうあと一歩のところまできています。



風呂と階段

お風呂は絶賛練習中。
片手で、洗髪します。
体を洗うのも片手。

麻痺の右側は洗い残しがあるので
声かけが必須。
片手じゃさすがに難しい
背中と左腕は介助してます。

浴槽には手すりをつけて自分で入れます。

ちなみに階段は手すりをつかって登れます。
降りるときは転倒が不安なので
おしりをつけて降りてます。


学習面

気になる学習面ですが。
今は小2程度の学習です。
昨秋、漢検10級(小一程度)に合格しました!
ほぼ満点に近い点数でした。

算数は、たしざん、ひきざん、かけざん
割り算に筆算も可能です。

時計も読めます。

買い物はまだまだ練習中です。
お金の計算もそうですが、
そもそも財布を片手って難しい。。。



運動面

片手で両手用の車イスを
器用に動かせますが、左手の負担が半端ない。
片手駆動は側彎を進行させるかもと
いうことで使っていません。

両手用の車イス、
片手で、長距離は難しい。

今、ようやく電動車イスの作成中です。

長距離は歩けない
片手なので、自分で動かすのは限界がある。
大きくなれば、一人での行動を求められる。
このままだと、高校の選択肢も
狭くなるから。

一人で動ける範囲が広がれば
世界も広がる。
外遊びが少ないから
経験値がどうしても低いです。

体験できることで理解できることは
あると思うので、機会を増やすことを
考えたいです。

様子をみていると、もともとは
きっと、運動神経がいい子なんでしょう。

雪だまの遠投は私より飛びます。。
なぜか家族で私が一番下手。。
ゴロ野球やれば、ホームランもでます。

麻痺があるのに、縄跳びを左右に揺らせば
タイミングを合わせて飛べます。

運動系の呑み込みは早い。
でも、実は意外とここでも片手って
ネックになります。

競技用車イスにのっても
片手のみの子って意外と少なくて。
歩けてもサッカーとかを
独歩でやるには危険が多い。
車イスなら、片手の負担が大きい

半身麻痺に知的障害
それぞれだけじゃなくて、合併障害。

やっぱりハンデは
重いんだなぁーと時々、しみじみします。

手術したことは全く後悔してませんが

手術+後遺症は、
そんなに簡単なことじゃない

っていってた、東京のO先生の言葉が
思い出されるときがありますね。


最後に

小さな時は体の発達、言葉の発達で
一喜一憂してました。
大きくなって、振り返れば
色々と楽になった部分もたくさんあります。

でも、大きくなればなったで
新たな問題もたくさん出てくる。

学校にいっている時間は
人生の中でほんのわずかで
守られた時間です。

大人になるまでに
助けてもらえる環境をととのえること 
助けてほしいと言える力をつけること
学力も大事ですが、 
自分で生きていける力を
少しでもつけること。


14歳の今、本当にそういうことが
課題だな思います。

片手が使えないから
本を読むのも、疲れ飽きやすいです。

TVばかりみている生活は無機質だから。
本人が楽しんでできる趣味や
友人と楽しい生活を送れるように
親としては見守っていけたらいいなと
思っています。


息子の振り返り記事が
思ったより長くなってしまいました。
また、時々登場させると思いますが、
メインで書くのは一旦終了します。

なお、このブログの投稿のあと、
息子の振り返り記事より
以前の記事は
アメンバー限定に変更させて
いただきますので、ご了承ください。


息子のこともあるけれど、
たった一度の人生。
これからは、私自身も輝けるように。

パーソナルカラーリストの資格を
とるために勉強をはじめました。

次回からタイトルを変えようと思います。

子どもにハンデがあると、
制限されることは増えると思います。

でも、子どもに病気や障害があっても
母親の自分も輝いてもいいんだ。
そんな、勇気や希望がもてる
ブログにできたらと思っています。

皆様、今後とも
どうぞよろしくお願いします。