自己満創作小説。

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登場人物


◎山田 美玲(やまだ みれい)
 どこにでもいる普通の女子。趣味は絵。美術部。地味。
 将来の夢は漫画家だが、公務員になろうと考えている。
 名前と自分のギャップがコンプレックス。 
 自分を地味だと思ってるので可愛いものを無意識に敬遠する。
 裕也と出会ってから色々と気苦労が絶えない。

◎斉藤 裕也(さいとう ゆうや)
 いつも目立ってる学校の人気者。
 自他共に認める端麗な容姿で女子からの支持を得ている。
 自分になびかない美玲に興味を示す。

◎木下 藍華(きのした あいか)
 美玲の友達。


※現時点での登場人物。

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放課後。

美術部員の私は、ひとり美術室へ向かう。

藍華ちゃんは帰宅部なので他の子と帰っていった。



「今日は何の絵書こうかな…」


渡り廊下を渡って美術室へ向かおうと歩いていると、下から何か煙臭い臭いを嗅ぎとった。

恐る恐る下を覗いてみると


そこには、う○こ座りで煙草を吸う王子がいた。




「あ…」


「あっ」


思わず声を出してしまった私は、その場を走って逃げ出した。


まさか、先生からも信頼されている、あの斉藤裕也があんなところで煙草を吸っているなんて。




「見なかったことにしよう…!!!」

走りながらそう呟いていると、目の前に人が現れた。



「おい」


「!!?」


その人は、あの斉藤裕也だった。


「お前、今の見たろ。」


「い…今のって…?」


とぼけてみると、相手の顔がさらに険しくなった。


「とぼけてんじゃねえよ。見たんだろ?俺が煙草吸ってんの。」


「みみみみみ見てないです」


「嘘つけ。目ぇ合っただろ。いいからさっきのは黙っとけよ芋女。」


い…いもおんな?




この瞬間、私の中の何かが切れた。




「…ざっけんな…」


「あ?」


「誰が芋女だふざけんじゃないよ!!たしかに私は地味ですよ!!

彼氏もいたことないですよ!!!でもね、あんたなんかにそんなこと言われたくない!!

大体あんたがあんなところで煙草なんかスパスパ馬鹿みたいに吸ってんのが悪いんでしょ!!?」


「お…おい…」


「煙草吸うならね、もっと分かりにくいところで吸いなさいよ馬鹿じゃないの!!?

見た私が悪いんじゃないわよ、あんなとこで吸ってるあんたが悪いの!!わかった!!?」


言いたいことを言い切った私は、息を整えるとともに思考を再始動させた。


そして、自分がとんでもないことを言っていることを理解した。



「あ…す、すみませんでした…」


恐る恐る相手を見ると、王子は見たこともないような綺麗な微笑みを見せた。




「お前、明日から覚えとけよ。」



私は目の前が真っ暗になった。





私はこれからも地味に生きていくんだと思ってた。


普通に大学行って、普通に就職して、普通に結婚して。


これからも普通に生きて、普通に死ぬんだと思ってた。


そう思ってたし、そうなることに不満はなかった。





―――なかった…はずだった。







「美玲(みれい)!!」


「藍華(あいか)ちゃん…」


休み時間の教室。

自分の席でぼーっと物思いにふけっていた私の目の前に突如現れた女の子。

友達の藍華ちゃんだ。


「どうしたの藍華ちゃん。」


「さっきね!!!さっき、裕也(ゆうや)と話したんだー!もうほんと超かっこよかった!!」


「また斎藤くんの話か…ほんとに好きだね藍華ちゃん。」


「だってほんとイケメンだし、最近また雑誌に写真載ってたんだよ!?そりゃ好きにもなるって。」


「まあそりゃあかっこいいけどさ…」


藍華ちゃんは、斉藤裕也という男の子にご執心だ。

斉藤裕也とは……私の通う学校のアイドル的存在だ。

女子からの人気はもちろん、男子の友達も多い。

おまけに勉強も常に上位だし、中学の時陸上かなんかで県一位になったこともあるらしい。


まあ要するに…王子様。


私みたいな地味な…庶民には、話しかけることなんてできない。

まあ話しかけようなんて思ったことないけど。


「もーめっちゃかっこいい…彼女になりたい…」


「やめときなよ。斉藤くんの彼女なんてなってみなよ、すごい目に遭うよ。」


「…まあアイドルみたいなもんだから遠目から見てるだけで満足ということにしとくか…。」


さっきまで目がハートだった藍華ちゃんが静かになる。

それもそうだろう。

この学校には『斉藤裕也親衛隊』という、誰が始めたのかわからない団体がある。

斉藤くんの彼女になった人はもれなく、その団体からの徹底的ないじめにあう。


それが怖くて、ここ一年、斉藤くんの彼女に名乗り出ようとする人は現れなくなった。


まさにアイドルだ。





「そこまで必死になって、みんな斉藤くんをどうしたいんだろうね。」


私はしずかに窓の外を眺めた。