(2023) イチケイのカラス

SPドラマ版は熊本と東京、映画では岡山、と場所は違えどお馴染みのメンバを上手く登場させて空気を掴む、という感じでしょうか。

少ししか登場しないものの、山崎育三郎演じる検事が良い雰囲気を作り、黒木華演じる堅物の裁判官が「他職経験制度」により弁護士を務め、竹野内豊がお馴染みの裁判官というドラマ版とはちょっと違ったシーンが垣間見えます。

この映画版は、工場があるから町として栄える古き町が舞台でした。大手企業の工場があるから賑わいがある町というのは多々ありますが、商店街がこうも賑わいを見せるのはやや珍しい気がしますが、その辺はフィクションということで。

工場の土壌汚染問題が発端となり、それを町の為に隠蔽し続けたことで、町に住む誰かの人生を歪めてしまう。そんな現状を坂間千鶴が弁護士として町へきたことをきっかけに歪んだものが瓦解していく様を描いています。そのまとまり感が良い映画だったなと思えるものでした。

ドラマ版があっての劇場版ではありますが、ストーリーとしては劇場版の方が好みだったかもしれません。

 

(2023) カラダ探し

橋本環奈主演で劇場版になると聞き、原作一気読みしました。

ということで、大まかな流れとか諸々は把握しましたが、劇場版という短い枠にどう収めるのか?!が気になる点でした。原作はそこそこ長いので、第1ターンまで行けば御の字のイメージです。

劇場版自体はその第1ターン分、第一夜編をメインとして、繰り返される同じ日の出来事から少しずつ変化を遂げ、日常はカラダ探しのメンバで青春を、夜0時になればカラダ探しをという流れでした。原作のあの怖さはどこにもありません(笑)

あれを再現するには無理があるので、仕方ないと言えば仕方ないのでしょう。そもそも収まらないし、鍵となる人間関係自体も描き切れないから、思い切って変えたのだと前向きに捉えるべきかな。

メインの明日香を橋本環奈が演じていますが、カラダ探しが終わればその記憶は消える、ということを知った上で、「第一夜」のあのラストを再現するのか否か、少々ハラハラしましたが、ホラー要素が少なく、原作よりも恋愛要素を入れ込んでいるのでそちらで落ち着きました。個人的にはあの絶望でも良かった気が…とすると完結しないのでやはり無理なのでしょう。

個人的なイメージとして、赤い人が思っていたよりも大きい子だった。ぬいぐるみが暴走する。放送室がそもそも解禁されてしまっている。八代先生、存在感ありすぎ(笑) と大きく違うので、ホラー映画としてのギャー!!は一切ありませんでした。原作読んでいた時の方がハラハラしていた気がします。

ただ、ホラー映画は気分が変わり易いので、イライラしたりしたら見ちゃいますね。気分転換に最適では、と思っております。