大平山の植物⑥~イワオウギとタイツリオウギ | 野草閑話~孝遊子

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大平山の植物⑥~イワオウギとタイツリオウギ


大平山の高山帯には、2種類のオウギ~イワオウギとタイツリオウギとが生育し、しかも混在しているのです
が、不思議なことに山麓の林道沿いにはイワオウギしか生えていません


まずは2種の比較(左~イワオウギ、右~タイツリオウギ)
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 イワオウギは、葉の先が鋭く尖ること、花の色は白色、豆果にはくびれがあるのに対して、タイツリオウギは、葉の先は円頭、花の色は淡黄色、豆果は大きくふくらむことなどの違いが見られます。


イワオウギ
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イメージ 4 本州中部では高山帯の岩礫地や荒原に生育する背丈15~30㎝の多年草ですが、後志、特に雷電海岸では、崖地や岩上、草原などでも見られます。
 漢方薬の黄耆(おうぎ)に似ていて、岩上などに生育することから命名されました。黄耆の代用として薬用にすることがあると言いますが、真の黄耆は日本には生育していません。
 根茎は太く、、群がって茎が出ます。
 葉は根元から沢山出て11~25枚の小葉に分かれています。
 花は蝶形でぶら下がり、穂になって付きます。
 実は鞘になり、途中でくびれるのが特徴です。
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タイツリオウギ)
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イメージ 8 高山の岩地などに生育する背丈40~80㎝の多年草です。
 「鯛釣黄耆」で、果実がつり下がった様子をタイ釣り見立てての命名です。
 オウギとは、漢方薬の黄耆(おうぎ)に似ていることから命名されました。真の黄耆は日本には生育していません。
 茎の上部や葉の裏面には白い軟毛があります。
 花は淡黄色で、果実(豆果)が熟すると大きくふくらむのが本種の特徴です。
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〔撮影:北海道島牧村大平山 2008.8.6〕