(2007) 吉祥天女

天女の羽衣伝説を背景に名家で起こる事件をヒロイン小夜子を中心に描くストーリー。昭和59年に最終巻4巻目が出ているのですが、この作品、上手いから色褪せないし、今読んでも十分に面白い作品です。

鈴木杏で映画化していますが、個人的にはTV版の岩田さゆりの方が和風の雰囲気があって好きです。鈴木杏だと違和感があります。目がクリクリし過ぎるのかな、目力が強すぎて儚さが出ない。TV版はおぼろげな記憶しかないのですが、和風な岩田さゆりをメインに押さず、ミステリアスな「雰囲気を演出」することで推し進めていた気がして、なぜ原作の、女性としての弱さを秘めつつ芯の強い女性像を浮き彫りにしないんだ!と不満があった記憶があります。その後も「闇のパープルアイ」とか原作殺しが続いていたような?

原作だと次々起こる事件ですが、映画版は派手さを取って銃のシーンとか前倒して使われているものの最終的には同じところに落ち着いていました。

大筋を違えない点は良いけど、小夜子という不思議な雰囲気をもち、天女の伝説をモチーフに描く難しさを感じます。原作が良すぎると実写化が難しいのは今も昔も変わりませんね(笑)

 

(2021) キャラクター

菅田将暉主演の漫画家と殺人鬼のお話です。

キャラを上手く生み出せない欠点を持つ、人が好過ぎる漫画家が、ある殺人現場で殺人鬼を目にしたことから人生を変えていきます。この漫画家が描くものが、殺人鬼によって実際の事件として起こっていき、小栗旬演じる刑事がその漫画が事件とつながりがあるのでは…という流れで進行します。

おぞましくも繰り返される凶行と謎めいた殺人鬼の正体。

最後の裁判シーンで殺人鬼が、自分は誰なのか、というセリフから、戸籍のない人物であるが故に求めたキャラクターということなのかな?という感じもするし、ただの猟奇的な人物だった気もする。ただ、そんなに興味が惹かれるキャラではなかったかなと思ってしまいました。

刑事や漫画家が襲われるシーンは、グロイのでギャーという感じには陥りますが、作品自体は一度見たらそれで終了です。

 

(2022) xxx HOLiC

CLAMP原作ということしか知らないので、原作とどう違うが全くわらかないのですが、蜷川節の映画だなというイメージだけでした。

オロオロ系の神木君から始まり、艶っぽい神木君で終わるという不思議の流れですが、侑子さんを演じる柴咲コウは、こういう柴咲コウも良いなと前向きに捉えてます。CLAMPキャラは足長キャラなので日本人には厳しいけど、まぁこれもこれで濃いメイクの柴咲コウを鑑みた感じです。衣装はヘア飾りを含め重そうだし、厚底ヒール履いていた侑子さんだったけど。個人的にはCLAMPが厚底履くイメージがない(笑)

女郎蜘蛛役はなんと!吉岡里帆!!

これが噂の巨乳ちゃんなのか…さんざん出し惜しみして今なのか(苦笑)という感じでした。基本コスプレなので吉岡里帆という感じが薄いのですが、もう少し若い段階で出してほしかった露出なのでした。残念。

余談ですが、橋本愛演じる座敷童が作中一番可愛かったです。これ見られただけで良かったよ。