軍足デビューである。
軍足とは、5本指の靴下のこと。
しかし、まさか私が軍足を履くとは・・・
何年前になるだろうか?
どうしても会って欲しいと、突然仲人を業とするおっさんから電話があった。
人見知りである。
転勤でも体調を崩すし、精神的にも情緒不安定が半年続く。
そんな私が見も知らぬ人と会って何を話すというのだ。
あまり結婚に興味がないのですみません。
こんな断り方をしたら、興味がないだと!!と怒り出して電話を切るに違いないと目論んだ。
ところがこのおっさん、なかなか話の通じない人のようで、粘る粘る。
結果としておっさんの粘り勝ちである。
公務員だという2歳か4歳ちょっと忘れたが、そのくらい上の青年とおっさんの家で会うことになった。
嫌だと愚図った割りに約束の10分前には到着し、初めて会ったおっさんにご挨拶をし、
応接間に通され 相手が来るのを待った。
間もなく到着し、白いポロシャツに紺ブレで お前はウィリアム王子か!と突っ込みたくなるのを
ぐっと堪え、初めましてと頭を下げた。
その時見たのが軍足だ。
噂には聞いていたが、初めて5本指の靴下を見たのだ。
その驚きとは言葉にできないほどだったのだが、考えてみたら見合いの席でこの靴下って。。。
そう思い始めると、こいつおかしない??と頭の中をこだまする。
当時の軍足は、工事現場の作業員とかが水虫防止で履いているという噂だったのだ。
しかしこれは私にとって好都合で、見合いを断る口実になった。
親にもおっさんにも、見合いの席で5本指の靴下履くのって・・・と言いまくった。
しかも双方が、これに賛同したのだから話は早い。
2回会って3回目も、という前にこの話はなくなった。
時は流れいつしか5本指の靴下は、デザインもかわいくなり女の子の間でも
人気を博した。しかも指先が温かいというではないか。
ちょっと試してみたい・・・そんな気持ちが芽生えた。
しかしあんなことを言った手前今さら平気な顔をして履くわけにはいかないと、
靴下売り場で手にとっては戻し、友達が履いているのを見ては「それええの?」と聞いてまわった。
そんな私がついに軍足デビューを果たしたのだ。
どんなに勇気がいることだか分かっていただけただろうか?
本日の朝、その時を迎えた。
恐る恐る足を入れてみる。
ふ~んこんな感じかぁと足を見た。
なんかおかしい。
見慣れない靴下の形のせいかと思ったがどうやら違う。
なんだ??とよく見たら、中指と人差しが同じところに入っている。
うわっ、これめっちゃ難しいやん!
それから指一本ずつを所定のところに収める作業をした。
しかし、まさかこんなに難しいものだったとは・・・
今、無性にその彼に履かずに馬鹿にしたことをお詫びしたい気持ちでいっぱいだ。
なんでもやらずに判断してはいけない。
話さずに相手を決めつけてはいけない。
噂で人を判断してはいけない。
この靴下から学んだことだ。
そしてなにより、この靴下なかなか良いね。
マルナカで3足980円。
履いたことのない人は試してみて下さい。一発で履けたら天才やで(笑)
