ウズラ・ハト:
みなさんこんにちは!
ウズラ:
今回の「ウズラとハトの東京ほどほど散歩」も散歩をしておりません。
ハト:
どうしちゃったんでしょうかねぇ。
ウズラ:
また他人事みたいなこと言って。まだ緊急事態宣言中ですからね。
今回はね、また歩きたいあの街この街と題しまして…
ハト:
お便りを募集しますか。
ウズラ:
しませんよ。
僕たちが話をするの。思い出話ですよ。
ハト:
でもさ、思い出とか記憶って形が変わるでしょ。
ウズラ:
確かにね。
ハト:
記憶ではゆうべ天丼食べたのに、ほんとは牛丼食べてた、とかさ。
ウズラ:
変わり過ぎでしょ。それに、いつ気付くの? ほんとは牛丼だったって。
ハト:
紅しょうがの袋がテーブルの下に落ちててさ、それを見つけた時とか。なんで紅しょうが? そうか! ゆうべは店で天丼食べたと思ってたけど、牛丼テイクアウトしたんだ、ってね、気が付くんだよ。
ウズラ:
気が付くことなの? そういうことって。
ハト:
紅しょうが、あと1袋あったのかぁ、って愕然とするね。
ウズラ:
記憶違いのほうに愕然としてよ。
ハト:
で、なんだっけ今日は。牛丼はYとMどっちが美味しいかお便りを募集するんだっけ?
ウズラ:
なんでお便りを募集したがるんだよ。
また歩きたいあの街この街っていうことでね、思い出話をするの。
ハト:
でもさ、思い出とか記憶って形が…
ウズラ:
形が変わる話はもういいですよ。大丈夫だから。
ハト:
よく分かったね、僕が言おうとしたこと。エスパーだね。
ウズラ:
もう始めますよ。僕はね、文京区の森鷗外記念館から台東区の上野動物園に向かう道。あの辺りを時々歩きたくなるよ。動物園の池之端門のほうね。
ハト:
そんな一本道があったっけ?
ウズラ:
一本道じゃありませんよ。細い道をわざと選んで、あっちに曲がり、こっちに曲がりして歩くんですよ。
ハト:
おばけ階段も通る?
ウズラ:
そうそう! もちろんです。
ハト:
上る時と下りる時で段数が違うんでしょ。
ウズラ:
だから、おばけ階段って言うんだってね。
ハト:
数えてる途中で、おばけが関係ない数字言うからね。「3」…「9」…とかね。それでみんな段数が分からなくなっちゃうんだね。
ウズラ:
そんなわけないでしょ。
ハト:
異人坂も通る?
ウズラ:
もちろんですよ。東京帝国大学に通勤する外国人の先生たちがよく通ったので、「異人坂」なんですってね。
ハト:
先生たち、「異人坂46」って呼ばれてたんだって。
ウズラ:
呼ばれてないよ。
ハト:
団子坂46とかね。千駄木48はSDG48って呼ばれて。たいへんなブームになったそうだね。明治の頃から僕たちは同じこと繰り返してるんだねぇ。
ウズラ:
ないよ、そんなの。誰のプロデュースだよ。
ハト:
森鷗外?
ウズラ:
そんなわけないでしょ。
ハト:
でも、「舞姫」プロデュースしたの森鷗外でしょ?
ウズラ:
「舞姫」って、アイドルじゃないからね。小説のタイトルだよ。
ハト:
?!
ウズラ:
どういう記憶なの。
さっき言い忘れたけど、森鷗外記念館は、鷗外が住んでた場所に建ってますね。家から海が見えたので、家に観潮楼って名前を付けました。今はもう海は見えないけど、その代わり、東京スカイツリーが見えるんだよねえ。ちょうど建物と建物の間に見えますね。だから今は、観「塔」楼だね。
ハト:
カントリーロード?
ウズラ:
いや観塔楼。
ハト:
あぁ、中華屋さん? また行く?ワンタン麺。
ウズラ:
いや観塔楼。
ハト:
ファン投票?
ウズラ:
いや観塔楼。
ハト:
敢闘賞?
…これなんのクイズ?
ウズラ:
もう、ええわ!
ウズラ・ハト:
ありがとうございました!